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ブランディングってなんだろう〜ブランディングの効果編〜

ブランディングの効果

ブランディングの具体的な効果はどんなことがあるでしょうか?

主だった効果は以下の通りです。

①集客力・リピート率の向上
②価格のプレミアム化
③売上・利益率の向上
④人材採用力・人材定着率の向上
⑤広告効果の向上
⑥販路の拡大
⑦ビジネス機会の向上
⑧資金調達力の向上

まず、一つ二つではなく沢山の効果があるところがブランディングの大きな特徴です。

ここでは①〜⑤を一つずつ見ていきましょう。


①集客力・リピート率の向上

全ての事業者において、一番のポイントになるのがまず集客です。

どんなに素晴らしい商品やサービスを持っていたとしても、それを購入してもらうために、集客できなければ事業は成り立ちません。

「コーヒーを飲みたい」と思った時に、どんなお店が浮かぶでしょうか?

スターバックスコーヒー、ドトールコーヒー、セブンのコーヒー、などまずパッと浮かんだ存在があなたにとってのブランド力のある存在で、集客力を持っている状態です。

この選んでもらう状態になるために、全てのブランド施策があると言っていいと思います。

次にリピート率です。

新規顧客の獲得には、リピーターの獲得に比べて約5倍のコストがかかると言われています。

これは「1:5の法則」と呼ばれ、リピーターの獲得は新規顧客獲得と比べて5分の1のコストで済むことになります。

ブランド化されればされるほど、どんどんリピーターは増えて、事業は安定軌道へと乗っていきます。


②価格のプレミアム化

昨今の物価高や賃金上昇によって、多くの事業者が悲鳴を上げる、そんな長期インフレ時代へと突入しました。

ニュースでも取り上げれていますが、2024年、ラーメン店の倒産件数は過去最多に登ったそうです。

ラーメンといえば1,000円以内という消費者側の物差しを超えれないことが大きな要因としてありますが、一方で1,500円、2,000円近くでラーメンを提供しているお店があるのも事実です。

原価が上がれば、材料の質を落としたり、量を減らしたりする「ステルス値上げ」がありますが、ブランディングの視点では完全な悪手となり、短期的には効果を発揮しても、長期的には必ず自身を苦しめるその場しのぎにしかなり得ません。

値上げをした途端お客様が来なくなった、その理由は安さを求めていたからです。なので、当然値段を上げればお店へ行く理由がなくなります。

では、安さ以外の来店理由を作ったらどうでしょうか?

例えば週に1回しかオープンしない1日50食限定1杯3000円の山奥の秘境にある幻のラーメン屋。

宣伝は一切せずとも、まず食の感度が異常に高い、例えば「食べロガー」が反応し、わざわざ来店、お店に辿り着くまでの過程含めて記事化してくれます。

すると、その何百何千のフォロワーに一気に届き、オープン即売り切れの超人気店になる、実はそんなインターネットのある時代だからこそ成り立つお店、結構あります。

もはやそのお店に対しては「安さ」は求めておらず、旅を含めた「感動体験」としてお店は選ばれています。

その状態にあれば、価格優位性が維持でき、売り手が自由に値付けできるようになります。

戦略づくりに大きく関わってくる部分ですが、ブランディングによる効果としてとても大きなインパクトがあると思います。


③売上・利益率の向上

①集客力・リピート率向上と②価格のプレミアム化を実現することで、売上の向上だけでなく、利益率の向上へと繋がります。

利益率が向上すれば、賃金や設備に資金を投じることができ、どんどんプラスの循環へと入っていきます。

売上と利益率の向上は全事業者が望むことですが、それはブランディングで大きく貢献することができます。


④人材採用力・人材定着率の向上

価格問題と同じくあらゆる企業を悩ませているのが採用問題です。

求人を出しても応募する人が現れず、なんとか入社してもらってもすぐに辞めてしまう。

原因はもちろん少子化によるところが大きいですが、一方で「ここで働きたい!」と思ってもらえている企業やお店もあります。

つまり、本質的にはブランド力があるか無いかが、その成果として顕著にあらわれる時代になった、とも言えます。

ところで、現在いくつかの企業で採用課題を解決するブランドコンサルティングを行なっていますが、色々リサーチすると「縁故採用(リファラル採用)」による入社が飛び抜けて高い定着率につながっていることが分かりました。

自身に置き換えてみるとなんとなく分かりますが、紹介による入社なので、紹介者を通じて会社のことをある程度把握できる、入社しても紹介者がいるので安心感もあり、直ぐにやめるとちょっと気まずいところもあるのでなんだかんだずっと働く、そんな感じだと思います。

じゃあ、この縁故採用に力を入れれば簡単だよね、と思い、社内アンケートをとったところ、ある事実が浮かび上がりました。

この会社を友人知人に紹介したいですか?という項目に対して、8割近くが「NO」と答えたのです。

以前は紹介したいと思えた会社だったのに、いつの間にか自慢できる会社ではなくなっており、その結果縁故採用につながっていないという負のスパイラルに入っていました。

この状態だと、いくら求人広告をうっても根本的な解決にはつながりません。

小手先の施策ではなく、企業理念から自社のことを見つめ直し、従業員は本当は何を望んでいるのか、そこに耳を傾けていくことで初めて自慢したい、働きたいと思えるブランド化された存在へと成長していきます。


⑤広告効果の向上

例えばソニーの新商品のカメラが登場したとします。

広告には「SONY ABC-10X登場!」とドーンと書いてあります。

カメラ好きは大体どの機種の後継機かわかってる状態で、その情報を受け取り、欲しい!となります。

一方で、機能がほとんど一緒だけど、どこの国のブランドかわからないカメラ「タキー」というブランドがあったとします。

広告には「TAKEY DKC-10V登場!」とあります。

これを目にした人は、怪訝な顔をするか、全くの無視になることでしょう。

「欲しい!」となる人はまずいないはずです。

ただし、一つだけそんな人に振り向いてもらう方法があります。

それはソニー商品の半額にしてしまうこと。

機能はほぼ一緒なのに、価格は半分。

そうすると、初めて購入の天秤にかかり、「高いけど信頼性の高いソニー」「信頼性はないけど安いタキー」を比べ始めます。

その結果、安いからもし失敗しても傷は浅い、と自分を説得してタキーカメラを購入する。

そんな感じの体験、みなさんamazonでしてませんか?

全く聞いたことのない中⚪︎製の商品を、その安さに惹かれてポチりとする。

じゃあ、ブランド力なんかより、やっぱり安さじゃないか!と思いがちですが、これも短期的にはOKですが、長期的にはNGです。

タキーの類似商品、amazonでいくつか見当たりませんか?

その類似商品を価格を比較して一円でも安い方を選ぶ。

販売側はどうしても買って欲しいので、1円でも安くしていく。

そうすると、価格競争に巻き込まれ、結果事業の継続が難しくなります。

1年前に買った中⚪︎製のブランドが無くなってる、そんなこととても多いですよね?

以上が、ブランディングによる効果です。

おそらくここに書ききれないくらいブランディングによる効果は沢山ありますが、全部ひっくるめると「経営の持続可能性を向上する」になります。

経営環境が大きく変わる中で、安定感を持って経営できる、そんな夢のような状況を、ブランディングに取り組むことで実現できるのです。

と、ちょっとあれもこれもあってこんがらがってくるかもしれませんが、一つ一つ実務を重ねていくことで、自然とブランディングの効果をスッとクライアントに伝えられるようになってきます。

では次回は「フリーランスデザイナーにとって、ブランディングはどんなメリットがあるのか?」に触れていこうと思います。

恐らく、今回お伝えしている「ブランディング術」で最も関心の高い内容になると思いますので、お楽しみに。


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