ゲーム依存症と診断されるぐらいだったのに、なぜゲームをやめたのか。

結論:ゲームより楽しい事ができたから。

息子が不登校だった時、一日中ゲームをして過ごしていた。

プレイ時間は一日10時間以上を超えていたと思う。

医者にはゲーム依存症だと診断された。

【ゲーム依存症の診断基準】

12 か月の間に以下の内 5 項目あるいはそれ以上が当てはまる。

1. しばしばインターネットゲームに心を奪われている。(例:過去のゲームに関する活動のことを考える、次のゲームを楽しみに待つ、インターネットゲームが日々の生活の中での主要な活動になる等)

2. インターネットゲームを中断したり、中止したり、あるいは禁止されると落ち着かなくなる。またはいらだつ。

3. インターネットゲームに費やす時間をさらに増やしたいという欲求がある。

4. インターネットゲームにかかわることを制限する、減らす、または中止したりするなどの努力を繰り返し成功しなかったことがある。

5. インターネットゲームを行ったことで、インターネットゲーム以外の過去の趣味や娯楽への興味が無くなった。

6. インターネットゲームによる心理社会的な問題を知っているにもかかわらず、過度にインターネットゲームの使用を続けてしまう。

7. 家族、治療者、または他者に対して、インターネットゲームの使用の程度について嘘をついたことがある。

8. 否定的な気分(例:無力感、罪責感、不安)を避けるため、あるいは和らげるためにインターネットゲームを使用する。

9. インターネットゲームへの参加のために、大事な交友関係、仕事、教育や雇用の機会を危うくした、また失ったことがある。

ゲームばかりの息子が心配で、やめさせようと必死だった。

ゲームを取り上げては取っ組み合いになり、制限をかければ口論になった。勿論、約束なんてこちらの一歩的な押し付けとなりゲーム漬けの日々は続いた。

毎日毎日これの繰り返し。
ほとほと困り果てていた。


家族とはほぼ会話なし。なのにネットの向こう側の人達とは楽しそう。

イライライライライライライライライライラ
不安心配不安心配心配悲しい心配不安辛い心配


息子が不登校になってから、たくさんの本を読んだり、ネットに良い情報はないかと探した。(勿論、医療機関やその他公的機関諸々に相談したりもした)

本やネットにはこう書かれてた。


「ゲームを取り上げてはいけない」

「ゲームはその子の命綱」

わたしは命綱を奪おうとしてた。

ネットの中には同じ不登校の子や同年代の子もたくさんいたようだ。時には外国の方とカタコトの英語でプレイをしたり、現実では到底会えないような有名人とプレイした事もあったようだった。

将来の事や悩みをお互いに打ち明けたり、相談したり。時には喧嘩したり大笑いしたり。わたしが体験した事のない世界が彼らにはあったみたい。

心配すぎたけど、もうほっといて見る事にした

勿論トラブルも色々あった。その時には息子の問題解決に尽力したし、この時とばかりにネットの怖さを教えた。

すると徐々に徐々に少しずつだけど、息子はイライラする事が減っていった。

少しずつ家族との会話も増えて、家族との時間も増えていった。以前と比べたら、本当に穏やかな日々だった。

あともう一歩。あともう少し。

だけどそこからなかなか前へ進まず【ゲームをしている毎日】に変わりはなかった。

正直、わたしは焦っていた。

そろそろ進路をきめる時期が近づいている。

息子はこのまま一生過ごすの?本当にこれで良いと思っているの?息子が何を考えているのかわからなかった。血の繋がった家族なのに、すぐ隣にいるのにすごく遠い存在に感じていた。

ある日、どうしても我慢できずに思いの丈をぶちまけた。息子に伝わるように言葉を選びながら。

数日後、息子はゲームをやめた。

そして学校へ登校するようになった。

わたしが何を考えているのかわからなかっただけで、息子は自分で一生懸命どうすれば良いのかを考えていたのだと知った。

この結果は、真剣に自分と向き合って、答えを出した彼の強さだったと思う。そして息子の友達や周囲の協力があってこその結果だった。

自分と向き合って、答えを出し、一つ成長した息子が誇らしかった。

その後は息子のペースで行ったり、休んだり。ゲームもしたり、しなかったり。

最後の方は友達と遊ぶ事に夢中で、ゲーム時間は本当に短いものだった。

今も手元にパソコンはあるものの、ゲームはせずに過ごしているようだ。

あの頃を振り返ると「良い経験になった」「沢山の人に会えたし」と笑っている。

思春期の発達課題はアイデンティティの確立

この重要な時期に味わった、特別な経験や出会いはきっとプラスになったと願っている。

息子の場合、最初はゲームが楽しかったのだと思う。でもゲームしかない生活に飽きてきた頃に進路を決める時期となった事、そして周囲のおかげでゲームと距離ができたのだと考えている。

不登校と同じで、ゲーム依存についてもきっかけや原因は無数にあると思うが、本人の気持ちの切り替えや決心がないと解決は難しいと思うし、環境や周囲の影響も大きいと思う。そして夢中になれる何かや誰かを見つけるのが重要なのかも知れない。

また何かのきっかけで、つまづく事があるかもしれない。その時はまた一から一緒に。彼にとって、良い環境を提案して、もう一度支えていきたいと思う。でもきっと大丈夫。きっと。

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