一週間の絶食 〜介護と癒し〜
母、口から食べられるようになるかの正念場。
この三連休は、施設通い。何だか介護がなかった時、私って何してたっけ??と思うほどです(笑)。
刻刻と状況が変わっていく、母と向き合いながら、「今こうだから、明日もそうだろう」ではない・・ということを実感します。
ずっと傾眠(2月23日 金曜日)
この日は、母の部屋に到着するや否や、看護師さんからお話がありました。
全体的に安定しているものの、少しお小水の間隔が開いてきているので心配とのこと。
これは私も初めて学んだことですが、点滴は2週間以上になると、10割負担になるとのことで(月が代わるとまた1~3割負担でOK)、金額の説明をしていただきました。
絶食期間も、食べられる時にはいつでも再開できるよう、食事は継続していたのですが、一端ストップ。
食べられそうな時の準備として、ペースト状「やさしい献立」やらハイカロリーゼリーを部屋に置いておくことにしました。
また、誤嚥があった前後より、母は口を開けて眠っていることが多く、口腔内がカピカピ。
定期的に訪問いただいている歯科衛生士さんより、「口腔ジェル」とその使い方を教えていただき、薬局で購入。
定期的に塗布すると、素人でも潤っているのが分かります。
この日は、妹が初めて、新しい施設で母に面会。傾眠状態の母を、姉妹でずっとマッサージしていました。
おなかすいて死んじゃう(2月24日 土曜日)
この日面会に行った際、久しぶりに入浴介助をしていただいていました。
おふろに入った後は、これまでも疲れるようなのですが、ベッドに戻ってくると、私のことを認識しているようでした。
介護のスタッフさんにも、看護師さんにも、「おなかすいた」「ごはん食べたい」と蚊のなくような声で訴えがありましたが、土日は医療体制が整っていないので、誤嚥があった場合心配とのこと、月曜日の医師の判断を待つことになりました。
母「◯◯(私の名前)、もうあかんわ」
私「どうしたん?」
母「おなかすいた」
誤嚥してゲホゲホいっても、あまり泣き言を言わないのに、おなかがすいた時は死んでしまいそう・・みたいな。
気の毒なのと、しっかり口から食べられなければ、衰弱していくことも鑑みると、私も複雑な気持ちでした。
いつも、目やにや鼻〇そもとったりするのですが、その日は異常に大きな鼻〇そを採取してしまい、母に見せたところ、、笑っていました。
久しぶりの笑顔!
看護師さんから、吸引する時に、「CDプレイヤーなどで音楽かけることもできますよ。刺激があったほうがいいかも」と言っていただき、面会後、プレイヤーとCDを選びに。
母の好きな坂元九さんのベストアルバムとリラックスミュージックのCDを購入してみました。
「おいしい♡」(2月25日 日曜日)
部屋へ着くやいなや、過覚醒状態のこの日。
話を聞けといわんばかりで、夢の中だとは思うのですが(母の中では現実)、病院の先生におわびをしないといけないと言い張り、「早く行こう」と。
行こうといっても、近頃寝たきりで絶食1週間目なのに、一体どうやって行こうというのか・・。
母は起きれると思っているのか、ただ起きるのであれば、少し準備が必要なのと、その日も面会にやってきた妹とマッサージを始めると、「そんなんいらんねん(怒)」と怖い顔で私をにらんでいる・・(笑)
しばらく経って、母に「お詫びに行ってきたよ」(実際には行ってませんが)と伝えると、これまた「それならそれで、なんで早く言わないんだ(怒)」と怖い顔で私をにらんでいる・・(笑)
こちらが一件落着したかと思うと、今度は「爪を切ってほしい」と。
以前なら、私で対応できていたのですが、現在は、両手の拘縮があり、普通に爪を切るのが困難。
パッド交換に来て下さったスタッフさんにサポートいただきながら、やすりで気になるところを削りました。
母は、「チャンス到来!」とばかりに、スタッフさんに「水2口ぐらいほしい」と訴え、看護師さんの介助を待つことに。
1週間ぶりに食事!(経口補水ゼリーですが)
スプーンで一口飲み込むと、満面の笑顔「おいしい♡」
あまりの幸せそうな笑顔に、感動して涙ぐんでしまいました。(私が面会に行ってもそんな笑顔に出会ったことないのに・・・(笑))
看護師さん「もう一口食べますか?」
母「食べる」
ところが、数分も経たないうちに、咳こみが始まり、痰がからみ始めました。
口腔ケアのスポンジで、口の中の痰だけを絡めとるも、らちが明かず、看護師さんに吸引してもらうことに。
たった二口なのに・・・。
咳き込みが落ち着くと、母は「だいじょうぶ」と。
おなかがすいて「もうあかん」という母。
誤嚥でせきこんでも「だいじょうぶ」という母。
母はどう生きたいのだろう? どう逝きたいのだろう?
帰宅するバスの中で、母の笑顔を思い出しながら、”たった一言”で、”一瞬の笑顔”でこれほど感動を起こさせる、その姿に心打たれました。
肉体は決してその人”そのもの”ではなく、肉体は弱っていようとも、力強いエネルギーは内に灯っていて、母は”母”なのね・・。
深い学びが続きます。
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