売上が2倍になるカラクリ
1年以内に廃業に追い込まれるフリーランスは約30%、3年で60%、10年で90%だそうです。
私の周りでも付き合いや取引のあったフリーランスデザイナーがどんどん会社勤めになったことは自己紹介でも触れました。
理由は様々だと思いますが、収入が一番大きな要因でしょう。
では、そもそもなぜフリーランスデザイナーの収益が上がらないのか?です。
僕たちデザイナーの売上は「制作フィー」×「仕事数」で決まります。
つまり、売上増のために動かせるのが「制作フィー」「仕事数」のどちらかで、多くの場合「制作フィー」は据え置きで、「仕事数」を増やすことで売上を作っていきます。
でも人的リソースは自分だけなので、早々に天井が現れてしまう。
そこで次に取るのがアウトソーシング、外注です。
でも制作フィーが低ければ残る利益は微々たるもので、「仕事数」だけでどうにかすしようとすると、そこでも天井に当たります。
僕がフリーランスになってしばらく経った頃、あることに気がつきました。
そもそもデザイナーは提供している価値の半分しか対価をもらえていないのでは?
と。
デザイナーは制作した成果物に対して対価を頂きます。
でも、制作物する前のところ、もしくは制作物に込めた価値に対して、適切な対価を発生できているでしょうか?
僕もそうですが、クライアントのヒアリングをする中で、コンセプトを掴み、自然とターゲット像が見えてきて、ビジュアルの方向性を掴みます。
さらに作りながら、これがどんな場所でどんな人に受け取られてどんな風にひろがっていくか、ということもイメージします。
でも多くのデザイナーはこれを資料化・サービス化せずに、それらの狙いを込めた「制作物のみ」を納品し、対価をいただく。
つまり、その狙いのところ、「目に見えないデザイン」に対してデザイナーは対価をもらえていない、だから実際の半分のみ、という着想につながりました。
「売り上げが2倍になる」はとてもシンプルな理屈で、そもそもデザイナーは対価を半分しかもらえていないので、きちんと提供している価値を対価としてもらえれば2倍になる、ということです。
まとめます。
・形のあるデザイン:ロゴデザイン、WEBデザイン、パンフレットデザイン等
・形のないデザイン:戦略づくり(ターゲティングやコンセプトメイク)
なんか、コンサルみたい、、と思ったあなた!正解です。
僕が稼げないフリーランス時代に閃いたコンセプトが「デザイン+コンサル」でした。
そもそも、デザイナーは(無意識に)コンサルをしているのに、そこを価値化できていない、というのが僕の気づきであり、一番伝えたいことです。
優れたデザイナーが持っている共通の能力、なんだと思いますか?
「なぜか世の中で流行るものが少しだけ早くわかる」という感覚お持ちではありませんか?
トレンドを掴む能力です。
今、こんなイメージが流行っているから、そのイメージが刺さる人をターゲットに定め、こんなコンセプトでやったらウケるのでは?
を資料化したら立派な戦略資料の出来上がりです。
いかがですか?全く今の業務からかけ離れたものとは思えませんよね?
むしろ、今まで「無意識」にやってきたことを「意識化」「言語化」しただけともいえますし、目的がはっきりとしてきてデザインもさらに良くなりそうです。
「トレンドを掴む能力」は多くの人に備わっているわけではありません。
自分にとって当たり前は、相手の当たり前ではないのです。
僕たちデザイナーの当たり前は、多くの人にとっての価値になります。
戦略、という言葉は苦手な方もいらっしゃると思いますが、本来このエリアを担当する、僕たちに割と身近な存在はどんな人でしょう。
「マーケター」です。
マーケターは市場調査をして分析し、間違いのないターゲット設定とコンセプト策定に基づいた戦略シナリオを描くことを生業にしています。
マーケターはこれをコンサルフィーとして対価をいただきます。
このコンサルフィーを対価で頂くところを、僕たちデザイナーは無意識に(なので無償で)やりがちです。
多くのデザイナーはマーケターの役割をそもそもしているし、デザインもできるマーケターと考えると、実はすごいことをしていると思いませんか?
デザイナーはなぜコンサルをしないのだろう?
コンサルのアウトプットはなぜイケてないのだろう?(失礼)
と独立したてのころ、ぼんやりと思っていました。
だったら、これをガッチャンこすれば最高じゃん、で思い至ったのが「デザイン+コンサル」でした。
形のないデザインを戦略づくり(ターゲティングやコンセプトメイク)としましたが、「形のないデザイン」にはあともう一つ、僕たちデザイナーがアプローチできる大切な領域があります。
それは「企業理念」です。
20代の頃はひたすら「形のあるデザイン」に夢中でした。
ただある時から、なんともいえない「違和感」を感じ始めました。
仕事は基本、クライアント企業の広告担当者と話をします。
でもクラアイント企業の経営者、もしくは創業者はどんな思いで会社をつくり運営しているんだろう、それが分からないままクライアントのことを世の中に伝える、そこに大切な何かが「欠けている」感じがしたのです。
ですので、30代で独立してブランディングに取り組んでからは、この違和感を解消すべく、経営者と向き合いながら仕事をする、そこにこだわってきました。
そこで行き着いたのが「企業理念」でした。
そして、この3つ「デザイン」「戦略」「企業理念」をまとめたものを、僕たちは「ブランディング」と呼んでいます。
20代の頃はクライアント企業の規模や予算の大きさに価値を感じていましたが、今は経営者や従業員全ての思いを受け止めながら、世の中にクライアント企業のことを伝えていく「ブランディング」に、最大のやりがいと幸せを感じています。
ブランディングにシフトすることでデザイナーの収入が2倍になる理由、なんとなく掴んで貰えたと思います。
それぞれの詳細は、また追って記事にしますのでお楽しみに。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?