奇経八脈の流れと主治について-2-
有料版では、この「奇経八脈の流れと主治について-1-」の続きを書いているけど、それも世知辛いので、ここでもちょっと違う角度から触れてみようと思います。
陰維脈
言葉面の意味としては、陰を繋ぐ経脈。
「陰」なので、カラダの前面、おなか側。足の築賓から始まって上に昇ってのどに向かうこの陰維脈。個別の十二経脈で追っていくよりも効率的。
なんたって、おなか全体の陰性の症状に対処できるので。
陰性の症状っていうと、なにやら難しく考えてしまいそうだけど、要するにお腹の症状全般と考えておけばよいかな。
陽維脈
陰維脈とは対をなすというか、対極というか、足の小指側から始まって、足と背中そして頭(後頭部~頭頂)を通って、おでこまでをまとめています。
まさに、陽を繋ぐ経脈。
「陽」なので、寒気(さむけ)だけでなく、発熱に対しても守備範囲があり、もちろん筋骨格系の症状も網羅。意外と心強いです。
衝脈
陰維脈が内臓、そしてお腹全体を網羅しているとしたら、この衝脈、おなかのより中央、さらに奥を管轄してます。
「衝」という文字自体、要所とか大事な場所、って意味があるように、おなかの症状はもとより、特に女性でいえば婦人科系まで守備範囲にしています。
帯脈
名前があらわすように、まさに体を帯のようにまとめている経脈で、おなかのおへそあたりをぐるりと一周してます。
一周するということは、陰にも陽にも影響を及ぼすことができて、筋骨格系でいえば腰周辺に影響を与えるだけでなく、手足の症状や頭(頭痛など)にも影響を及ぼすことができます。
陰キョウ(足へんに喬)脈
キョウという漢字は足編が使われているように、足の内側を通って、足の領域を抜けたと思ったら一気に目頭まで飛びます。
泌尿器系やお尻の問題、などなどに対応できます。
陽キョウ(足へんに喬)脈
陰キョウ脈とは反対に、足の陽の部分(腿のうしろとかね)を網羅してます。そして背中は陽維脈よりも外側を、頭も陽維脈よりも外側を通ります。むくみとか、腰とか背中の張り、頭痛なんかも守備範囲ですね。
任脈
はい、大御所、ここで登場。カラダの前面の正中(おへそを通るど真ん中)を通ってます。会陰から喉というか顎というか、そのあたりまで昇ります。
大御所だけに、婦人科疾患や男性にとっても生殖系の症状などが守備範囲ですね。
督脈
オオトリ、大御所。尾てい骨から背骨の上を通って頭頂から上あごまで真っすぐ昇ってます。単にその通行場所である背中や頭、上あごの症状だけでなく、カラダそして精神の根本に影響が行くといってもよいかなと感じてます。もちろん任脈と督脈は、ワンセットで対応したいところです。
具体的にどう刺激を与えていくか
奇経八脈では、8つの経脈を4組に分けて対応していきます。
詳しい組み合わせ方や、その方に合わせた組み合わせの見つけ方はこちら(https://note.com/heartsoul/n/n4a36a1fc6582)をご覧いただければと思いますが、お作法的に、組み合わせた経脈のうちどちらに補の刺激を与え、どちらに冩の刺激を与えるか、を行っていくことになります。
また、刺激を加える方法としては、なにも鍼だけでなく、指で圧を加えるときのちょっとした方法でも、爪楊枝でも、いろいろ工夫できるので、まさにセルフケアとしては、「簡単にして最強」かと思います。
ぜひお試しを!
参考にしていただける記事
奇経八脈を利用した、セルフケア整体(有料記事)
https://note.com/heartsoul/n/n4a36a1fc6582
奇経八脈の流れと主治について-1-(無料記事です)
https://note.com/heartsoul/n/na7b45c97557c