最近のゲームは文字が小さすぎる 実は意外なことが要因に
最近のゲームは文字が小さすぎると思いませんか?
と、私が疑問に思ったのは、ドラクエⅢリメイクの記事を書いた頃からです。
こちらの記事、ありがたいことに現在まで6万PVほど見られており、160回程いいねを押してもらっています。
そこで気づいたのは、自分と同じ気持ちの人が多数いることと、ゲームの画面構成について、こんなにも関心を持っている人がいるということです。
そして、画面構成について独自に調べた結果、最近のゲームは文字が小さいと思っている人が、非常に多いことがわかりました。
そこで今回は、ゲームの歴史をたどりながら、現在のゲームが抱える問題点を紐解いて行きたいと思います。
☆ドラクエ3の戦闘画面を比較
まず、最初に見ていただくのがドラクエⅢリマスターの戦闘画面です。
次にみていただくのがドラクエⅢリメイクの戦闘画面です。
文字の大きさの違いが明らかですよね。
このように最近のゲームは文字を小さく表示する傾向が強いように感じます。
では、何故このようになって行ったのか?
それを知るために、私はゲーム史とテレビ史について調べました。
☆ファミコン時代の事情
ビデオゲームの先駆けと言えば、やはりファミコンです。
昭和後期であるこの時代は、ビデオゲームよりもアナログおもちゃが圧倒的に多く、ミニ四駆やガンプラ、キン消しなどが流行っていました。
そんな中、突如現れたのがファミリーコンピュータ、いわゆるファミコンです。
ファミコンが発売された当初は、値段の高さも相まってなかなか売れませんでした。
(当時の価格:1万4800円 ソフト:3800円)
しかし、1985年9月に任天堂から「スーパーマリオブラザーズ」が発売されて、ファミコンブームに火がつき、翌86年に大ヒットを記録。
最終的に日本だけで累計1900万台以上も売り上げたのです。
そんな昭和後期のテレビは、ブラウン管テレビです。
20型(インチ)テレビが約20万円で販売されていました。
これが家庭用テレビの主流だったのですね。
当然テレビの画面が小さいので、ゲームソフトも文字が見やすくなるように大きな文字でゲームを作ります。
画面の半分以上をテキストで埋めるドラクエは、当初発売されたゲームの中でもかなり文字が大きいです。
しかし、そんなドラクエは国内売上本数150万本を記録しました。
文字が大きなゲームの方が、当時の環境に合っていたというわけです。
また、その他のゲームも今のゲームに比べるとかなり文字が大きい印象です。
文字が大きい理由としては、ファミコンの解像度は256 × 240であり、ひらがなを表現するにはそれなりの大きさが必要だったのではないかと思います。
実際、悟空伝の漢字はかなり大きめの表示になってますね。
表示できる解像度が低いからこそ、必然的に文字が大きくなっていたというわけです。
☆プレイステーション2の時代
2000年代になってからは、プレイステーション2(PS2)が発売されます。
プレステ2は解像度が720 × 480なので、今までよりもかなり細かく描画できるようになりました。
そのため、ビジュアルに力を入れたゲームも増えてきましたね。
また、テレビも液晶テレビが普及し始め、画面の大型化が進んでいきます。
大きいもので42型や50型など、一般的なものでも30くらいはありました。
そのため、少々小さい文字でも見にくいなんてことはありません。
しかし、調べてみると思ったよりも文字の大きさはそれほど変わっていません。
強いて言えば、小さな文字でも漢字がしっかり使用されています。
しかし、それぐらいしか画面構成での変化はありません。
昔はやむ得ない理由で文字を大きく描画していたのですが、2000年代になって自由になっても、わざわざ文字を小さく表示することはありませんでした。
☆プレイステーション4(PS4)の時代
2013年以降になり、ゲーム業界は大きく変わっていきます。
PS4という高性能な家庭用ゲーム機が登場し、画質もフルHD(1920×1080ドット)に対応しています。
PS4 Proになると更に4K(3840×2160ドット)まで対応しました。
またテレビに関しても、100インチや200インチなど超大型のテレビも登場し、プロジェクターを使わずとも大画面でゲームができるようになります。
とは言え、一般的な家庭ではそこまで大きなテレビは使いません。
そもそも日本は世帯の12.75%がマンション住まいです。
そんな大きなテレビを設置する場所はありません。
しかし、そんな事情を知ってか知らずか、ゲーム業界はどんどん高画質なゲームを作り出していきます。
昔と違って、キャラも建物もリアルですね。
しかし、文字はビックリするほど小さくなっています。
これだと、小さい画面でプレイしている人は、文字が読めないのも納得ですね。
ちなみに他のゲームでもこのような現象は見受けられます。
このようにメーカーが違っても、文字を小さく表示するようになりました。
もちろん、文字が大きいゲームもありますが、ビジュアルが綺麗なゲームほど、文字を小さく表示する傾向が強いように感じます。
しかし、ここで疑問が生じます。
何故この時期に入って一気に文字が小さくなったのかと?
テレビのサイズだけで言えば、もっと以前から小さくなっていてもおかしくありません。
実はこの問題、意外な要因が絡んでいたのです。
☆原因は海外輸出にある
原因には様々なものが考えられますが、自分は海外への輸出を考えた結果、文字を小さく表示するようになったのではないか?と推測します。
というのも、海外では英語が主流ですが、英語は日本語と同じ内容でも文字数が多くなりがちです。
例えば、ペルソナ5ザ・ロイヤルの1シーンを見てみると。
同じ内容の文章ですが、英語版では明らかに文字数が多くなってます。
ペルソナ5は日本で発売された後に、海外で発売されたため日本語に最適化されていますが、世界同時発売のゲームや海外で先行発売されたゲームは、英語の文字数に対応できるよう、文字を小さく表示するようになったというわけです。
そう、私はここで自分の間違いに気づきました。
私はテレビのサイズが大きくなるにつれ、文字が小さくなったのだと思っていましたが、実はそうではなかったのです。
英語に合わせて文字のサイズを最適化した結果、文字のサイズが小さいゲームが多くなったのです。
確かに、今では世界同時発売なんて珍しくありません。
そして、日本の人口と英語圏の人口を比べたら、海外用に最適化したソフトを作ってもおかしくないと思います。
簡単な話、文字が小さい会社は、日本国内のユーザーではなく、海外ユーザーを優先したゲーム会社だと言う事です。
市場の規模を考えれば正しい事なのでしょうが、日本で生まれたゲーム会社が、このような形で日本ユーザーに不便を強いているのは悲しい事ですね。
ちなみに任天堂はちゃんと日本語に最適化させています。
日本語がしっかり大きく表示されてますね。
こういう細かな気配りが、長年愛される理由なのだと感じます。
☆結論:文字が小さいのは英語版に最適化させた弊害
今回調査した結果、この答えが一番しっくり来ると感じました。
最近では、日本のゲームが海外に、海外のゲームが日本に来ることも特段珍しい話ではありません。
ただ、そのせいで文字が小さいと言われ、評価が下がるのは良くないこと。
各社には、しっかり日本語に対応した文字のサイズで、ゲームを作っていただきたいかなと思います。
☆意外と多い輸入盤
実はAmazonには輸入盤のソフトがたくさん売られています。
一応、switchやPS5は輸入盤のソフトが起動できるみたいなので、日本語版との違いを見てはいかがでしょうか?
意外なところで違いが見つかるかもしれませんよ。