僕の地元は田舎過ぎて○○がない。
青森県。本州最北端に位置し、更にその中でも一番北海道に近い最北端の町で、高校卒業までを過ごした。
読者の方々も、青森県という場所のイメージは、方言であるとか、リンゴであるとか、寒いであるとか、ほかにもあるかもしれない。
ちなみにだが、今、読んでくれているあなたの想像の10倍、田舎である。
この記事では特に東京育ちでは考えられないような田舎を、紹介しよう。
給食がない
生まれてこの方、給食というものを食べたことが無い。
1学年、約40人。これが過疎化の進む田舎の学校問題である。閉校が相次いでいるような田舎では給食センターを設ける方が、資金的な意味でもマイナスになってしまうのだ。
であるために給食という概念は存在しておらず、もちろん売店なんてものも存在しない。親の作ってくれるお弁当。これが僕らの学校生活12年間の食の源である。
母ちゃん、僕ら兄弟4人分の弁当毎日作ってくれてたのか…
大人になるとこれの大変さが痛いほどわかる。
遊ぶところがない
車で1時間。これがなんの数字かというと、家から1番近いマクドナルドまでの距離である。住む町に、スーパー2軒とコンビニ1軒しかない僕らにとって、この市の存在は救いだ。
他にも、カラオケ、服屋、飲食店、ゲーム屋、ゲーセン、ホームセンター。ライフラインが揃っている。月に1,2回はこの市に行かないと生活が出来ない。
それ故に遊ぶところは町に無い。公園か、駄菓子屋くらいだ。
この駄菓子屋が凄くて、老夫婦2人で経営してるのだが、町のほぼすべての子供が来るのに、名前を憶えている。
僕も数年前に帰省したのだが、たまたま同級生と入った居酒屋で老夫婦が飲んでおり、まだ僕の名前を憶えていてくれたくらいだ。
不良が育ちがち
田舎に不良が多いのは、上記もしたが遊ぶところが無いからじゃないかなと僕は思う。その日常は穏やかではあるが、逆にいえば刺激に満ちない日常である。そうすると酒やタバコに手を染める学生が増えるのだ。
こんなに繊細で、内向型HSPの僕だが、中学高校の時はどちらかというとそっちの部類に入っており、悪いこともしてきた。
あの日々は本当に刺激に満ちていて、思い出すとあの頃より笑ったことはあれ以来無いな。と感じてしまう。
本当に方言がすごい
「なほのわらすど、だはんこぐして、わあやだらあんべわりぃじゃ」
僕が、青森の方言話してくださいと人に言われたときに言うセリフである。
「な」→あなた
「ほ」→家
「わらすど」→子供たち
「だはんこぐ」→駄々をこねる
「して」→から
「わあ」→私
「やだら」→すごく
「あんべわりぃ」→調子が悪い・気分がよくない
つまりは、「なほのわらすど、だはんこぐして、わあやだらあんべわりぃじゃ」で「お前んちの子供が駄々こねるから、俺超気分悪いんだよね」って事である。
本当に外国語なんじゃないかという方言。僕は1か月で標準語というものを習得し、今は方言を出す方が難しくなっている。
人の温かさは、最強
遊ぶところが無いから、人と人は絆で結ばれている。隣の家に物をおすそ分けすることなんて当り前だし、助け合う。仲間意識はとにかく強いし、何より地元を愛している。
田舎の恐ろしい所はここかもしれない。どんなに繕っても、この関係にはかなわない。
また向こうで住むかと言われれば、それはおそらくないが、見下している訳ではない。あそこはあそこで凄くいい場所だし、今住んでいるここも良い場所なのだ。
そうだな、もし青森に旅行に行こうって考えてる人がいるならこれだけは覚えていって欲しいんだ。
たとえ10月でも、長袖はいっぱい持っていきなさい。
観光に来た外国人は、寒くてダウンジャケット着てたから。