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#2 なぜ学び場を(七緒視点)
私たちふたりは、子どもに関わる仕事に携わってきました。ひとりは、塾講師をしたり、外部講師やインストラクターとして授業をしたり。ひとりは、現場でどっぷり。
その中で思ったことは、私たちは「テストで点数を取れる力ではなく、その子の『学ぶ姿勢』を育みたい」のだということ。
一方で、「点数を上げること」が親御さんが塾に通わせる理由であることも、十分理解しています。「学ぶ姿勢?そんなものより、早く点数をあげてください!」そう思うものだと思います。
でも、私たちは「学ぶ姿勢が身に着けば、点数はおのずと上がるものだ」と考えています。そして、点数を取れる力を身に着けることができても、学ぶ姿勢が身につかないことは往々にしてあります。確かに問題をただひたすらに解き、解き方を覚え、得点を上げることはできるでしょう。しかし、この勉強方法はあまりに他の分野に対する汎用性が低い。本当に必要なのは、学ぶ姿勢なのではないでしょうか。学ぶ姿勢を持つか持たざるかは、少なからず人生の楽しみ方にも影響を与えるはずです。学ぶ姿勢を身につけたなら、自分にとって楽しいことをハントしにいく人生に、きっとなるはず。
学ぶことは本来とても楽しい(そしてそれは同時にとても苦しいことでもあるのだけれど、それ以上に、という)ものです。学ぶ中で何かがわかるということ、わからないということを、すべてひっくるめて、今の自分の興味や関心を掌の上でころころ転がすように眺めることができる。そして、掌に転がした興味関心と、これまでの自分に降り注いだあらゆる出来事を引っ張り出して、つないだりほどいたりしながら、過去と今を結びなおすことができる。このふたつを通して、未来をまなざすことができる。そんな風に思っています。
少し抽象的になりました。
具体的な話に戻ります。
「点数を上げる以前に、学ぶ姿勢を身につけましょう」ということです。
もちろん、得点アップのために問題演習を行います。ただ、その前に、学びにむけて計画を立てたり、どのように勉強をしているのかを客観的に把握する視点を獲得したりすることを目指しましょう。それを私たちは全力でサポートします。一緒に計画を立て、一緒に振り返り、一緒に学びます。私たちも。
これだけでは、巷の個別指導塾となんら変わらない。そう思う方も多いかと思います。
しかし、私たちは学びのサポートのみならず、「学びの種まき」も行います。
学び場であると同時に本屋であることを生かし、ゲストをお招きする対話の会や本を囲んで話す読書会などを開催します。これらは、さまざまな大人の生き方を知る機会になったり、思考の広がりや深まりを体感する機会になったりするはずです。イベントや読書会を通じて興味をもった事柄を、みんなで一緒に(ひとりで黙々と、でもいいですね)調べることだって、きっと楽しい。こういった探求学習も段階的に導入していきたいと考えています。また、子どもたちの読書週間作りのアシストにも力を入れていきます。
平日の学びの時間はそれぞれの学びが深まる時間に、土日のイベントは学びたい分野が広がる時間に、していきたいと思っています。
よし、これで、学び場と本屋が少しばかりつながったでしょうか?
本屋編へつづく。