凪の映画
最近妻が週1回の頻度でTSUTAYAに行っている。
プライムビデオもYouTubeもテレビで観れるので
わざわざTSUTAYAに行くのが不思議だったのだが、
どうやら漫画をレンタルしているらしい。
妻と息子が読みたい漫画を20冊ほど借りてきては
それをせっせと読んでいる。
先週末も妻はTSUTAYAに行っていたのだが、
その際に娘も一緒に行っており、
娘は見たかったDVDを1枚借りてもらったらしい。
その映画がこれ。
すみっコぐらしのアニメがあることは
何となく知っていたものの、
まさか映画まであったとは知らず
まずそこに驚いてしまった。
娘曰く、この映画はいまのところDVDを借りてしか
観ることができないので
楽しみにしていたらしい。
娘は以前プリキュアにハマっていた時期があり、
その頃には一緒に映画も観に行ったことがあるが、
大人が観てもそこそこ面白いものであった。
なので、すみっコぐらしの映画も
もしかすると面白いかもしれない。
そう期待しながら娘が観る際に
一緒に観てみることにした。
そもそもすみっコぐらしのアニメすら
観たことがない私にとっては
どんな感じのアニメなのかということすら楽しみに
観始めたわけであるが、
始まってすぐに驚きが待っていた。
このアニメ、驚くほどユルいのだ。
私が過去に観てきたアニメの映画は
それなりに動きがあり、
観ていて退屈するようなシーンは
そんなになかったのだが、
このすみっコぐらしはいい意味でずっと退屈さが
続いていく感じなのである。
もちろんストーリー自体はあるし、
それなりに感動するポイントも用意されているが
とにかく全体的にずっとユルい。
ずっといい意味で凪状態なのだ。
しかも、すみっコぐらしに出てくるキャラクターは
どれも話し声が出てこないので、
耳に入ってくるのは基本的にナレーションだけ。
映画自体は60分で構成されているものの、
休日の昼下がりに映画館でこれを観たならば
私は寝てしまう自信がある。
そんな映画であった。
ところが、娘はその映画を楽しそうに
ずっと観続けていた。
娘は私に似て少しせっかちな部分があるのだが、
そんな彼女からみても退屈ではないらしい。
気になって見終わった後、娘に
「あの映画、面白かった?」と聞くと
「めっちゃ面白いってわけじゃないけど、
観てて楽しくなるから好き」と言っていた。
以前に記事にも書いたことがあるが
現代の若者は映画を観る際に事前にネタバレ動画などで
予習してから観る人が結構いるそうである。
それは映画を観た際に感じる刺激を避けたいという
心理から来るものだと私は思っていた。
何事も安全を求めて昔に比べて
子供たちが日常で受ける刺激は少なくなり、
それ故に映画などでの刺激に対する耐性が
下がっていると考えれば、
あながちありえない話ではない。
そういう意味で今回観たすみっコぐらしの映画は
驚くほど刺激が少なく、
娘にしてみれば安心してすみっコぐらしの世界を
味わうことができたのであろう。
私にとって人生初のすみっコぐらし体験であったが、
日ごろセカセカと生きている自分には
たまにはこの映画をゆっくりと観るぐらいの
余裕が必要なのかもしれないと思わされた。
もし機会があればぜひあなたも一度
すみっコぐらしの世界に触れてみてはいかがだろうか。
そのユルい世界観の中に
今まで見えなかったモノが見えてくるかもしれない。