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なぜ「学びたい」と思うのか?

先日図書館に行った際に借りてきたこの本。

子供たちが喜びそうだと思い、
何となく子供の本コーナーで借りてきた1冊である。

借りてきたのは先週末だったのだが、
私が読む本棚の中に収納していたので
すっかり存在を忘れてしまっており、
昨日ふとそのことに気が付いて子供たちに
この本を渡した。

最初娘にこの本を渡したときには
「あ、マジックの本。ありがとう」
とそんなに興味がないリアクションだったので
私は選択を誤ったかなと思っていた。

なので、彼らが風呂に入っているときに
ふとその本を開き、試しに一つやってみる事にした。

最もシンプルな難易度1のモノを選び
風呂から上がった子供たちに披露してみると、
目が音を立てて光ったかの如く彼らの目が輝き、
どうやってそれをやったのか、
どうすれば自分もできるようになるのかを
すごい勢いで私に尋ね始めた。

方法とトリックは極めて単純。

彼らにやり方を説明すると、
早速彼らも練習をし始めた。

とてもシンプルなマジックだったのだが、
やはりそこはマジックである。
少し見せ方にポイントがあるので、
上手くできない娘にそのポイントを
何度か教えてやると
上手くできるようになった。

その内容を聞き、試してみる子供たちの顔は
最初に私がマジックを披露したときのように
輝いたまま。

どうやら彼らの頭の中では
自分がこのマジックを友達に披露して
「えぇ!どうやってやるん?」と言われながら
「実はな」とどや顔をして解説する自分の姿が
思い浮かんでいるらしい。

その様子を見ていると、
ふとこれこそが学びの本質なのではないかと
私は思った。

最近息子が塾の宿題で躓くことが時々あるので
私はその宿題を見ながら解き方のアドバイスを
しているのだが、
彼にとって興味のない内容を教えることの
難しさをとても実感していた。

正直、この図形のこの角度が分かったから
何になるんだと私自身も思いながら
教えているぐらいなので、
教えられる息子からしてみればなおさらであろう。

そうなると問題を解いた時のスッキリ感を
彼に味わってもらうしかないので、
私はできるだけ探偵が推理を披露するように
ロジックを積み重ねて答えに行きつく方法を
教えるようにしている。

もちろんこのような学びが
悪いと言っているのではないが、
何だか本人が興味を持てない学びを教える事に
親としてはジレンマを感じるのも事実なのだ。

なぜ学ばねばならないのか?と子供たちに聞かれれば
色々な答えがあるだろうが、
最もシンプルな答えは「未来の役に立つから」であろう。

だが、実際に彼らが学ぶ内容が
どう将来につながるかを説明するのは
私にも難しいことが多い。

息子が躓いていた角度の求め方もそうであるし、
多角形や丸を組み合わせた図形の面積を求める問題も
まさにそうである。

その反面、今回彼らに教えたマジックは
翌日にでも自分が友達にそれを披露するという
とても身近なアウトプットがあるからこそ、
彼らはとても興味を持って学ぶことができた。

本来学びとはこうあるべきものなのではないだろうか。

それがどのように自分の未来につながって
それがわかるようになった未来の自分の姿を想像できると
学ぶ意欲は格段に高くなるし、
学びの効率は間違いなく上がるだろう。

これからも彼らに勉強を教えてやる機会は
多々出てくるであろうが、
今回マジックを教えた時の様に
キラキラした目で彼らに質問させることが
できるかどうかは私達大人次第である。

なかなか難しい課題ではあるが、
それがどのように未来につながるのか、
それが分かった先にはどのような面白い世界があるのか、
そんなことを彼らに教えてやる親でありたいと思った。

今日も彼らはマジックの本を読んで
そのコツを私に聞いてくるであろう。

彼らのキラキラした目を見られるのが
今から楽しみである。

ちなみに娘にこの本を渡したときに
「マジックと手品って何が違うの?」と
質問を受けた。

調べてみるとお金を取るか否か、
スケールの大きさなど色んな説はあるものの
明確に「これだ」という答えには行きつかなかった。

私の中ではMr.マリックはマジックをする人で
トランプマンは手品をする人というイメージだったが、
これまで言葉の定義など意識したことがなかったので
改めて考えてみるいい機会になった。

娘には面白い質問賞をあげたいと思う。

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