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トレーダーの精神分析
トレーディングの技術はスポーツ、チェス、パフォーマンスアート(実演芸術)など、あらゆる分野における技術と同じであり、正しい訓練を通じて習得することができる。
1、その分野に対する強い関心と思い入れ
2、高いパフォーマンスを上げるんだという強い願望
3、それに必要な努力と時間を惜しみなく投入すること
第2章 トレーディングのニッチを見つける
ある研修医が、患者の家族の話にずっと付き合ってしまい、外科診察の予定をすっぽかしてしまったエピソード。彼女の適性は精神科や緩和ケアなどであったため、このようなことが起きたのである。
トレードの一貫性のなさについても、同じようなことが言える。
保身を嫌う人が両建てにストレスを感じるなど、その人の性格に合わないトレードは結局うまくいかない。
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成功した短期トレーダーがそのキャリアをスタートする以前に、おそらくビデオゲームやギャンブル、ポーカーゲームなどでその能力を発揮していたであろう。そうした人は素早い意思決定やリスクテイクに慣れており、それがその人のエッジである。
第4章 能力を磨く戦略
パブロにトレーダーとして長期にわたって成功している秘訣を聞いたところ、一日の損失上限を決めて、それに達したらその日のトレードはやめてしまうのだそうだ。
どのように技術を身につけるか
・多様なスキルの同時練習が効果的
・頻繁なフィードバックは、初心者には必要だが、上級者には逆効果
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訓練は、何度も繰り返し行うことが重要。
十分な訓練を受けていなければ、ほとんどの人は戦場で尻込みしてしまう。第二次世界大戦のとき、実際に武器を持って戦った連合軍の兵士はわずか15%であった。
行動が心についていかないというのは訓練不足の証拠である。
第5章 単なる能力からプロの技術へ
トレーダーは自分の器を大きくしないかぎり、大きなポジションを取ることはできない。
損失限度額ギリギリまで追い込まれていても、プロは自動的にトレードすることができる。
相場の特定の動き、重要な価格帯、トレーディングレンジ(揉み合い圏)に対する彼の対処は仕方は、数えきれないほどのトレード経験や一心不乱のスクリーンの凝視によって、いつやっても変わらないほど慣れ親しんだものになっている。
自動的にトレードできるようになるには、単純にそれができるようになるまでトレードを繰り返すことである。
プロの技術とは単にあることを上手にするスキルではなく、いつでもどのような状況下でもそのことがきちんとできる能力である。
意図的な練習に必要なもの
・集中力
・練習から遊びの要素を取り除く
・効果的な練習のあとには、次の練習に向けて一定時間の休息を取る
何らかのスキルを学ぶとき、そのプロセスは大きな努力を伴い、また大きな集中力や思考力も必要となる。しかし、練習を繰り返すにつれてそのスキルは違和感なく、自動的に使えるようになる。普通の状況ではもうそのスキル(車の運転など)に神経を集中することはなくなり、楽しんでそれができるようになる。
第6章 技術・戦術・戦略
私は彼らのようなプロのトレーダーが少しでも有利な価格でポジションを入れるために、そのときが来るまで辛抱強くじっと待っているのをよく目にする。
優れたトレード戦略とは不確実さを排除するのではなく、利益のチャンスを最大限に生かすものである。
第7章 パフォーマンスのダイナミクス
一般人向けの護身術のクラスでは、実践的な模擬練習を行うと動けなくなる生徒が多い。「人から襲われたときに何をどうすべきか」という準備をしていないと、情報が多すぎて麻痺してしまうのだ。
事前にプランを準備しておくことで、値動きがゆっくりしたものに感じられるだろう。
トレーダーが利益を出せるかどうかはその日のマーケットによって決まり、どの程度の損失を出すのかはわれわれ自身によって決まる。
心に不安を抱いている人はどのような状況下でも希望ではなく恐怖を感じる。
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目標の設定について
「もっと自信をもってトレードをしよう」「今年は利益を上げよう」といった目標は効果的ではない。具体性があり、計測できるものが望ましい。
負けトレードよりも勝ちトレードを多くしようといった、いわばそのトレーダーが直接コントロールできる行動に関するものがパフォーマンス目標である。
第9章 パフォーマンスを向上させるための行動療法
トレード技術が向上してきたら、極度の高揚感や挫折感をもたらさない安定したトレードを心掛けるべきだ。
ロスカットラインに届かないうちにポジションを決済してしまうなど、回避的否行動には暴露療法が有効かもしれない。
その人が避けたいと思うストレス状況にさらされた状態で、正しい行動を行うことで段階的にストレスに耐性を作ることができる。
トレーダーが暴露療法を実行するとき、利益を得るためにトレードしてはならない。その目的は自分の心をコントロールして安全にトレードすることにあり、これができるようになればお金はあとからついてくる。
具体的なヒント
ラリー・コナーズ氏のアドバイスより。
マーケットで成功するには、まず自分のエッジを見つけ、それをトレーディングのチャンスに活かすこと。
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1960〜1970年代と、この本が出版された2006年を比べると、二日続けてトレンドが続いた日数は減っている。
アメリカ株式市場では二日間にわたって上昇・下降が続くトレンド期間は減少し、代わって上昇と下降を交互に繰り返す日が増えている。
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