【読後感】中野信子『新版 科学がつきとめた「運のいい人」』(サンマーク出版)
中野信子『新版 科学がつきとめた「運のいい人」』(サンマーク出版)をKindle版で読んだ。
運のいい人を科学的に書いているようなので、本書に興味を持った。私も強運の持ち主になりたいため。
読みやすかった。運のいい人の共通点を科学的な事実で説明。運は生まれ持ったものではなく、考え方次第で良くなるとの事。意外だったのは、科学を標榜しているのに、祈ることも大切だと書いていること。それによって、運のいい脳が作られる、との事。祈りは私も良いと思うが、果たしてこれは科学と言えるのだろうか。
だが、全体的には肯定的な言及が目立って好ましい。例えば、
⑴いまの自分を生かす。
⑵自分を大切に扱う。(面倒臭がらない。)
⑶自分なりの「しあわせのものさし」をもつ。
⑷自分の好みを大事にする。
⑸「おもしろそうかどうか」で決める。
⑹プラスの自己イメージをもつ。
⑺よい妄想をする。
⑻愛情をもって人を育てる。
⑼不安と上手につきあう。(セロトニンの分泌量が増えるような生活習慣[早寝早起きの規則正しい生活、適度な運動、リラックスした風呂の時間]など。)
⑽マイナスの出来事も引き受けてみる。(自暴自棄にならない。では、このマイナスの状況をどう生かすかと考える。)
無理をしてプラスに考え、自分に嘘をついても、脳はそれを見抜いていて、身体に悪い物質を出す。その物質は身体には必要だが、過剰に分泌して身体に悪影響を及ぼす。一方、自分に正直なプラスの考えだったら、脳も身体に良い物質を出す。
本書を要点に絞ってまとめていたものがAmazonレビューであった。
①世界の中心に自分をすえる。
②自分は運がいいと思っている。
③他人のことも考える。
④目標や夢を自分なりに持つ。
⑤祈る。
個人的に印象に残ったのは「人へのほめ方」。これが本書を読んで一番ためになった。私にとって。私は適当なほめ方をしてごまかす所があるため。反省も含めて。
①正しくほめる。(ずれたほめ方をしない。)
②表面的な軽いほめ方をしない。(「きちんと自分のことを見ているのかな」と不安になるため。)
③欠点には寛容になってほめる。(欠点はあるけど、別の長所をほめる。)
本書は「運のいい人」をテーマに書かれているが、突飛な考えがなく、常識的な範囲で書かれている。ただ、「科学がつきとめた」とあるが、その科学は本書では理由づけ程度にとどまっている。科学論文ではなく、自己啓発本に近い。だから、読みやすいのだが。内容はオカルト的ではなく、健全に書かれている。驚くような内容ではないが、私も取り入れたいと思う事柄が幾つかあった。一般読者に親しみやすい内容。読んで良かった。
(2023.10.21 読了)
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