「CXの良い不採用連絡」について本気出して考えてみた
こんにちは、HeaRの人事、田島彩名です。本日は、全ての採用担当者が頭を悩ませる「不採用連絡」について真剣に考えてみます。
人事・採用のお仕事をしていて一番辛いのは「仲間が去っていく時」、二番目に辛いのは「会社に興味を持ってくれた候補者さんに不採用をお伝えする時」です(※私調べ)。
そんな辛いことだからこそ、CX(=候補者体験)に関しては最新の注意と心配りをしなければならないと思っています。でもどうやってやるのか? 答えは簡単ではありませんが、HeaRがCXコンサルティングを行う上で必ず気をつけていることをまとめます。
あたりまえですが、「サイレントお祈り」と呼ばれる対応が一番不誠実です。もっともCXが悪く、候補者さんからの印象も最悪になります。
サイレントお祈りとは……
採用時、合格者のみに連絡をして不合格者には連絡を行わないこと。エントリーシートがある場合、日本企業の全体の22%が「サイレントお祈り」をしていると言われ、従業員数が1001名を超える企業に限ると実に38%の企業がサイレントお祈りをしている。(https://toyokeizai.net/articles/-/119844?page=2)
では、どのように「不採用」の連絡をすべきなのでしょうか。以下が、私が必ず気をつけていることです。
・面接に来てくれたお礼を伝える
・不採用の旨は簡潔に述べる
・なぜ不採用になったのかも誠実に説明
・候補者さんの良かった点、強みなどを説明
・他の関係の深い会社さんをお勧めできる場合は記載
・今後、候補者さんと会社がどのような関わり方をしていきたいか
会社に興味を持ってくれた候補者さんを不採用とする場合は、概ね以下の理由に分けられます。
1. カルチャーマッチしない
→会社のカルチャーや考え方とあっていないと判断した。
→少なくとも今の会社のフェーズで求められる価値観/考え方とは少し異なっていると判断した。
カルチャーマッチしないことを理由にする場合は、「どのような点があっていなかったのか」も伝えるべきだと考えています。
例:
〇〇様のお考えを伺う中で、△△という価値観を非常に大切にされていることが伝わってきました。
弊社で検討いたしました結果、〇〇様の価値観を大切にしながらお仕事をしていただくためのポストを、今のHeaRにはご用意できないという結論に至りました。
より△△の価値観を大切にされている会社様でのご活躍をお祈りしております。
2. スキルマッチしない
→会社が求めているスキルレベルに達していない。
→現状、候補者さんのスキルセットでは持て余してしまう可能性が高い。
→候補者さんのスキルと会社で任せられる実務が大きく異なってしまう。
このような場合もお断りのご連絡を入れることが多くあります。お伝えする時には、会社の状況を説明し、候補者さんのスキルなどの否定にならないよう伝えましょう。
例:
弊社で検討いたしました結果、現在〇〇様のスキルを生かせるお仕事を、HeaRでは用意できないという結論に至りました。
ご興味を持っていただいたにも関わらず、誠に申し訳ありません。
〇〇様のやりたいこと、できることを活かすためのポジションは現在ご用意できませんでしたが、
いずれまた会社が成長し変化したタイミングで、なんらかの形で一緒にお仕事ができたら幸いです。
3. その他、会社のフェーズや採用計画によるもの
→スキル・カルチャー共にマッチしないわけではないが、採用計画上ポストに空きがない。
→会社のフェーズ的に今は雇えないが、長期的には関わっていきたい。
このようなケースも、ベンチャー/スタートアップでは結構あります……。これに関しては、真っ直ぐ素直に伝えるのが吉です。
例:
弊社で検討いたしました結果、現在〇〇様にHeaRでのポジションをご用意するのは難しいという結論に至りました。
現在弊社は〇〇という課題に直面しており、それを解決するための採用を推進しております。
会社の状況や採用計画を鑑みて、現在〇〇様を弊社におよびできず、
大変申し訳なく思っております。
いずれ会社が別のフェーズを迎え、〇〇様のような価値観やスキルをお持ちの方の採用が必要になった場合、ぜひお声がけさせてください。
どれだけ忙しくても、HeaRでは面接にお越しいただいた方に不採用の連絡をする場合にテンプレートは使いません。必ず、お一人お一人の時間と誠意に感謝を込めて丁寧にご連絡しています。
・候補者さんは貴重な時間を使って会社に面談/面接に来てくれています。
・当たり前ですが、不安です。
・その転職に人生をかけているかもしれません。
・多かれ少なかれ、会社からお断りの連絡を受けたらショックを受けます。
・そして、中には自分を責める人は自信を失う人も出てきます。
会社に採用することもその人の人生を左右しますが、その一方で、会社が採用しないと決めることもその人の人生を大きく左右します。
そして、
・100%会社にマッチした人がいないように、100%のアンマッチな人もいません。
・人の価値観は変わります。1年後、あなたの会社のカルチャーにマッチする人間になっているかもしれません。
・人のスキルは増えていきます。1年後、あなたの会社を引っ張る能力を身につけているかもしれません。
・会社の状況は変わります。1年後、今落とした候補者さんは喉から手が出るほど欲しい人材になっているかもしれません。
このことを踏まえて考えれば、CXの悪い不採用通知は会社に対して損しかありません。もちろん面談面接の件数にもよりますが、テンプレートだけでなく、ひとつひとつ自分の言葉でお伝えするようにしましょう。
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