拝啓、さつまいも。寒い季節に抗いがたい黄金色へのラブレター
さつまいもが好きだ。特に焼き芋。とても、とても好きだ。
秋冬のあいだ、我が家(といっても、わたしだけだけど)の主食は焼き芋、ふかし芋、ときどき干し芋。大学芋や、お洒落なさつまいもサラダ、スイーツも捨てがたいが、主食になれるエリート層は上記3つに絞られる。
一日一食、または二食。家にいる時はレンチンのふかし芋を熱々のうちに、会社に行く時はラップに包んで残業のお供に、お出かけには小腹が空いた時のおやつに干し芋を。たいてい、お昼か夜ごはん。自作のふかし芋はちょっとモソモソするので、朝ごはんには向かない(私調べ)。
さつまいもの素晴らしいところは、出来立ても冷蔵庫で保存した後も、それぞれの美味しさがあるところだ。液体でないからどこにでも持っていけるし、いつ食べても美味しい。
栄養的にも、食物繊維が豊富で、ほぼ炭水化物だけど冷やせばGI値が低くなってダイエットにも良い。
あとは、見た目の素朴さも忘れてはならない。土まみれの冴えない紫色が、水洗いした瞬間に鮮やかな紫色になって、火を入れると中は黄金色に光り輝く。ゆっくり熱を通せたら黄金色は艶っぽくキラキラして、いま流行りの透明感をたたえて微笑みかける。さあ召し上がれ、と。これぞギャップ萌え。
魅惑の黄金色との出会いは、世界の色んなところに転がっている。スーパーで段ボールごと無造作に並べられた普通のさつまいもを電子レンジで蒸しても美味しいし、スーパーの入り口でほかほか待ち構えてくれる焼き芋も美味しい。ふるさと納税でキロ単位で届く不揃いな芋たちも愛おしいし、焼き芋専門店の冷凍パックを取り寄せるのも楽しい。あぁ、仕事で疲れ果てた帰り道に偶然「いしや〜きいも〜」と遭遇した時の嬉しさといったら半端ない。一本おいくらかな、現金持ってたっけな、と0.01%の意識を財布に飛ばしながら、小躍りして近づく。
こんなに抗いがたい黄金色なのに、私くらい魅了されている人はあまり見かけない。みんなに是非知ってほしいけれど、自分だけで独り占めしたい気もする。そんな葛藤と戦いながら、今日も黙々とレンジでふかし芋を大量生産中。来週も愛しのさつまいもで乗り切るぞ。
↑これ美味しい。お気に入りです。