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私はなぜオオクワガタのブリードがすきなのか

あなたの趣味は何だろうか。

ここ最近仕事のことや身近な事に
フォーカスを当ててばかりだったので
たまには趣味について書いてみようと思う。

私の趣味は過去には色々あったが、
今でも継続していて趣味と公言できるのは
オオクワガタのブリードぐらいである。


我が家で飼育しているオオクワガタ

オオクワガタを見たことが
ない人がいるかもしれないので
簡単に紹介しておくと、
オオクワガタは日本に生息する在来種の
クワガタの1種で、日本在来種の中では
最も大きくなる種類である。

日本には他にもノコギリクワガタや
ミヤマクワガタなどがいるが、
オオクワガタは形が全体的に平べったく
色が真っ黒なのが特徴である。

ヒラタクワガタ、コクワガタなどの
クワガタとは親戚関係のようなもので
形によく似た部分があるが、
オオクワガタは非常に憶病な性格で
他のクワガタの様に積極的には
動き回らないと言われている。

それ故に自然界でも生息地域が限られており、
夏場に昆虫採取に行ってもなかなか
お目にかかれない種類でもある。

オオクワガタは数十年前にブームがあり、
その際には1匹で数十万円もの値段で
取引されたことから”黒いダイヤ”などと
呼ばれることもあったが、
今ではブリード方法がしっかりと確立されたことで
価格はかなり低下している。

とはいえ、カブトムシに比べると価格は
数倍以上の開きがあるため、
どちらかというと子供向けではなく
大人が鑑賞やブリード目的で飼育することが
多い昆虫である。

そんなオオクワガタであるが、
私は今時点で幼虫を30匹ほど、
成虫を20匹ほど飼育している。

ブリードをする人ならもっと数を
増やしている方が多いのだが、
私は自分が楽しんでできる範囲で飼いたいので
このぐらいの数で飼育し、
それ以外は知り合いを経由して販売している。

時々オオクワガタをブリードしていることを
人に言うと、
「それは副業としてしているんですか?」と
聞かれることがあるのだが、
正直副業としては全く成り立たない。

利益を何とか出せるレベルにできたとしても
それを事業化しようと思うと、
やはり圧倒的に数を育てなければならないからである。

そうなると趣味ではなく義務になるので
私は基本的に自分が鑑賞して楽しむためだけに
オオクワガタをブリードしている。

昨日はそんなオオクワガタの幼虫の
エサとなる土(マットという)を交換する日であった。

犬にエサをやるようにお皿にエサを入れるだけなら
全然問題ないのだが、
幼虫のエサを交換する作業はかなり骨が折れるのだ。

昨日は子供たちに朝食を食べさせた後から
作業をし始め、
実質準備だけで午前いっぱいかかってしまった。

骨が折れるとはいえ、やること自体は
極めてシンプルな作業の繰り返しなので、
作業をしながら私はふと
なぜ自分がオオクワガタのブリードを
好きなのかを考えてみた。

①オオクワガタがかっこいいから
まずは何といってもここに尽きる。
子供の頃に図鑑で読んで憧れていたオオクワガタが
自分の手元にいるだけでも嬉しいが、
やっぱり眺めているだけでもかっこいい。

鎧兜のような立派なオオアゴ
重厚な鎧のような真っ黒なボディ
そして、百戦錬磨の戦士のような
余裕のあるゆったりした動き

どれをとってもやはりかっこいいのだ。

②工夫次第でオオクワガタの出来が変わるから
一つ目の要素はどちらかというと
オオクワガタそのものの魅力であったので
極端に言えば店で買ってきて飼育しているだけでも
味わうことができる要素であった。

しかし、私はそのオオクワガタをブリードしている。

ではなぜブリードをするのかというと
それは工夫が結果に反映されるのが
楽しくて仕方ないからである。

冒頭のオオクワガタの紹介でも書いたように
オオクワガタは一時とても人気が出て、
高値で取引されていた。

これは自然界でめったに獲れないことが
一つの要因でもあったが、
もう一つがブリードする方法が
確立されていなかったからである。

ところが、今ではブリードに必要な
情報はしっかりと確立されており、
この要素さえ外さなければある程度立派な
オオクワガタを自分で育てることができるのだ。

私がオオクワガタのブリードをし始めた頃は
この定石通りの飼育方法でブリードして
楽しんでいたのだが、
ある時から少しずつ工夫を加えてみると
どう変化するのかを楽しむようになった。

どのような温度で管理すると大型化するか、
どのようなエサの配合にすれば幼虫が大型化するか、
小型でもかっこいい形の成虫を得るには
どのような育て方がいいか
血統ごとに適した管理方法は異なるのか
温度管理なしで育ててみるとどうなるか

生き物を育てながら”実験”などという言葉を使うと
何だか悪いことをしているように思うかもしれないが、
オオクワガタに負担にならない程度に
私は小さな変化を作ってその結果を
楽しみにしている。
ある意味毎年が実験なのである。

こればかりは実際に育ててみて
初夏に羽化するまでその結果が正しかったかは
わからない。

そのワクワク感がたまらなく楽しいのだ。

③色んな人に喜びを与えられるから
私はブリードを楽しむために一定の頭数しか
飼わないようにしていると書いたが、
毎年ブリードをしているとどうしても
数が多く取れてしまうものである。

余分な分は知り合い経由で昆虫ショップに
買い取って頂いているのだが、
実はそれだけではなく、知り合いの方に
差し上げることもしている。

どんな方にあげるかというと
当然ながら昆虫が好きな方である。

昆虫が好きな人は世の中では
マイノリティではあると思うが、
案外聞いてみると身近にいるものである。

子供の頃にカブトムシを飼育していて
クワガタに興味を持っていたけれど
飼育したことがないまま大人になった人は
案外多いからである。

そして、そのような方にオオクワガタの魅力を
理解してもらうために、
欲しいと言った方には
私は自身が育てたオオクワガタを差し上げている。

もちろん、どんな方にでも差し上げるわけではない。

カブトムシの飼育などで、
昆虫飼育の基本的な知識があり、
何よりも昆虫自身を大事にしてくれると
判断した人にだけ私はお渡ししている。

過去に何人もの方にそのような形で
オオクワガタを差し上げたのだが、
そのどなたも目の前にオオクワガタを見たときに
子供のようなキラキラした目で
眺めていたのがとても印象的であった。

自分が好きなものを相手に理解してもらい、
そしてその喜びを共有することは
何よりも嬉しいものである。

差し上げた方の喜びを思うと
新たな個体を育てていく苦労も
乗り越えられるものである。

今回の記事では私がオオクワガタの
ブリードがなぜ好きなのかという
極めて自己満足な内容を長々と書いたが、
実はこれには重要な意味があると
私は考えている。

なぜなら、自分が好きなものの裏には
自分がどのようなことに喜びを感じるかという
大事な部分が見えてくるからである。

なぜそれが大事かというと、
自分が喜びを感じることをすることこそ
私たちの人生のミッションだと思うからである。

私たちには全て個性があり、興味をもつものや
嗜好は人によって大きく異なる。

統率を取ると言う意味で考えれば
皆が同じような嗜好をもっているほうが
ずっと楽なはずなのに、
私たちは残念ながらそうなっていない。

これはまさに自分の好きなこと、
喜びを感じることをすることが
私たちのミッションだからではないだろうか。

好きこそものの上手なれと昔から言うが、
これは単純に好きだから上達するというだけではない。

好きなことをすることは自分のミッションだから
否応なく上達するようになっているのである。

今回の記事を書くことで私自身にとって
オオクワガタのブリードの何に
喜びを感じているのかを知るいいきっかけになった。

そして、その要素を満たすことを
仕事やプライベートで作っていけば
私はオオクワガタのブリードをしているとき以外にも
喜びを感じることができるであろう。

今はあまりしなくなってしまったが
かつてドハマリしていた釣りなども
掘り下げてみると色んな要素が見えてきそうである。

そろそろ3000文字を超えて長くなったので
今日はこのあたりで終わろうと思うが、
あなたもご自身が好きな趣味があるならば
一度掘り下げてみてはいかがだろうか。

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