マガジンのカバー画像

映画鑑賞記録

10
運営しているクリエイター

2024年3月の記事一覧

『私の20世紀』【映画鑑賞記録#5】

『私の20世紀』【映画鑑賞記録#5】

1989年公開、ハンガリー出身インディゴー・エニェディ監督作品、『私の20世紀』の鑑賞記録です。
原題は『Az én XX. századom』。ローマ数字表記が格好いい。
まだまだ上半期も終えていないのに2024年でみた中で一番好みな、それどころか自分のお気に入りの5本指に入りそうな作品と出会えました。嬉しい。本文の方もなにやら長くなってしまいそうな。

世界観は幻想的、SFっぽい。寓話と科学が

もっとみる

『求婚』【映画鑑賞記録#4】

クリスティナ・ゴダ監督作品『求婚』の視聴記録です。
舞台は1920年代のハンガリー(らしい)。マジャール語です。あまり耳馴染みのない言語。

背景美術の方はというと全体的にクラシカルでお上品。現実(現代)離れしています。戦後とは思えない平和な世界観。
また、ハンガリーといえばドナウの真珠と謳われるブダペスト。
この都市を舞台にした『桃色の店』、そのリメイクである『グッド・オールド・サマータイム』の

もっとみる

オートクチュール【映画鑑賞記録#3】

2021年公開、シルヴィ・オハヨン監督作品『オートクチュール』を鑑賞しました。
舞台はフランスのパリ、高級ブティック街モンテーニュ通りにただずむDiorのアトリエです。
このオートクチュールメゾンでお針子として働く女性らを中心とした群像劇が描かれています。

タイトルといい舞台といい煌びやかな雰囲気がありますが、焦点は個々の人間の心情に充てられており、Diorの固有名詞に連想するような絢爛豪華さは

もっとみる
マッチ工場の少女【映画鑑賞記録#2】

マッチ工場の少女【映画鑑賞記録#2】

アキ・カウリスマキ監督作品、『マッチ工場の少女』の鑑賞記録です。
カウリスマキ作品は他にも何本か視聴しましたが、こちらの『マッチ工場の少女』が一番好みでした。
他に『浮き雲』(希望に満ちたエンディングに意外性あり)、『パラダイスの夕暮れ』(渋い男たちの義理人情あつい)も良かったです。

本作も、他作品同様ダークで毒っけのある世界観です。ドロドロしたやつじゃなくて、劇物っぽい刺激的な毒。
あとは、な

もっとみる