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indigo la endとi phoneと昼マック 七緒栞菜

 indigo la endというバンドの曲をよく聞く。メンバー全員の名前を覚えていたり、すべての曲を知っていたりするわけではないのでファンであるとは言い難いが、好きなバンドであることは確かである。ボーカル/ギターを務める川谷絵音さんは、ゲスの極み乙女。や、ジェニーハイ、礼賛などでもそれぞれバンド活動を行っている。ほかにも、DADARAYや美的計画など、多くのバンドや楽曲をプロデュースされている。

 5つのバンドを掛け持ちし、すべてのバンドにおいて楽曲をハイペースで制作・発表し、アルバムも出している。おそらく数日に一曲は書き上げているはずだ。もしかしたら1日に数曲かもしれない。

 川谷さんは以前何かの番組で(確か「関ジャム 完全燃SHOW」)、曲を書いている途中で indigo la endの仲間に相談したけれど、結局最終的には違うバンドの楽曲になったということもあった(そしてメンバーはそれを「あ~あっちの曲になったのね~」と受け入れた)というようなことをお話しされていた気がする。とにかく、曲を作って作って作りまくるのだとか。

 生み出して、生み出して、それを振り分けて。振り分けたその先が、そのバンドらしさとして立ち上がっていく。

 そんな風に思えた。

 そして、そのバンドらしさそれぞれにファンがつく。ファンは自分が気に入ったバンド以外の曲もなぜか耳にすることになるだろう。(私はそう。自主的にも多少聞くし、音楽アプリが勧めてくる)それぞれに個性がありその一面である1つのバンドを好いたのだから、その他のバンドの楽曲を聞く機会は、お気に入りのバンドに比べればそれほど多くはないのかもしれない。でも、それでも、ほかの一面の存在がたくさんある、というところに川谷さんのすごみを感じる。

 ブランドの「○○ライン」に近いものを感じる。「i phone」「apple watch」「i pad」…それぞれのラインにそれぞれの良さや強味があるからこそ「apple」というブランドにブランド価値があるのだと思う。「マクドナルド」も、「昼マック」もいいけれど「朝マック」のマフィンも捨てがたい。「夜マック」のパティ2倍は、私にとってはあまり魅力的には思えないけれど、一定のファンがいるであろうことはわかる。

 なんか、そういうのってすごいなと思う。あらゆる面での価値が合わさって、その人、そのブランド特有の価値になっていく感じ。

 やれることじゃんじゃんやって、作りたいものじゃんじゃん作って、それを自分でカテゴライズしてそれぞれを育てていくのって、難しそうで、楽しそうだ。すごい人にはなれなくていいけれど、おもしろい人にはなりたいな。


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