運動神経が起こした珍事 文箱ゆづき
私は運動神経が悪い。
この前、運動神経が悪いのは、身体感覚が薄いからなのではという話を、ポッドキャストで聞いた。
運動神経が悪いということをきちんと考えたことはなかったが、なるほどと思った。
たぶん、頭と体がつながっている感覚が薄く、頭の言う通りに、身体を動かせていないのだ。
学生時代は文化部しか経験がないせいでもある。
ここで一つ、私の運動神経がめちゃくちゃ悪いエピソードを話したい。
仕事の休憩時間に、なぜか職場の4人と、サッカーボールをパスしあう機会があった。まあ暇だったのだ。
そこで、私は、あろうことか、パスされたボールの上に片足を乗り上げ、足がボールの上を滑り、そのままずるっと後ろ向きにひっくり返ってしまった。
運動神経が悪いことは自覚していたけれど、さすがの私も、自分がここまで悪いとは思わなかった。一瞬、自分にも何が起こったのかわからなかった。
え、空が見えるんだが、なんだこの漫画みたいな展開は、という感じで。
周りも驚いてすごく心配されたけど、腕を擦りむいただけで、特に他のけがはなかった。
なので、ボールパスを継続したけれど、
「(私にボールをパスするのが)こうぇーよ、こわいよ」と、パスする側の同僚は言っていた。
うん、パスしてもう一回ひっくり返られたらたまらないもんね。
あれは、申し訳なかった……。
という感じで、まともにボールパスを受けられない珍事を起こすほど、私は運動神経が悪い。
いや、しかし、ボールを受け止めるつもりが、足があんなふうに動くとは思わなかった。
やはり、スポーツができる人みんな尊敬する。
とはいえ、大人になっても運動神経を鍛えることはできるそうで。
運動音痴な私にもできることは何かと考えた。
例えば、最近は、出かけてたくさん歩いた時の足の裏が痛みが気になっている。
これは日頃から歩いていないせいだろう。運動不足が痛い。
家族と話していて思ったのだけれど、身体感覚が薄いのならば、どういうふうに足の裏をつけて歩いているのか、自然に負担のかかる歩き方をしていないか、どういうふうに歩いたら楽なのか、今から意識してみるつもりだ。