TORIHADAに聞く!新卒採用の鍵となる採用広報動画のすヽめ
「新卒採用は難しい!」
この言葉は毎年のように新卒担当者から聞かれる言葉です。
特に現在は緊急事態宣言により、オフラインの採用イベントや興味づけが難しくなり、多くの企業が母集団形成やオンライン上でのアトラクトに苦戦しています。
しかし、学生の興味を惹きつけたり自社らしさを打ち出したりする手段の一つとして採用動画の活用が注目されています。
いわば、採用ピッチ資料の動画版といわれる採用動画さえあれば母集団形成の課題や、ミスマッチな採用を減らすことが可能になるかもしれません。
そこで今回は、株式会社TORIHADAの、採用向け動画制作をメインに行う「ムビツタ」事業統括の入谷さんに、新卒採用の現状と採用動画の活用方法についてお話をお伺いしました!
1.ネームバリューのない中小企業やベンチャーは厳しい新卒採用の現状とは?
2020年の新卒採用有効求人倍率は1.83倍と、8年ぶりに低下したものの、依然高水準で売り手市場は続いています。 学生1人に対して1.83社企業が求めている状態であり、この売り手市場の結果、学生の平均内々定数は1.9社にも上ります。 学生は自己分析や業界研究、企業研究を深くまで行わなくとも、企業から内々定をもらえてしまう状態になっているのが現状です。そのため、大手企業以外の中小企業やベンチャーは苦戦を強いられています。
売り手市場により、自己分析や企業研究を深く行う学生が少なくなり、学生はネームバリューや知名度の高い大手企業へと流れてしまいます。 企業志向調査では「絶対に大手企業がよい・やりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい」と答えた学生は半数にも及びます。 その結果として、企業規模別の有効求人倍率においては、300人未満の中小企業は「8.62倍」です。
そのため、ネームバリューのない企業は学生にいかに認知してもらい自社に興味を持ってもらえるのかが、重要になってきます。
2.「オヤカク」をはじめとする新卒採用の選考における独特な課題
新卒採用には各フローで下記のような課題があります。
■認知拡大
認知フェーズにおけるに課題は、そもそも学生にリーチできないことです。
学生の多くが大手企業に入社することを好む傾向にあるため、情報収集もネームバリューのある企業に集中しがちです。そのため、学生にリーチできるような施策が必要となります。
また、説明会参加率が悪いことも課題としてあります。「説明会のドタキャンがひどい」というのはどの人事の方も感じていることでしょう。とりあえず応募してみたけど行く気がなくなってしまう、「参加しなくても他の企業を受ければいいや」といった思考が原因とされています。
■魅力づけ
そもそも説明会自体に工数がかかり、採用担当者側の負担は大きいもの。集客やイベント準備その後のフォローまで…。とくに最近はコロナによってオフラインのイベントが開催できないため、従来以上に母集団形成に苦労している企業も少なくありません。また、説明会や面接にたどり着けたものの、面接官の間でも情報伝達の属人化が生じてしまっているため、選考へ進む学生も少なくなってしまっている現状があります。
■口説き
そもそも、面接に携わるメンバーの面接スキルにばらつきがあることによって、離脱が生じてしまっていることも考えられます。人によって伝える情報が属人化しているが故に、学生に本当に必要な情報や魅力の提供ができていないことも多いことでしょう。
■フォロー
やっと内定を出したのに、競合に流れてしまったり、内定を辞退されることも多い現状です。
母集団形成の時点で自社にマッチしそうな人材を確保できず、焦って採用をしてしまうときに多くの企業がぶつかる壁です。
また、学生自身はその企業に就職したくても、学生の親御さんが心配して、「大手じゃないから心配!」と反対したり、執拗な親の確認=『オヤカク』が入ってしまうこともたくさんあります。親御さんと面談を行なっている企業もありますが、その前に周りの人にも応援してもらえるように企業側の情報発信や動画のコンテンツが重要になってきます。
3.学生と採用担当者の両者がwin-win!新卒採用における動画の効果
上記の課題に対し、一つの解決策として動画の活用をオススメしています。
実際に、企業の採用動画を「見たことがある」と答えた学生は71%。その中でも、動画を視聴して志望度が上がった学生は60%にも上ります。 会社説明会に採用動画を導入することで、人事側は毎回PPTで説明していた工数を削減することができたり、動画によって働くイメージが湧くので、学生の意欲を向上させることもできます。そのため、企業への理解が深まることで、説明会時の質問も従来と比べ、より深いものとなり、毎回高い力量で話さなければならなかった説明を省くことも可能となります。また、会社の魅力を動画を用いて伝えることで、属人的だった情報伝達の部分を均一化することができるので、面接力がバラバラで苦戦している企業には特におすすめしたい手法になります。また多くの企業で採用ピッチ資料を作成していることもあると思いますが、採用動画ではイメージを湧きやすくさせ、採用ピッチ資料では具体的な業務内容や求めている人物像(今のフェーズでは一緒に働くのが難しい人物像)も一緒に提示することでスクリーニング効果と意欲向上効果の2つが生まれ、ミスマッチの少ない採用を実現することができます。
採用ピッチ資料の活用に関してはこちらのホワイトペーパーを参考にしてみてください。
4.採用につながる動画制作のアイディア
■認知拡大を狙った動画制作
就職活動を行う学生が企業研究を行う際、Googleなどを用いて「企業名 面接」などの企業名を含んだキーワードで検索すること場合が ほとんどです。認知拡大フェーズから行動促進を行うためには、企業名を潜在的に覚えてもらうことが重要です。 「なんとなく聞いたことがある」と学生が思うことで、企業名のキーワード検索に繋げることができます。
<参考事例>
日清紡ホールディングス
このように音楽にのせて会社名を繰り返したり、視聴者が思わず最後まで観てしまう様な笑える企画にしたりすることで、認知度を向上させます。若年層に人気のコンテンツを入れ込むことも効果的です。
■魅力訴求型動画
会社説明会において、知りたい情報の上位は「他社との違い」「仕事内容」「社風・雰囲気」となっており、印象に残るコンテンツは「社員インタビュー」「会社紹介」が上位となっています。他社との違いや仕事内容、会社概要を社員へのインタビューなどを通していかに訴求できるかが、説明会においての魅力付けに重要となってきます。
<参考事例>
株式会社TORIHADA
社員へのインタビューを通して、訴求したい内容を学生に届けます。インサートで仕事風景を入れ込み、 社風や実際の仕事風景を訴求することができます。
■LINE採用コネクト×動画の活用
母集団形成を行い、せっかく選考に進んでもらっても、選考最中に離脱が起こってしまうことも多いでしょう。コミュニケーションを増やすために登録してもらった連絡先にメールや電話をしても、見てくれない、出てくれないこともよくあります。一方、若年層の約8割がLINEを利用しているとされます。LINE採用コネクトを利用し、学生とこまめにLINE上でコミュニケーションを取ることができますし、そこで動画を送付することでなるべくリードタイムを短く、学生の意欲の低下を防ぐことができます。
■『オヤカク』にも活かせる!カスタマイズした動画の送付
内定辞退が起こる要因としては、『他社への入社』と『オヤカク』と呼ばれる、学生の親が「大手企業以外は不安」と中小企業への入社を拒む、この2つが多い現状です。内定を出した学生に対して、人事ないし社⻑が「なぜ内定を出したのか」や「一緒に働きたい想い』を撮影し、ビデオレターとして学生に届けるなどのアクションも、内定辞退の防止に有効です。
HeaRでも、内定者の方向けにその人だけにカスタマイズした非公開のnote記事を送付することで、候補者体験(CX)を向上させる方法を推奨しています。
「こんなにも向き合ってくれるんだ」と内定を保有している他社との差別化を図りCXを向上させていくことが重要です。
5.withコロナにおける採用情報のオープン化が急務!
新型コロナウイルスによって、就活や面接に不安を抱く学生も少なくありません。ジェイック社の調査によると、選考プロセスのweb化に関する意向については、会社説明会に関しては「web化を望む」が66.0%と就活スタート当初 よりも15.8ptの増加。個別面接についても、「web化を望む」が35.4ptと1か月前より14.6pt上昇したものの、 「web化を望まない」も44.1%と、個別面接は根強く対面での実施を望む声があります。
<学生の声>
・webでの説明会が多くなり、予定していなかった企業も気軽に観ることができるのは良いですが、 やはり雰囲気(社風)が伝わらず、全て綺麗事に聞こえてしまうのが難しいと感じています。
・エントリーした企業にも採用を中止した企業がでてきていて、ネットでも第二の氷河期などと言われはじめたことで 就職できずに卒業を迎えるのではないかと不安です。説明会ではどの企業もコロナの影響で採用人数を減らしたりはしないと言っていたが、 実際はどうなのか分からない。ESやテストなどで足切りする人数を増やしているのではないかと考えてしまいます。
・この状況でWebに適応していない企業様を見ると、対応がしっかりできていないような気がして、マイナス点として捉えています。
・コロナウイルスによって影響を受けている場合であっても、それを包み隠さず伝えていただいた方が信頼を持てると思います。
このような学生の声と現状から、先述のLINE公式アカウントやYouTubeといった動画プラットフォーム、自社オウンドメディア上で、(簡易でもいいので)迅速に 「今後の採用方針」「自社の働き方」「社員の生の声」といった情報を中心に学生へ届けてあげることをお勧めします。 また自社での撮影が不安な場合は、制作会社への撮影指示書の作成・提供依頼や、編集のみのアウトソースを行なったりすることで迅速に対応することが企業に求められています。
編集後記
採用動画は母集団形成だけでなく、その後の選考フローにおける学生の意欲向上の一助となり、結果として良い採用ができる一つの方法となっています。
新型コロナウイルスによって多くの企業や採用担当者に対応が求められ、日々大変な日常をお過ごしかもしれません。
しかし、この時期だからこそできることや、求められる情報をオープンに伝えていくことが、アフターコロナにおいても獲得したい人材の採用ができる企業になるための道筋となることでしょう。