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ホームベーカリー研究部、第9回試作

最大級の失敗、突然の思いつきは実行しちゃいけません(反省)


 前回の第8回試作の成功で気分が良くなり、この勢いでクリスマスケーキの製作に向かった。十分な下調べと準備を着々としていたのですが、当時の朝に突然思いついたことを実行したことが最後まで影響しました。


事前準備

ラム酒につけたレーズンとドライフルーツ

約10日前から広口瓶にレーズンとクランベリーとブルーベリーとストロベリーと干し柿を漬け込んで具材の下準備は万端。

製作当日

 当日に見てしまったYoutube動画により感化されたのがいけなかった。

数日前に、ふるさと納税の返礼品で青森県五所川原市から『葉取らずサンふじのりんご』が届いた。このりんごを製作するクリスマスケーキに活用できないだろうかと思っていた。

Youtube動画ではりんご1個を小さくスライスし、グラニュー糖をかけてレンジで加熱したものをパウンドケーキに使うことを紹介していた。私のミスの始まりは同じようにりんご一個をレンジでチンしたのだが、完全に加熱しきった状態ではなく半生の状態だったこと。(後で気がついた)

製作途中


 薄力粉やアーモンドパウダーやらベーキングパウダーを調合しバターと卵に混ぜ合わせラム酒に漬け込んであったドライフルーツ、そして半生のりんごを加えた。

まだ、ミスに気づいていない、焼く前の調合完了状態

調合完了後の状態は悪くはない。頭の中ではふんわりとしたドライフルーツケーキがイメージされている。あとは、型に流し込んで焼くだけである。

型に入れても材料が余ったのでマフィンの紙カップに入れて同時に焼くことにした。このマフィンは早く焼き上がるので先行して試食用にと考えていた。

ミスが姿を表し始める

 材料を型に流し込み、オーブンレンジを170℃で予熱をスタートした。予熱時間はおよそ20分である。余熱が終わって、オーブンレンジが予熱終了を知らせるアラームチャイムが鳴る。

ドアを開けると煙がモクモク、、、、、???

なんじゃこりゃ!? である。オーブンレンジの庫内を見ると、手前の下面に焦げが発生している。煙の原因は焦げであることは明白。この焦げの元は何かと考えたら、りんごを耐熱容器でレンチンしたときに漏れ出た水分(グラニュー糖を含んだ水分)に気づかなくて残っていたもの(つまり拭き取っていなかったもの)が170℃で焦げてしまった。糖分が含まれる水分は焦げやすいのである。

庫内が焦げ臭いので、焼きどころではなくなった。

まずは、焦げついたものを取り除くことが先決。水を含ませて拭き取ろうとするが既に焦げて炭化しているのでほとんど取れない。幸い、厚みはないので、清掃用の重曹を持ってきて、少量の水で湿らせて焦げた部分に塗り込んで濡らした布でゴシゴシ擦ったらやっと取れた。

製作再開

 オーブンレンジ庫内の焦げを取り除き、予熱からやり直し。今度は予熱完了後に煙が出てこなかったので清掃は完璧。

スクエア型に流し込んだケーキと、カップケーキ紙型に流し込んだマフィン3個を170℃で90分の設定で焼きをスタート。

マフィンは30分程度で焼き上がるはずなので、先行して様子を見るには最適のはず。焼きがスタートして10分を過ぎる頃から、カップケーキ型紙の縁のあたりから、水が沸騰するような泡がブクブクと発生し始める。

???

これまでのマフィン製作時には、生地が膨らんでいく様子は見たことがあるが、水が沸騰するような気泡は見たことがない。ここで考えてみた、こいつは何だと???

バターか?、、、いや、バターからブクブクと気泡が出ることはない。

では何だ? と考えてときに脳裏に浮かんだのは、りんご🍎

考察の結果、りんごの水分が容疑者と思われる。レンチンしたりんごが半生だったことがここで思い出される。あぁぁ〜〜と自らのミスに気が付く。

ジィーッと様子を観察していくと気泡は止まる様子がない。むしろ増えていく一方である。幸いなことにカップ型から溢れる感じは見られない。

30分を過ぎたあたりでオーブンレンジのドアを開けて、竹串で刺して焼き具合を見ると悪くはない。あと5分だけ、焼き時間を延長した。

マフィン3個を取り出し、粗熱が取れるまで待つ。

本命のケーキの方の様子を見ると

 マフィンと同様に敷いてあるクッキングペーパーと型の境界付近に、同じようにブクブクと気泡が生じている。マフィンとは体積が全く違うのでオーブンレンジの窓からケーキのそこらじゅうで気泡がブクブクしている様子が見えた。

10分ほど過ぎても状況は思わしくない。気泡が収束していく様子は微塵もみられない。

さぁ、どうするか!?

まずは、粗熱が取れたマフィンを試食して考えよう。

試食

 3個のうち1個を試食してみた。えっ、意外とうまいぞ!?

ケーキ特有のふわふわ感は全くない。カヌレのようなしっとりした食感とラム酒漬けのドライフルーツがいい仕事をしてくれている。ミスの原因と推定したりんごがここで、しっとりさを後押しするようにバックアップ(要は水分を与えてくれている)していた。

真っ二つにカットして断面を確認すると、りんごがしっとりさを与えていることがわかった。(残念ながら写真は撮ってない)

焼き上がり

 90分が過ぎて焼き上がりの確認のため、竹串で刺してみると生焼けはない様子。それではとオーブンレンジがら取り出し熱を冷ましていく。

30分ほど置いて型を外してクッキングシートを開いた状態がこちら。

くるみたっぷりの表面

表面も側面もケーキ独特のカステラ的な表面状態は見られない。

カヌレと似たような艶のあるしっとり感を感じる表面状態だった。

4つに切り分けてみる、4分の1でもずっしりと重い。

ケーキとは言い難いが、不味くはないので粛々と消費することにする。食べると腹持ちが良さそうなので完食まで数日はかかる見込み。

反省と再チャレンジ

 今回の反省は冒頭の通り、突然の思いつきは実行しちゃいけません。に尽きます。しかし、幸いなことに目標とした状態のものには辿り着かなかったものの、食感の異なる別なものに変更できた(できてしまった)ことは救いでした。

目標の姿と食感のクリスマスケーキを作らなければならない使命感に火がついた。この熱い気持ちを明日、再チャレンジすることにした。



続く

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