★「働かないおじさん問題」のトリセツ(難波猛)を読んで「チェンジおじさん」になる
タイトルのインパクトが大きいが、実は「働かない」のではなく、高度経済成長期から平成バブルに至る時代の中で「決められたことをやる」「コツコツ努力する」ことで成果が上がった成功体験から脱しきれず仕事のスタイルを変えられないおじさんのことを表現している。だから、それは本人だけの問題・責任ではない、ということでもあるのですね。
本書では、その事実を受け入れた上で、そのような「おじさん」を見放すのではなく、組織・上司としてしっかりと向き合うことで「チェンジおじさん」へ導くために必要なことがトリセツとしてまとめられ構成されている。精神論でなく心理学等のメソッドが組み合わされて納得性も高く、実践しやすい内容になっていると感じた。そして、おじさんを淘汰することが目的ではない、というおじさん愛がこもった一冊であるとおじさんは思った。
また、著者自らが40代で自ら「キャリアの転換」を実行しており「おじさん」の気持ちを理解しているからこその説得力がある。
ちなみにおじさんである私は自分を「働いている」と思っている。あれ?
▼以下、要約
🔹働かないおじさんとは
・「働かない」ではなく「働けない」
・会社や環境が変わっても、右肩上がり・年功序列時代のスタイルで「真面目にコツコツ働く人」のこと
・つまり、本人は「働いている」と思っている
・日本型雇用システムの副産物である、この状態を黙認した上司・人事にも責任がある
🔹上司のトリセツ
・本人と本気で真剣に向きあうこと(逃げない)
・向き合うための手法を知り、実践すること(心理学的アプローチ)
・目的は「相手の成長のため」「活き活きと働いてもらうこと」
・「自分の課題」と「相手の課題」を分離する
「自分の課題」と「相手の課題」を分離する、という点は特に響いた。変われないおじさんのために上司が不幸になってもいけない。