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うつ病を経て探偵になった理由

「どうして探偵になろうと思ったんですか?」

職業探偵ですと名乗るとよく聞かれるこの質問。
色々思うところがありましてこの業界に身を置いていますので、そのあたりを書いてみようと思います。
所謂プロフィール記事ですね。



産まれてすぐに両親から捨てられた。

どのくらいすぐかと言うと母は病院で自分を産み落とした直後、自らが産み落とした赤子を抱くことすらなく出ていったそうです。
我が母ながらぶっとんでますね!そしてそのまま父へと別れを告げ、出ていき、父はというと自分を祖父母に預けて行方をくらまし、以降10数年連絡がつかない状況でした。

幼少から学生時代、社会人になりある日突然鬱になる。

我ながら学生時代は特にグレることもなく普通に過ごしてました。
うちの事情を知る同級生の親から「家庭環境大変なのにひねくれずに育って偉い」とよく言われたものですが、あの頃はなぜか妙にものわかりというか諦めが良く「まあ父と母も人間なんだし致し方ない事情があったのだろう」と自分を納得させて過ごしてたわけですね。
そしてそれが良くなかった。
自分の感情を誤魔化したまま大人になり、社会に出て10数年
ある日突然朝ベッドから起き上がれなくなりました、そこから地獄の始まりです。

3年半の鬱期

正直この頃の記憶は曖昧で、天井を眺めて泣きながらただただ「死にたい」と呟いてた日々でした。
社会からドロップアウトしてしまったことの罪悪感に加えて働けなくなったことで蓄えは減り続け、ゆっくり休めと医者から言われても全く心は休まりませんでした。
それまでは割と熱血なタイプで、情熱と思いやりで世の中は良くなると本気で思っていたので何もできなくなってしまった自分にかなり絶望しました。
正直それまでは鬱秒とかは気の持ちようだと思っていたからです。

治らないけど働くしかない。

そうこうしているうちに3年経ち口座の残高も底を尽き、極めてシンプルに
働いてご飯を買うか
このまま餓死するか
の二択になり、最初は人と話さずに済むようにデータ入力のバイトを週に3日はじめました。
そこから少しずつ少しずつ仕事の量や職種を変えてようやく社会復帰に至りました、ここだけでも2年くらいかかりました。
最初のデータ入力のバイトの面接の時の足の震えは今でも覚えてます、心臓止まるかと思いました。

鬱は治ったかというと治ってはいない

鬱は治りません。
治らないというか、人間性や考え方そのものの根底が大きく変わってしまいました。
以前の熱意は消え失せ物事を斜めに捉え、リスクを常に考え現実的に考えるようになりました。
その為少しでも油断するとまた心がバランスを失って沈みそうになります、次また鬱が再発したらもう社会復帰できる自信はありません。
なので治った、ではなくてどうにか鬱を誤魔化して付き合っていくようにして今は生きています。

そして探偵業界へ。

やっと肝心のところにたどり着きました、これでもだいぶはしょったつもりでしたが結構長かったですね。
鬱になったことで物事を悲観して捉えがちになりましたが、実は良い面もあって。
物事に変に期待したり夢見がちなことを考えなくなりました、徹底的なリアリストになった訳です。
人間は根本的に悪であり
いじめも戦争も人が人である限り絶対になくならず
愛などという感情もあくまで双方の都合が合致しているから生じるものだという考えをしています。
こういった思考原理をするようになってから、社会の裏側を覗きたい、現実を見たいと強く欲するようになりました。
この想いから探偵業界に飛び込んだ訳です。

この業界、正直にいうと誠実な業界ではありません。
パワハラなんか当たり前ですし、労働基準もへったくれもないです。
長く続けられる人の方がどうかしてると思います。
毎日浮気、不倫、不貞の話を聞くのが仕事だからそりゃどうかしてないと務まらない。
それでも自分はこの仕事を好きだと思えてます、もう普通の会社員はできないと思っていますし世の中の裏側を覗いた時、自分の思考原理が正しいと実感できるからです。

ただ本当にひたすらブラックなので、頑張って契約数とったり調査成果をあげたとしても、そもそもの目標設定値も報奨もめちゃくちゃなので全然給料あがりません、将来が不安すぎる!!
そんな訳でnoteで知見を商材として少しでも生活費を補填しようと記事を書き出しました。
休日に突然呼び出されるなんてザラなので、アルバイトすらもできませんから。

何事もなければ休日はサブスクで洋画やアニメを見たり、ゲームしたり、車でドライブしたり酒飲んだりと、どこにでもいる様な普通の人です。

少しでも困っている人の役に立てるように記事を書いている気持ちも勿論多いにあります。
なけなしの貯金で泣きながら調査依頼をしてくる様なお客様を影から少しでも減らしていければとこっそり思ってます。
専門知識の実用として依頼費を抑えられる知見を記しているのでどうしてもそれなりの金額設定になってしまいますが、お困りの方に絶対に役にたてる内容を書いてますのでよろしければ是非是非ご購読の程よろしくお願い致します。



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