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働きやすい職場は自分たちでつくれる! スマイリー活動
こんにちは。三菱電機変革プロジェクトnote編集部です。
みなさんは職場で「これちょっと不便だな」と思うことはありませんか?
そうした「ちょっとした不便」に気づいたとき、どうしますか?
三菱電機 名古屋製作所では、普段見過ごされがちな「身の回りの困りごと」を自分たちで解決し、誰もが働きやすい職場づくりを進める「スマイリー活動」を推進しています。
今回は、この「スマイリー活動」について、メンバーにお話を伺いました。
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――スマイリー活動とは、どんな活動ですか?
佐藤:一言で言うと、「誰もが働きやすい職場環境をつくる活動」になります。最初は主に妊婦さんが働きやすい職場環境づくりから始めた活動でしたが、老若男女を問わず誰もが働きやすい職場づくりにつながっています。代表的な活動として「靴取り名人」と「妊産婦ガイドライン」についてご紹介します。
田村:「靴取り名人」は腰を屈めることなく靴を拾い上げるための器具です。私たちは精密機器を取り扱うため、クリーンルームへの出入りが日に何度もあります。その都度、靴の履き替えが必要になるんですが、大きなお腹を抱える妊婦さんは腰を屈めることが難しく、毎回苦労しながら履き替えていました。屈まずに靴を拾い上げられる道具はないかと市販品を探したものの見つからず・・・所内の廃材を使って自分たちで作ってみた、というものです。試作品を実際に使ってみて、重さや長さ、角度、グリップの具合など、どんどん改良を加えてとても使いやすいものに仕上がりまして、所内のあちこちで使われています。当初は妊婦さんを意識して作成したものでしたが、男女問わず足腰に痛みを持つ多くの人にも喜ばれています。
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横田:活動を通じて「もっと妊婦さんの気持ちを理解したい、してほしい」との思いが高まり、妊婦さんの日常を疑似体験する会を開催しました。こうしたイベントは時々見かけると思いますが、私たちの体験会では丸一週間体験セット(重り)を装着したまま業務にあたることで、より「リアル」な妊婦さんの日常を体感する会としました。所長をはじめとする管理職や、男性だけではなく女性も含めた多くの社員が参加しまして、そこから得た気づきをまとめ、職場の改善点や妊産婦が働く上での留意点などを整理した「妊産婦ガイドライン」を制定し、所内に展開しています。妊産婦の方はもちろん、周囲のメンバーからも「どんな点に配慮すればいいかわかりやすい」と好評です。
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佐藤:こうした取り組みについて新聞で報道されたり、職場改善に関する社外のコンテストで受賞したりと、社内外で評価いただけたのが励みになっていますね。
2023年度 きらめき賞 結果 - 日本プラントメンテナンス協会
――活動を始めたきっかけについて教えてください。
佐藤:数年前に妊娠中の後輩から「妊娠してから作業が辛い。働きたいけど、仕事を続けるのは難しいかも」と相談を受けたことが一つのきっかけでした。製造現場では立ち仕事が多いので、特に妊娠中は大変なことが多いんですよね。私も十数年前に同じ経験があり、当時は時代背景的に諦めていましたが、これだけ女性が働くようになった今も変わっていないのはおかしいと思い、何かできないかと考えるようになりました。
最初は既存の改善活動に参加していくつかの課題は解決できましたが、製作所全体を対象とする活動だったので各職場の細かな課題一つ一つに目を向けることは難しく・・。また、職場独自の改善を一人で取り組むのにも限界がありました。そのタイミングで田村さんと出会ったのが大きな転機でした。
田村:私は品質保証部門でヒューマンエラー対策を担当しているんですが、エラーの原因の一つにコミュニケーション不足があると考えていました。コロナ禍以降、会話が制限されて休憩エリアも静まり返るなど社員同士のコミュニケーションは少なく、人が定着しづらい状況で新人作業者にミスが続いていました。そこで「もっと居心地良く働ける環境を整えて職場が活気づけば、作業者も定着しやすくエラーを減らせるのではないか」と考え、ストレスの緩和やコミュニケーションがしやすい空間づくりに取り組んでいました。
当時私は契約社員だったんですが、「正社員になったらより幅広い職場改善活動に取り組めるのでは?」と思い、同じく登用試験を経て正社員となっていた佐藤さんに試験について相談したところ、そこで佐藤さんの取り組みや想いを知り・・。試験結果が出たその日に「二人でならできる!やろう!」と活動を開始しました。
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――具体的にはどんなことから取り組みましたか?
佐藤:妊婦さんや子育て中の人たちを助けたいという思いから始まったこともあり、女性向けの「目安箱」を設置しました。それ以前から目安箱自体は設置されていましたが、女性特有の悩みは男性に相談しにくいので、女性専用のものを追加し、意見を募りました。目安箱以外にも直接意見を聞いて、例えば更衣室のカーテンのクリーニングや椅子の設置など、部門を跨いでの共用部分であるがゆえに担当部門や相談先が分からず、見過ごされてきた小さな課題からコツコツと取り組みました。
田村:正直、活動を始めるまでは自分でも無意識に「誰かがやってくれるだろう」と人任せにしていたことは多々あって、そうした課題を積極的に見つけて行動するようにしました。
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――活動を始めた当初、周囲の反応はいかがでしたか?
田村:直属の上司でもある川野さんには、当初から全部相談して、積極的にサポートいただきましたね。
川野:活動の目的や内容がDE&I(Diversity, Equity and Inclusion)を推進する当社の方針にも沿っているし、田村さんの成長の機会になるだろうと考えました。働きやすい職場環境は会社側が整備すべきものですが、自主的に進めていただいたことで、現場のニーズを的確にとらえた改善につながりました。
佐藤:全体としては、初めのうちは活動についての認知度も低かったので、良くも悪くもあまり反応がなかったというのが正直なところです。少しずつ「キレイになってる」「便利になってる」と気づかれていった感じでしょうか。
――活動を認知してもらったり、理解/協力を得られたりするために何か工夫した点はありますか?
田村:最初はネーミングですね。「働きやすい職場環境づくり」じゃ覚えてもらえないし楽しそうでもないので・・・。あれこれ検討して「スマイリー活動」に落ち着きました。その後、ロゴや関連グッズも欲しくなり、デザインが得意な横田さんにいくつか作ってもらいました。それらを身に着けていれば会議の時や廊下ですれ違う時などに気づいてもらえて、活動の理解や認知度向上につなげられるかな、と。
横田:実際、他部門の人と打合せすると「それ何?」とよく聞かれます。その質問を待っていました、とばかりに答えてPRしている部分も大きいですね(笑)
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――活動が進んでいくにつれて、目安箱への相談が増えるなど、何か変化を感じますか?
田村:目安箱への投書は最近はほとんど見かけませんね。むしろ直接相談されることが増えました。その方が早いし、お互いしっかり向き合えてより良い解決策を見出せますから。声を上げやすい環境ができてきたんだなと感じています。
佐藤:活動が認知されるだけじゃなく、「手伝えることがあればやるよ!」と声をかけてくれる人が増えてきましたし、より積極的に「自分も一緒に活動したい!」と声を上げてくれる人も現れました。そのうちの一人が松田さんです。
松田:私は2023年に経験者採用で入社しました。前職も同じように製造現場でしたが、そこと比べても働きやすいと感じていました。そんな時に社内サイトでスマイリー活動のことを知り、そうした活動があることや取り組む人たちの想いを知ってとても嬉しく思いまして・・。共感するだけじゃなく自分も一緒に取り組んで、今後入社する女性社員が気持ちよく働ける環境を整えたいと思って参加しました。
――活動の中で悩んだりすることはありましたか?
田村:活動が認知されるにつれて「成果を出さなきゃ・・」と焦ってしまい、方向性を見失いかけた時期がありました。そんな時に課長から「この活動は会社からの指示でやらされているわけじゃなく、自分たちで望んで始めた活動なんだから、自分たちがやりたいと思うことをやればいい」と声をかけてもらって、初心に返って活動に打ち込めるようになりましたね。
――活動を通じて得られたものや、今後したいことなどはありますか?
田村:自分たちの職場を自分たちの手で変えていくことの楽しさを学びましたね。自ら動けば、自分たちが「こうしたい」と思う方向に変えていけます。一人ではできないことも、少しずつ仲間が集まって、力を借りて…というプロセスも含めて、本当に楽しいと思います。
佐藤:個人的には、会社人生が大きく変わったな、と(笑) 最初は自分が所属する部署のことしか見えていませんでしたが、活動を通して名古屋製作所全体のことを考えるようになりましたし、他の拠点とも関わるようになるなど視野の広がりや成長を感じるし夢も広がりました。今後もみなさんの困りごとを一つずつ解決していくのが第一ですが、「仕事を、職場を楽しくする道があるんだ、そうした未来を自分で切り拓くことができるんだ」ということを示して、後に続く人を増やしたいと思っています。とにかく今は、本当に仕事が楽しいです。
編集部:みなさん楽しそうに答えていただける姿がとても印象的で、活動を心から楽しんでいることが伝わってきました。これからも周囲が楽しく過ごせる職場づくり、その輪をどんどん広げていってください!本日はありがとうございました!