夜遅くまで開いている喫茶店
家から少し歩いたところに夜遅くまで空いてる喫茶店がある。ママが1人で切り盛りするお店で、今日みたいな雨の日でもカウンターで談笑する人やテーブルで本を読む人、何人か連れ立ってデザートをつつく人など何人かのお客さんで静かに賑わっている。僕もその1人。
隣のひとが読む本の内容を僕は知ることはない。カウンターでママと話す人の間に割り込むことはない。でもなんとなくゆっくり過ごす時間を共有してる気がして、ほんの少しだけ連帯感を感じたりもする。
たまにご飯を食べる人もいて、キッチンから特製カレーのいい匂いが漂ってくる。
いけない。もう夜ご飯は食べたんだから。
いけない。ましてこんな夜遅くに。
今は我慢してもう少し痩せたら食べてみよう。
うんと疲れた日に食べに来るのもいい。
新しい仕事がうまくいかなかった時でもいいかもしれない。
取っておいた少しの楽しみが、沈んだ時に縋る光になる気がする。なんだかそこまで常連でもないのに、その喫茶店がセーブポイントみたいに自分の中に存在していることが面白く感じる。
〇〇会社の誰々。
〇〇家の次男。
〇〇学校の非常勤講師。
なんの肩書きもなく、なんでもない自分でいれる場所が生きてくには必要だなと思った。
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