手のひらを太陽にすかして生きる価値を考え、ヒトの壁(養老孟司)を超える
人生は不要不急ではないか。
生きるとはどういうことか、生きる価値とはどういうことか
全体的なストーリー性はあまりなく、徒然で飄々とした語り口でありながら重いテーマをさりげなく入れこんで考えさせる、そんな本書「ヒトの壁(養老孟司 著)」である。
年明けに購読した「無理ゲー社会(橘玲 著)」をふと思い出す。
おお、42のスキ!
ということはどうでもよく笑
希望を持てない世の中(無理ゲー社会)を作った大人たちから「夢をもて」と言われ押つぶされていく若者、、、そんな構図が語られている。
そんな現実に対し、養老氏は「価値観を情勢に応じて自分で変え、自分なりに持つしかない、それを自立と言い成熟と言う」「自分でやることなんだから、すべては自分で考えるしかないんだな」と語る。
「無理ゲー社会」的には「それができないから困ってるんだよ」ということになるのだが。
救いは
「しょせんはヒト、ヒトの分際で」
と語られる点。
そう、しょせん我々は「ヒトにすぎない」のである。対人を気にしすぎる世の中、人付き合いができないと異端扱いされる世の中、まさに「ヒトの分際で」である。だから、養老氏とって愛猫のまるの存在は重要な意味を持つ。
そうか、自分にも愛犬「パル(15歳)」がいる。
確かに、どんな辛いことがあってもパルが家にいてくれるだけで癒される。
愛猫のまるの死への思いを語る最終章、80歳を超え自身の生きる価値を考える老人がひときわ「ヒトらしく」なるところで本書は締めくくられる。
いつも以上にとりとめのない文章になりましたが、最後まで読んでいただき感謝いたします。
初の電子書籍(Kindleではなく楽天kobo)での読書、快適でした。
紙のぬくもりって大事だよな・・・という思いがぶっとびました笑