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【非行少年に語る〜合意形成のコツ】
この記事は,僕が塀の中で非行少年たちに語りかけた内容を,記憶をもとに文字起こししたものです。塀の中の教室の空気感を想像しながら読んでもらえたらうれしいです。
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親と意見が合わないなんてのは,大なり小なりどこの家庭でもあることだ。もちろん俺んちでも…たぶんあった。あんまり覚えてないけど。
まぁとにかく…
意見の対立はよくあること。
だけど…
大抵の場合は意見が割れてもそんなに問題にならない。
どっちが先に風呂に入るか…とか
玉子焼きと目玉焼きはどっちがいいか…
とかだからね。
でも…
進路の場合はなかなか面倒だ。
君たちの場合もこれはやっぱり問題だろう。
就職か進学か…
大学か専門か…
どこの学校か…
どんな仕事か…
本来的には,自分の進路だから自分で決めればいいわけだけど,そんなに単純じゃないわな。君たちの多くは親元に帰るわけで,少なからず親の手を借りながら生活していくわけだし。
…ちなみに,
親元に帰らない人の方がもっと大変かもな。
大半の場合は進学の余地はないし,仕事をするにもほぼ自分の希望は通らない。そもそも帰る地域すら自分ではほとんど選べない。親と進路を巡って話し合えるってのは,それだけで,一部の人に比べたら幸せなことかもな。
いずれにしても…
大人との間で起きる,進路に関する意見の食い違いは解決が難しい。
だけど…
進路は自分一人では実現できないことなんだから,なんとかしてお互いが納得できる結論にたどり着きたいところだ。そうだろう?
そこで今日は君たちに「相手に認めてもらえる自己主張」について伝えておこうと思う。平たく言うと「営業のコツ」ってやつだ。よく理解して,自分の状況に応用してみてほしい。
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放デイのスタッフをしながら、わが子の非行に悩む保護者からの相談に応じたり、教員等への研修などを行っています。記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。