あきれるほどの健康体になりたい

いや、今が健康ではないということではないのだけど。
マイナー不調（メンタル、蕁麻疹、咳ぜんそく、虫歯）などはあるものの、大きな病気もないし障害も不自由もない、全くの健康な体なのだけど。

思えば産前は毎週末山に通ってた。岩登りが好きですきで、落としたい課題があると土、日両方日帰りで長野に通うなどしていた。一人で伊豆に泊まり込んだりもした。金曜日の飲み会は翌日の早起きのために断るか、早退するかしていたし、月曜日は疲れてて仕事にならなかった。
そのくらい週末に体力を使い込んでいた。
平日は時間と仕事とパートナーの許す限りクライミングジムに通っていた。
クライミング以外にも、自転車で一日100 km以上漕いだり、思い立ってフルマラソンを走ったりしていた。それが全然できる体力があったということだ。

それが、長男が生まれて、全くできなくなった。クライミングは何とか続けようとしてみたものの、どうしても通う頻度が少なく、前に比較して赤子のようにしか登れないことに嫌気がさして遠のいた。
その代わりに始めたキックボクシングはハマって一時期通っていたが、のめりこもうとスパーリンググローブを購入した矢先に次男を妊娠。
以来、運動を習慣化することがなくなって6年がたつ。

去年からやたらと体の不調を抱えるようになった。とにかく腰が痛い。息が切れてしょうがない。肩が回らない。体重が臨月の体重まで増える。
その成れの果てが今回の鬱病の発症。
全く笑えない。
これ全部、運動不足のせいだ。

鬱病を患って休職してから1か月半。鬱病には十分な睡眠と栄養バランスのとれた食事、それに適度の運動が何よりもの治療であるというのはどんな本や記事、論文を読んでも必ず書いてあるセオリーだ。
それに則り、私は運動を始めた。
とにかく歩いた。街歩きから始めたけど、山に出かけるようになった。奥多摩や、裏高尾、陣馬山から高尾山まで駆け抜けた。
久しぶりの山歩きは本当にセラピーだ。山に登り始めたら降りるまでとにかく歩き続けるしかない。それはちょっと孤独で、取り返しのつかない感覚。
ふと立ち止まって目を閉じると、人工音は何一つ聞こえない森の中。
そんな中を、自分の心拍数が上がるところまで追い込みながらひたすら歩く。最高の有酸素運動に私は喜びを感じていた。
私、まだ結構歩けるじゃないか。
初心者コースではあるけど、10~20kmをコースタイムの速さの200%で歩くこともできた。復帰戦にしてはなかなかだ。

そして膝を痛めた。
笑うしかない。
というわけで、山登りは1週間休んでるけど、その代わり軽い散歩ランニングを始めた。
ピラティスにもまじめに取り組み始めた。
なんだかすがすがしい。久々に体を動かしているからだろうか。
この運動の大切さ。メンタルに与えることの影響はとてもとても大きい。自己肯定感が増す。

これだ、これが私の不調の原因の大きな一つだ。運動習慣をつけなかったことだ。
子供がいなかった頃は、仕事と両立して無理をせず運動することができていたけれど、子育てが始まってからは無理をしないと（用意周到に計画をするとか、自分を律して習慣化しないと）運動ができない環境になったからだ。
だから心と体のバランスが崩れ調子をくずした。

私が今回休職が終わって退職をしたいと思っている理由の一つはここにある。1年かけて、あきれるほどの健康体、前みたいに無理がきく体に戻したいと思っている。長男を産んでからほぼ9年たつ。9年かけてなまった体は2か月では戻らない。1年必死になって取り組めば、多分、戻すことができる。いや、超えることができるようになると信じている。
動けるからだに戻してから、仕事、家事育児と運動のバランスをとって生活できる習慣をつけるほうが、動けない体でちょっとずつ運動を習慣化しようとするよりも、よっぽど成功率が高いだろうと思うからだ。

もう42歳。それでなくとも体は衰えていく一方だ。今、一念発起しなかったら坂から転げ落ちるように体力が落ちていくだろうし、そうしたら私が何よりも愛する自然の中で遊ぶことができなくなってしまう。
そんなのは嫌だ。

そんなことを漠然と思っていた矢先、友人と話したら同じことを考えていて笑ってしまった。
私と同い年の彼は、奥さんの海外赴任に帯同する為に仕事を辞めた。仕事をやめて、おそらく次の仕事に現地で着くのだろうけれども、まだ決めてはいないそうだ。
色々やりたいことはあるし、つぎの3年間を楽しみにしているそうだが、彼には決めていることがある、それは健康を取り戻すこと。
3年後に60kmのトレランのレースに出るまでになること。

それを聞いたとき思わず「わかる！わかるよー！！！」となった。
日々の生活に追われて一番大事な体の健康を損ねている実感は彼にもあったそうで、せっかく時間ができたならこれはチャンスだととらえているらしい。

そう！まさにそうなの。

私もそのレースに出るようになるから！と約束した。
その時45歳。その時までに体を立て直す。維持する。
42歳のうちにマラソン４時間２０分で完走する。ボルダは１級落とす。ルートはパートナーの問題あるからとりあえず１１打てるようになればいいかな。

あきれるほど健康になる。

もう、仕事してる暇なんてないでしょ。なんてね。
友人にはお金があるけど、私にはないんだけどね。