ホノルルマラソン物語:思い立って1週間でハワイ?
事の始まりは、妹に誘われたことだった。まだ申し込みできるらしいよ?と。
意外と世界は狭いというか、やる気になれば何とでもなるんだなと思った。
一週間前に飛行機を予約し(奇跡的に安いチケットを見つけた)、ホテルレンタカーESTAなど手配し(物価高と円安のダブルパンチで震える)、家族を日本に残し(夫よありがとう)、ホノルルマラソンを完走したそんな物語。
成田に着いたときにはまだ実感がなかった。あれ、私ホノルルこれから飛ぼうとしてる。出張以来今年2度目のアメリカはまさかのハワイ。
マラソン自体は2014年の静岡マラソン以来、10年ぶりの挑戦。10月、11月とウォーキングを日課にしていたものの、現在走れるのはどんなにゆっくり走っても5kmがマックス。これはもう、歩いていくしかない。でも20kⅿくらい歩くことは特に問題ないから、何とかなるでしょうという見込み。
肝心の妹はというと、今年は走らずパートナーの応援に徹するらしい。彼女らとの合流はマラソン前日で、私には2日間ハワイ一人旅の猶予があった。ワイキキのホテルは高すぎて、思い切ってノースショアのホステルに予約を入れる。それだって一泊7000円くらい?ホステルに泊まりまくっていた若いころだったら払えない値段だ。若いころと違うのは自分でレンタカーを運転していけるところ。無駄に年を取っているわけではない。必要なところにお金を使える機動力、これまでちゃんとまじめに働いてきてよかったなぁ。
とはいえオーバー40の私が二段ベットが並ぶDormに泊まるのに不安はあった。パーティーピーポーのサーファーばっかりだったらどうしよう。いざとなったらレンタカーでどっか行っちゃおうと思いチェックインすると、そこには世界各地から年代も私より年上の人もチラホラいるなかなか多様性のあるルームメートたちだった。みんな飲酒しまくるわけではなくとても快適。であるだけでなく、ルームメイトたちと到着直後からご飯を一緒に食べたりするうちに、仲良くなり、なんと3人がホノルルマラソンエントリーを2日前に決定。嘘みたいだけど、「You are the inspiration! 」とまあとてもアメリカンな話の進み方。
ノースはとても時間の流れがゆっくりしていて、荒い波にもまれるサーファーを見たり、海岸沿いのハイキングで野生のアザラシや求愛ダンスしまくるアホウドリを見たり、滞在2日にいてもう既にとてもリラックスできた。唯一、出張とうそをついてきた子供たちとの電話で罪悪感があったけれど。。。
一人の時間。大事。
一人で好きなところにハイキングに行ける。自然と私だけで対話ができる。食べたいものを食べ、まるで昔の私に戻ったかのようにいろいろな国から来た人たちとたわいもない会話をする。その時間を楽しむ。
タイムスリップをしたような感覚だった。
でもそれはちょっと違うな、とも思う。結局、一人の時間を心から楽しめるのは、日本に帰る場所があるからだ。私のことを必要とし、愛してくれる夫と子供たちが待っていてくれることを知っているから。そしてその関係性を築いてきた自分の人生があるから。また、このように一人旅をしようと思い立ったら実現できるだけの財力とその自由があるから。Financial Freedom-財政的にちゃんと独り立ちしてること、そうでなければ、思い立って1週間でハワイなんて自由な旅行はできない。結局これまで日本で頑張って踏ん張って働いて育児して。。。そんな自分があるからこそ、今、心からこの一人時間を楽しめているのだ。
朝6時に目を覚まし、ビーチで朝を迎える。ちょっと太陽礼拝をしてみつつ、波と青い空、それを独り占めして贅沢なコーヒータイムを楽しむ。
心からリラックスして、その時間を味わう。
ノースからワイキキまでのドライブは、ホステルからマラソンエントリーを決めた女子を載せて二人のドライブだ。彼女も色々あったのだろう。アルコール依存症、離婚、それを乗り越えた今の生活の話を運転しながら聞きながら、そういうJourneyは誰にでもあるのだなと。彼女は今1年かけて自分を見つめなおす過程にあるといった。私はこの2か月それをしているけど、その2か月があったことをとても幸運に思っているし、だからこそ鬱になったことは意味があったことだと思っている、と思いを伝えた。
週4日しか働かず(しかもそれをハワイからリモートで行うこともできて)、アメリカに家を購入し、朝晩サーフィンを行いながら自由に生活をしている、私から見たら夢のような生活をしている彼女。
それだって、色々悩みはあるし、結局自分を見つめながら生活を行うその強さがあるからこそ人生を歩めるんだろう。
みんながやっているから、ではなく、自分の人生を徹底的に見つめ、自分で認めながら歩いていくことは、人生においてとても大事なことなんだ。そのために時間を割くことは何らおかしいことではない。
この2か月間ぼんやりと思っていたことが、彼女との会話でよりクリアに理解できた。
結局、これまで私が頑張ってきたことは何一つ無駄ではなかったけれど、でも、それを思考停止して続けていくことは全く無意味であるってこと。
ハワイに来て立った2日でそんなことに思い至った。
ホノルルマラソンに至らず、この記事はいったん終わり。
次回に続く!