リピートしてもらえる通訳になれた理由
先にお断りしておきますが
今回の内容は、英語と一切関係がありません。
MRJという飛行機を作るミッションが
日本にあったのを知っているでしょうか。
コロナ期に頓挫してしまいましたが
日本の誇る、三菱の航空エンジニアの方々が
毎日、情熱を持って設計していた航空機でした。
私が通訳として
初めて雇われたのは、そう。
そんなMRJを設計している会社でした。
MRJを設計するために
航空機設計の知見を持った外国人たちと
三菱のエンジニアたちとの間のコミュニケーション
また
国土交通省との
型式証明取得に向けた調整の数々…。
とても責任のある
そして、内容が難解な通訳現場でした。
どのくらい難しいかというと、
日本語の意味が分からず
通訳として会議に出席しているにもかかわらず
3ヶ月間、一言も訳せず
無言で座り続けていたくらいには
難しかったです。笑
(よく解雇されなかった。笑)
もちろんその期間
翻訳したり、勉強したり…
成長していたのだとは思います。
そして、
だんだんと訳せるようになってきた頃から
どんどんと他部署からも
通訳案件が回ってくるようになったのです。
そしてさらには、
「Naoにうちの部署に来てほしい」
直々にご指名を受け
その部署の専属通訳となったり
会社の役員から
「今までで1番、欲しい情報をまとめてくれた通訳だった」
と言ってもらったり。
嬉しい評価をたくさんもらいました。
退職し、
フリーランス通訳として
様々な企業様から案件をもらうようになると
「また指名したい」
と言ってくださる企業様も増えていきました。
正直、
訳すスキルや知識だけで言えば
ベテランの通訳さんたちの方が
圧倒的に上手だと思います。
なのに、なぜ?
といつも疑問に思っていました。
ですが今回
「ああ、そういうことじゃなかったのか」
と思うことがありました。
「私のことを好きだ」
と言ってくれるクライアントさんばかりだったんだ
と気づいたんです。
商談や調整
ワークショップや講義…
様々なシチュエーションで
通訳は呼ばれますが
私のことをリピートしてくださる
クライアントさんはみんな
私の雰囲気だったり
場を和ませる空気感
調整がスムーズに行くほどの場づくり
そもそもの性格やエネルギー
などなど…
「私」という存在を
みてくれていたんだな
と気がつきました。
通訳として
訳の精度を上げる努力をすることは
最低限大事かもしれないけれど
訳にとらわれて
自分がクライアントさんからの
評価に値するのかどうかばかり考えていたのは
とても視野が狭く
自分にとって優しくないスタンスだったなぁ
と思いました。
私はどんな案件も
リピートしてくださる企業様とは
いつもいい関係でいれることに感謝しています。
それがさらに
こんなに愛されてたんだなぁ
という
「存在の受容」に変容していった気がしていて
通訳としての
新たな第一歩を踏み出した気持ちになったのでした。
いつも訳を聞いて
受け取ってくださる皆さん
ありがとうございます✨
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