【詩】花束
いつかいなくなるその時は
せめてもの快晴であってほしい
花が沢山咲き乱れ
清々しい日であってほしい
美しく老いたその器に
屈託のない白を纏い
唇の上に皆一雫
落としてまた帰らぬ人と知り
あなたが愛した色とりどりの
沢山の花を詰め込んで
静かに下る坂の道
肩に感じるその重さを
わたしは一生忘れない
棺が見えなくなるその時は
朽ちて土に還る事を願う
そしてわたしはまた此処に来よう
この土を踏みしめて
目を閉じて呼吸をする
方々に散らばったあなたの
その行方を肌で追い
五臓六腑に染み渡らせ
そしてわたしは生きていく
そしていつの日かわたしも
あなたと同じ土に還りたい