ブランディングってなんだろう?〜ブランディングの定義編〜
ブランディングの定義
さて、ブランディングが今必要とされる理由に触れてきましたが、ブランディングとは何か?が不明瞭なままです。
ここが不明瞭なまま、なんとなくブランディングに取り組んでしまうと、本来得られるはずの成果に結びつかない、なんてことになってしまいます。
ブランディングとは、企業や商品、サービスの価値を高め、顧客や取引先、社会全体に「独自のもの」として認識してもらうためのマーケティング戦略
です。
と、ググったら出てきました笑
流石、賢いAIですね〜。
その通りだと思いますが、少し分かりにくさがあります。
もう少し現場寄りの感覚を入れると、
ブランディングとは「ファンづくり」を目的としたマーケティング戦略
と捉えると分かりやすさが増します。
例えば、あるバンドの全国ツアー。
音楽ライブへ行ったことのある方ならわかると思いますが、最前列あたりにやたら熱量の高いグループがあり、一際目立って踊っていたりします。
彼ら彼女らは、バンドの為なら全国津々浦々へついていく、熱狂的なファンで、バンドにとってはいつまでも自分達を支えてくれる大切な存在です。
バンドを会社に置き換えれば、どんなことがあっても商品やサービスを購入し続ける熱狂的なファンがいれば、ものすごく経営が安定しますよね?
そう、ブランディングの最大の目的は、ブランドへのロイヤリティ(忠誠心)MAXの熱狂的なファンの創造にあります。
バンドのファンが自分を震わせてくれる音楽体験によってどんどんファン化していくのと同じく、企業は提供する商品やサービス、プロモーションやイベントなどいくつもの「ブランド体験」によってファンづくりをしていきます。
ブランド体験は、ただの体験ではいけません。
ここもまたバンドと同じく、心を震わせる「感動体験」である必要があります。
美味しい!楽しい!面白い!と感動させてもらえる存在に、人はどんどんと心を掴まれていくものです。
では、その「ブランド」とはどこにつくられるのでしょうか?
僕の好きな言葉があります。
製品は工場でつくられるが、ブランドは心の中につくられる。(ウォルター・ランドー)
そう、ブランドとはファンの心の中につくられるポジティブなイメージの塊です。
目の前にあるブランド品がブランドなのではなく、ブランドとして認識する「心」がブランドとして認めているのです。
ちょっと分かりにくいので、僕が経験したある話を。
以前仕事で上海へ行った際に、飲み会の席でとある縫製工場の社長と話をしました。
なんでも昼間は欧州の某有名ブランドのバッグをつくっていて、夜間はその偽物をつくっていると。
つまり、全く同じバッグなのに、昼か夜かで本物か偽物になってしまう。
仮に目の前に、この2つのバッグを並べられ、どちらかを持っていって良いと言われたらどうでしょう?
見た目は全く同じバッグです。
しかし、ほとんど100%の確率で、昼間に作られた"本物の"バッグを手にとるでしょう。
こういうことです。
見た目ではなく、本物、という情報だけを判断基準に人はブランドを選びます。
ブランドは心の中にできるんです。
この心の中にどうやって入りこむか、それを分かりやすく競っているのが広告です。
以前より影響力が少なくなったとはいえ、いまだにテレビCMの為に多額の広告費を企業は費やしています。
ヘルマン・エビングハウスの忘却曲線によれば、人は1時間後:56%、1日後:74%、1週間後:77%、 1ヶ月後:79%のことを忘れてしまうそうです。
なので、忘れないよう、覚えてもらうよう、繰り返し繰り返しCMを流す必要性があるわけです。
その結果、例えば、牛丼屋に行こう、と思った時に「吉野家」「すき家」「松屋」のようにフッと思い出してもらえるようになります。
この、フッと思いす状態のことを「マインドシェア」と言い、その中で最も大きなマインドシェアの状態をトップオブマインド(第一想起)と言います。
繰り返しCMを打つことで、このトップオブマインドになることを、全ての企業は目指しているわけです。
因みに「牛丼屋と言えば?」の答えは、地域によって変わります。
私の住んでいる地域でこの質問をしたところ
①すき家
②吉野家
③松屋
の順番でした。
また、僕自身が良くいく牛丼屋は「松屋」です。
その理由はこの3店舗で唯一「無添加」を謳っている為です。
このように、住んでいる地域やこだわりによってマインドシェアは変わってきます。
この辺りの内容は「戦略づくり」に大きく関わってきますので、詳しくはまた別の記事で触れようと思います。
以上がブランディングの定義と目的になります。
この辺りのことは話し始めたら2日くらい話せそうですが、シンプルにまとめてみました。
次回はブランディングの効果について触れて行きますのでお楽しみに。
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