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今日は、俺が中学生だった頃の話をしよう。

中学1年生の10月に学校から生徒個人個人にパソコンが貸与されたのが、
俺の人生の分岐点だったと思ってる。
何故なら、それで俺の性格が大きく変わったから、かな。

それまでは、至って静かで真面目な人だったよ。
いや、言い換えれば、若干 みんなから省られてた。
俺は多分ね、そんな省られてる俺が嫌だったんだよ。

で、俺はそのパソコン貸与を機に、めちゃくちゃ変わった。

まず、俺はいきなり「陽キャ」ないしは「要キャ」になった。
だって俺はいちおう、パソコンは得意だったからね。
今でこそ俺の周りには、俺なんて足元にも及ばない人だらけだけど(俺のフォロワーのあらじいさんとかな)、
俺は当時プログラミングとかで無双してたし、
なんせページの規制突破したりウイルス感染させてみたり(もちろん元に戻しましたけどね)
そんな、中学生にとってウケることばっかやるようになった。

あとは、ゲーム作ってた。
そもそもそのパソコン、ゲーム自体が規制されてたんだけど、
それを突破するどころか内部操ってゲーム作り替えて遊ぶ。たのしい

そりゃぁな、中学生男子にはウケるわけだわ。
みんなゲーム楽しんでたし、
俺と同じようにゲーム作ろうとして「うまくできなーい」とか言うやつもいてw

…先生にとっては到底迷惑以外の何者でもなかっただろうな。
俺は何度か記述があるように、今は進学校に通っている。
てことは中学時代は勉強ができた、ということになるのだけれど、
それなのにも関わらず俺は授業中遊んでしかいなかったからね。
あー悪い子だ。
先生はきっと「アイツ俺の授業聞かないくせに点数ばっか取ってきやがる。うぜぇ」とでも
思ったことだろう。
シンプルに、申し訳なく感じる。


さて、今日は先生に申し訳ないと言う文章を書きたいのではない。
いきなりだが、この文章は恋愛に関する文章である。
そうゆうの興味ない、って人はあんまり読む価値ないと思うよ。

そうやってゲーム作ってみんなにあげて楽しんで、ってやってたけど
当然それは、女子にも出回るわけだわ。

なんか勝手なイメージで「ゲーム=男子」「不真面目=男子」っていう概念ができあがっちゃってるけど、
意外と女子もゲームするんだね。知らんかった。

で、俺はめちゃくちゃゲーム作りガチ勢になって、
めちゃくちゃ生産しまくった。
無論、マンネリ化するようなくだらんゲームなんかが人気になるわけもないので、
ステージによってテーマを作ったり、
ワープ扉形式やタイム形式を取り入れたりして
たぶん俺って、そう言うセンス多少はあったんだと思う。
そうじゃなきゃ、こんなこと起きない。

こう言うことやってるとやっぱりね、真面目な女子とは距離が離れていくわけだわ。
ただ、ノリ良い系女子だとか女子の中での「一軍」あたりとは仲良くなったよ。

ところが、俺はそうやってゲームを作って楽しんでいるだけの浅はかなヤツだったので、
その時の相手の好意に気がついてあげることができなかった。おわってるよ

さて、この記事はお読みいただいただろうか。

この記事において書かれている「A」とは、まさしくその人である。
Aと呼んでいてもなんか嫌なので、ここでは仮名で「あずさ」を使おう。


あずさは、身長は低いし全体的に小柄な女子だ。
顔は普通。顔面偏差値つけるなら52くらいかな。
ただ、それ以上に「性格偏差値」をつけるんなら、…
いや、それも52、3くらいかな。
じゃぁ、あの人がそこそこ魅力的だったのはなんでだろう?

やっぱ、他人を恋愛対象として定めて特攻してくるタイプって、
結構男子にとって魅力的なんじゃないかな。
あずさの場合は、そういうことだと思う。

あずさは、結論から言うと、たぶん俺のことが好きだったんだと思う。
いや、“多分”じゃないな。ほぼ確実に。

例えば、俺が放送委員会に入ろうかなと言うと、自分も入りたいと言い出す。
俺が中学2年のとき、放送委員会が一緒になった。
委員会って普通、仲良い人と一緒に入らないとつまらんものなのよ。
俺の場合は他のクラスで俺と仲良い友だちがいたし、
放送委員会は仕事柄目立てる委員会なので、
俺は放送委員会を中学校の3年間やり続けている。
(もっと言うと、小学校でも3〜5年生のときもやっている。放送ガチ勢だ。)

でも、あずさはそこに入ってきた。
ここまでの話じゃ、全く偶然以外の何者でもないと思うだろう。
しかし、話はこれで終わりじゃないんだ。

あずさは、俺が中学3年でも放送委員会をやりたいと聞いて、
そんな中でも自分が確実に放送委員会に入れる方法を考えたようだ。
で、彼女は放送委員会の副委員長になった。

放送委員の当番活動は、それまで各クラス&生徒会三役でやっていた。
ところが、その枠組みが変わったのだ。
それはおそらく、副委員長の権力だ。
俺は副委員長のあずさと、毎週2日、放送することになった。

放送室はどんな部屋だろうか。
そう、恋の生まれる部屋である…と言うのはあくまでも冗談だが、
事実、それっぽい。
なんといったって、放送室は放送中及び放送準備中は立ち入り禁止である。
学校の部屋の中でも珍しく、放送室には内側からの鍵がついている。
外からは開けられない。
しかも放送室は、防音になっている。
何を話しても、外にはまっったく聞こえない。
ついでに、放送室は薄暗いので、それっぽい雰囲気になる。
今思えば、放送室って恋の生まれる条件をちゃんと満たしているんだな…

そして俺はあずさと毎週放送をしたわけだが、
アナウンスは基本俺だった。
それは最初から最後まで基本そうだったし、あずさは「アナウンス苦手〜」とか言ってたな。
じゃぁなんで放送委員会入るんだよ。そんなのもはや丸見えでしかない。

そんな「分かりやすい条件」を満たしていたにも関わらず、
俺はあずさが俺のことを好きだったと理解できなかったのだ。
馬鹿すぎる。

で、そんな日常が続いた。
恋愛トークがあったか、って?
ん〜あんまり覚えていない。
あの時の俺はマジで、恋愛に興味がなかった(と言うかそう言う世界を知らなかった)から
でも、確かにそう言う話はした覚えがあるにはある。


そして中学3年生の3月、受験も終わり放送するのも最後の日になった。

俺はいつも通り、あずさと放送室に行った。
リハーサルのとき、あずさが言った。
「ねぇ、放送の最後でさ『今回の放送は、アナウンス・比羅木(ヒイラギ)、機械・本島(あずさの仮苗字)』って言ってよ」
え、うん、?え?何それ。
俺はそれの意味することが理解できなかったので、
よくわからないままにマイクに向かった。

ところが、俺に取ってはあずさがどうよりも、
「小学校の時から計6年間やってた放送も、これが最後か…」という感慨深さの方が強かった。
で、俺はそんなあずさの言ったことなんて頭から抜け落ちてしまったのである。

「完全下校時刻の5分前になりました。部活動・残留以外の人は、速やかに帰宅してください。
それでは全校のみなさん、さようなら。アイ・エヌ・イー。」
いつもの決まり文句を言い終わって、あぁ、これで終わりか…と思っていた矢先

「ねーなんで言わなかったの?」
「え…」
「最後に、今回の放送はアナウンスヒイラギ、機械本島って…」

あ。
忘れてた。

マジでね。今でも申し訳ないと思うよ。
いくらなんでも、人に、やってと頼まれたことを断りもせずにやらなかったんだから。
俺が悪い。
し、俺がそういうアナウンスすること期待してたあずさにも悪い。


別々の高校へ行った。
あずさは、電車の沿線ではない高校へ行き、俺は電車通学する高校へ行った。
なので俺はそれ以来、あずさと直接会ったことはほぼない。

あずさは後にカレシができたようで、
高校生ながら、そのカレシとディズニーに行ったと聞いたときは驚いた。

で、あずさは人生安泰なんだろうな、と思ってたら、
別れた。

最近はラインが来るので、返事してやってる。
あずさは高校に入ってからも恋にアツい生活送ってるんだろうけど
俺の方はそんなの興味無くなったけどね。

そんなのも知らずに、未だ希望を持ち続けているあずさはちょっとかわいそうだ。乙

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