ADHDの「仕事に集中できない」自動思考をAIで修正する試み【認知行動療法×在宅フリーランス】
私はフリーランスのソフトウェア・エンジニアの端くれで、ありがたいことに在宅勤務でフルリモートの仕事をさせてもらっています。診断も受けているADHD持ちです。
そんなADHDが仕事をしているある日のことです。
ADHDが仕事をするということ
これはADHDあるあるだと思いますが、私は好きなことであれば「過集中」に入って猛烈に仕事が捗るのですが、いつもそういうワケにいかないのが仕事というものです。
仕事の中には、やらなければならない事務作業もありますし、そもそも興味・関心が湧かない案件も飛び込んできます。
そういう時の集中力維持ときたら、私のようなADHD持ちには困難を極めます。ストラテラを飲んでいても興味関心が薄い仕事+集中力維持困難=生産性の低下、のパターンにはまってしまいます。
疲労感は半端ないのに、仕事の進捗は良くない→ストレスがたまる→残業→疲れと不安感が残る→作業効率がさらに悪化…というネガティブなループに嵌りがちなのです。
うーむ、参りました。このままじゃメンタルバランスがマズイぞ、と。そう思って、自作のAIチャットに、仕事中のモヤモヤを投げかけてみることにしました。
自作AIチャットによる(ADHDの)自動思考修正の試み
私は、認知行動療法(CBT)を学んでいます。CBTはネガティブな自動思考をポジティブに置き換えることで、こころのバランスを保つことを目指す心理療法です。
その認知行動療法のエッセンスを取り入れた「こころが晴れるAIチャット」を、LINEのチャットを使って作成してみました。(技術的には、ChatGPT APIを利用していますが、ここでは割愛します)
認知行動療法を応用したAIチャットを作った経緯:
ADHDの症状そのものはAIチャットで修正できるものではありませんが、症状に関連したネガティブな自動思考くらいなら、このAIとの対話を通してポジティブに置き換えられるのではないか、というのが狙いです。
さっそく、仕事に集中できないモヤモヤを吐き出してみました。
AIチャットで自動思考を修正して前向き思考に
こんな感じで、AIと対話することで、仕事に集中できないことから派生する「自分にはこの仕事は向いていない」という極端な自動思考に気づくことができました。
自動思考の捕まえ方についてはこちらの記事でも書いています:
そしてその自動思考を「やり方を工夫すればなんとかやっていける」とポジティブに修正することができました。
完全にADHDの症状が改善する訳ではありませんが、自分を責めるのではなく、ADHDの特性を理解して「自分なりのやり方」を模索していこう、と建設的に考えられるようになりました。
これは自分にとって大きな発見でした。パニックに陥る前に、こうしてAIと対話することで、ネガティブ思考の悪循環を断ち切れるかもしれません。
「できる」ことに目を向ける
「仕事が向いていない」ではなく「工夫すれば何とかなるかも」と考えるようになってから、意識して「できる」ことに目を向けるようになりました。
確かに、ADHDの特性で集中力は続きにくいかもしれません。でも、集中できる時間を見つけて、その間に細切れのタスクを少しずつこなしていけばいいのです。
「仕事が早く終わらない、大変だ」と嘆くのではなく、「自分にできることを、自分のペースでやっていこう」と考えるようになりました。
まとめ
仕事をしていると、「やらなければいけないのに興味関心が湧かない仕事」を避けて通る訳にはいきません。ただそうなると、薬で抑えているADHDがむくむくと発動してしまい、集中力の維持が難しくなります。
そんな時、「この仕事は自分に向いていない」という極端な自動思考が湧き上がり、ネガティブループに陥りがちでした。
しかし、認知行動療法をベースにしたAIチャットと対話することで、その自動思考に気づき、「工夫すればなんとかやっていける」とポジティブに修正することができました。
これによって自分を責めることが減り、ADHDの特性と向き合いながら、自分なりのペースで仕事に取り組めるようになりそうです。
完璧を目指すのではなく、自分にできることを見つけて実践していく。そんな柔軟な考え方を、AIチャットとの対話から学ぶことができました。
AIを活用した認知行動療法は、メンタルヘルスの課題を抱えながら在宅で働く人たちの、新しいセルフケア法になるかもしれません。
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