多様性の読書は健在!阿佐ヶ谷姉妹から出井氏、羽生結弦までー2024年1月読書8冊
2023年は96冊の読書、そのペースは今年も変わらない。
今回は2024年最初の月(1月)の読書記録8冊を紹介する。
さて、気になるものはありそうでしょうか?
①おばちゃんたちのいるところ(松田青子)
世界幻想文学大賞(米)を受賞した、落語や怪談、歌舞伎を元ネタに全17話で構成される「怪談」
幽霊となった「おばちゃんたち」が現代人を救いにやってくる。
死んだらいろいろなこだわりがなくなって、むしろ楽に生きられる?
が、どことなくおばちゃんたちは怖い。
そうか、今まで自分が見てきた職場同僚の半分は幽霊だったのかもしれない
いや、もっとかな。
さりげなく仕上げられたフェミニズム文学、この方のメッセージはどこか無理して男として生きてきた?自分にも刺さる。
②マイ仏教(みうらじゅん)
「仏教が永遠のマイブーム」の筆者が自身の半生とともにユルく真面目に仏教の教えを綴る。
独自の解釈の是非はさておき、一般の人にはわかりづらい仏教の教義をユニークかつポジティブなネーミングに落とし込み、自分なりに解釈して発信しているからこそ染み入る響きがある。
多くの人が「自分らしさ」を探す旅に出るが、筆者はあえて「自分なくし」をすすめる。「自分らしさ」とは見つけにいくものではなく、「自分らしさ」という借り物の価値観を捨て去ることで、まっさらな自分から「自分らしさ」が生まれてくるのでは、とユルく真面目に解釈してみた。
事業戦略と同じ、まず「やらないことを決める(捨てる)」かな、と。
さあ、自分をなくして羽ばたこう。
③キャラクターたちの運命論(植朗子)
人気マンガに登場するキャラクターの行動と心情を伝承文学研究者の植氏が読み解く。
作品への愛と深い洞察・分析により、怪異の描き方や死との向き合い方に普遍性が浮かび上がる。
物語に生きるキャラたちの魅力がさらに輝く、まるで自分の目の前にいて戦っているかのように…
④阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし(阿佐ヶ谷姉妹)
ひとつ屋根の下でともに暮らす疑似姉妹である阿佐ヶ谷姉妹が四六時中一緒にいることで迎える倦怠期を乗り越えるような乗り越えないような地味な生活を綴る。
絶妙な距離感で生活するふたりの“のほほん”暮らしは、ひたすらユルくビミョーに熱くそれでいてヌルい。ひたすら平和である。
そう、平和がいちばんなのだ。
⑤人生の経営(出井伸之)
自分の人生は会社のためだけにあるわけではありません、自分はどうありたいか、どういう人生を歩みたいかを決めるのは自分自身です、つまり、自分の人生を“経営”するのは自分なのです。
こう語る“ソニーを復活させた男”出井伸之氏は、84歳でベンチャー企業を創業し“現役プロティアン”として歩み続けた。
一昨年に亡くなる直前まで、若い人にも中高齢者にも公平に活を入れ、自らの行動で示されていた筆者の姿勢にあやかりたい。
⑥丸の内魔法少女ミラクリーナ(村田沙耶香)
「クレイジーさやか」の本作での短編は、これまでの作風と少々異なり「凄み」や「毒」は薄く静かにまったりとぶっ飛んでいく。
私も怒りの世界から解放されてパブスピホムパでなもみ、まみまぬんでらしたい。
⑦羽生結弦の言葉(2010-2020)
平成令和のプリンス、羽生結弦氏の中身はストイックな「努力と根性」に裏打ちされた昭和タイプの人。
見た目とのギャップが“萌える”のか。
数々の逆境やピンチを乗り越えてきた羽生選手の“魂のメッセージ”は心の奥底に響く。
スケートよし、顔よし、スタイルよし、人間性よし、大谷翔平選手同様に非の打ちどころがなく妬ましい笑。
一時期、週刊誌ゴシップで騒がれたが、プライベートは誰もが色々ある、有名人だからと言って何も知らない第三者が騒いだり評価する必要はない。
⑧SNSカウンセリング入門 LINEによるいじめ・自殺予防相談の実際(杉原 保史/宮田 智基)
最後はキャリアコンサルタントとしての将来を模索する私の勉強の書。
行政初のLINE相談事業の取り組みを示し、その経験知を伝える。
そもそも中高生は対面しない会話に慣れているデジタルネイティブ、壁は援助側(アナログな大人)にある。
馬車が走っていた時代に生まれたカウンセリング手法を続けるのではなく、LINEありきでもなく、単なるオンライン面談でもなく、デジタルネイティヴあるいはこれからのAIネイティブの若年層にマッチしたテクノロジーの進化・活用が必要と痛感した。
最後まで私の記事を読んでいただきありがとうございました。
2024年も快調に?読書スタートしました。
今年も楽しく読み、楽しく学び、楽しく投稿し、楽しく生きていきたいと思います。