自分とは明らかに違う視点で書かれた本

去年の12月に出版されてすぐに購入した本を
ようやく手に取った。

私は本を読むのが好きだが
”今日は小説を読みたい日”
”今日はビジネス系を読みたい日”
”今日はお金に関する本を読みたい日”
などと気分によって読みたい本が変わる。

なので、何冊か読みたい本をストックしておき
朝にどの本をカバンに入れるかを決めて
通勤時間に読むことにしている。

そんな中でようやく読み終わったのがこの本。

筆者の谷本真由美さんは
海外での経験が非常に長く、
イギリスの方とご結婚されて今はロンドン在住。

世界各国での就労経験があり
今ではこの本のような本の出版や
SNSでの発信などをされている方である。

そんな谷本さんが書かれたこの本は
タイトルの通り、シリーズ化されており
本書が5作目である。

シリーズ最初が出たのが2019年で
この頃はコロナ禍前。

1作目を読んだ時から面白いと思っていたが、
コロナ禍で私達がメディアから得られる世界の情報は
あまりに偏りがあると感じる中で
このシリーズでは日本以外の国(メインは欧米)からの
視点で色々な話題を提供してくれるので、
2~4作目もとても楽しく拝読させて頂いた。

最新作となる本作でも私達日本人にとっては
意外な情報がたくさん書かれており、
私個人としては過去4作よりも”面白い”と感じる内容であった。

その中で印象に残っているのが
AIに関する話である。

ここ数年でChatGPTが日本でも話題になっており、
実際に使ったことがある人も多いと思うが、
このAIはあくまで情報を収集してきて
それを言語化するというものである。

だが、世の中には正しくない情報や
不適切な情報が山のように存在している。

いくらAIに学習機能があると言えども
その中から適切なものを選ぶというのは
非常に難しい作業になるのである。

だが、あまりに不適切な情報が混ざってしまうと
ChatGPTの信用が下がり利用者が減ってしまう。

それではビジネスとして成り立たない。

そこで驚いたことに人手で検証などの
作業を行っているというのである。

その作業に尋常ではない工数がかかるのは
言うまでもない。

その労働がアフリカの国々などで
破格の値段で行われていると本書には書かれていた。

AIに対して私達は人間のような
完璧さを想像してしまいがちであるが、
実際にはまだAIは多くの人が介在しないと
成り立たないものであることを
如実に示すエピソードである。

そもそも私はテレビをほとんど見ないし
日本のメディアがAIに対してどのような報道の仕方を
しているのかはいまいちわからない。

しかし、少なくとも私が会社で話す人たちは
AIに対して先ほど書いたような
完璧なイメージを持っている人が多い。

2011年の東日本大震災、
そして2020年から始まったコロナ禍で
多くの人が日本のメディアの在り方にたいして
疑問を持つようになったと言われているが、
本書で書かれている内容は
まさに「なぜか日本のメディアが報道しないこと」
なのである。

もちろん、私はこの内容を鵜呑みにしてはいない。

ファクトに対して少なからず筆者の
解釈が入っているのは間違いないだろうし、
筆者が見ている世界も私達同様にそれほど広くないからである。

”イギリスに住んで、海外での経験が多い人からすると
世界はこのように見えている。”
という一つの事例として私は本書を読んだ。

だが、このように異なる視点を持った人の
発信を見ることができるのは
読書の楽しみであり、最大の学び要素だと思うのだ。

それはnoteも同じ。

自分とは住むところも境遇も年齢も違う人が
自身の視点で書かれた文章を読むことで
自分にはない考え方、視点に触れることができる。

ある意味noteは私にとって楽しみでもあり
大きな学びの場でもあるのだ。

私が読書を好きなのは、日ごろでは決して
お目にかかれない方の視点に安い値段で
触れることができるからなのであろう。

ホリエモンやひろゆき、落合洋一など
有名な人の視点も本ならば1000円ほどで
体験することができる。
(図書館ならば無料で体験できてしまう)

それはとても素晴らしいことではないだろうか。

今回紹介した本は筆者の目線で
事実として書かれた内容であるが、
非常に目から鱗が落ちるような内容が多かった。

間違いなくこれまで私が触れてきた視点とは
異なる視点で書かれている本である。

せっかく本を読むならば
自分とは明らかに違う視点を味わうのが
醍醐味ではないだろうか。

ぜひ興味があれば読んでみて欲しい。


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