イポーの伝統コーヒーの巨人は一味違った!
「OLD TOWN WHITE COFFEE」
マレーシアに旅行をされた方は一度ないしはしばしば認識されているのではないでしょうか。イポー発祥で、マレーシアおよび海外諸国に200店舗!もの陣容を誇り、例えば多くの空港にも置かれていることから更に目につくのでしょう(実際私も昨年ペナンからシンガポールに行くときに、ナシレマを食べました!)
前稿で、CAFEの展開をする上で3つのグループに分けられる旨私案を出しました。
①伝統(マレーシアではKOPI,主にコピティアムで出される)
②チェーン店展開
このグループがマレーシアでは弱いんですよね。社会的な要因があるのかもしれません。ベトナムではHIGHLANDS COFFEE その他目白押しです。シンガポールも、カヤトーストとセットに、ヤクン他「御三家」が巨大な影響を持ちます。
まあ、ともあれマレーシアでは「OLD TOWN WHITE COFFEE」
さすがチェーン店展開です。広い層の客層にアプローチするため、価格帯も少々高めにして、おしゃれな店舗設計にしています。-伝統的なカヤトーストではなく、KURMA(なつめ)をジャムにしている!これも意味があるんでしょうねー
③SPECIALTY COFFEE
ともあれ、チェーン店展開していくうえで、ターゲットに合わせた雰囲気作りは欠かせません。そして、「食べ物」。
あれっ、しかし、そもそもOLD TOWN WHITE COFFEE は創業者さんが、伝統的な店「南香KEDAI MAKANAN NAM HEONG」から始めているんですよね。南香にも行ってみました。
あれ、でも、ここは普通の「コピティアム」と一緒ですね。店のオーナーは基本的には飲み物を扱い、複数の店がそこで間借りをしていろんな料理を提供する。
そうなんですね。ちょっと歴史を軽く確認すると、南香茶餐室は1958年に創業。そしてお孫さんが1999年に、新ブランドとして「OLD TOWN WHITE COFFEE」を立ち上げ。大々的な展開を図ることになります。「伝統」は伝統で残しながら、「革新」に注力を図っていく。ビジネスモデルとしても大変面白いですね。
そして、OLDTOWN WHITE COFFEE は、HELITAGE GALLERY を併設していることを発見しました。これは行ってみなきゃあ!場所は南香から歩いて5-6分です。
GALLERY では、OLD TOWN WHITE COFFEE の展開とコンセプトが中心になっていますが、KOPI時代の伝統をしっかりと踏まえて、新旧を認識できる構成になっています
コーヒー好きの皆さん、「美食の街」の一つに数えられるイポーに来られることがあれば、WHITE COFFEE をどこかで飲まれることもあるかと思います。HELITAGE GALLERY も、ぜひ訪れてみられるのをお勧めします。
ちなみにWHITE COFFEE とは、マレーシアでは焙煎のときに砂糖とマーガリンを投入して「黒光り」するほどにした豆を、練乳などを加えてまた甘くするのが伝統なのですが、WHITE COFFEE は、焙煎で加えるのをパーム油のマーガリン少量に抑え、甘さを柔らかくしたものです。ただ、それは他の地域での伝統的なKOPIとどこまでの違いがあるのかは、正直なかなかわからないのかもしれません。「焙煎の見学は受け入れているか」聞いてみたのですが、体よく却下されました。そりゃあそうですね。アプローチは考えなきゃあ。でも、ちょっと機会を改めてでも、WHITE COFFEE の特徴についてはもう少し深めたいなあ、とイポーを歩きながら考えています。