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5年前の自分と向き合う日

昨日免許の運転更新に行った。

私はこれまで無事故無違反なので
ゴールド免許を持っているのだが、
その恩恵である地域の警察署での更新は
平日の割と早い時間までしか受け付けてくれない。

そうなると日曜日にも開いている免許センターで
更新をするほか選択肢はない。

私の家から最寄りの免許センターまでは
車で1時間ちょいの距離。

実質免許の更新だけで午前中がつぶれてしまうが
こればかりはどうしようもない。

朝から車を走らせて免許センターで
5年ぶりになる免許更新を行った。

到着すると既にそこには長蛇の列があり
数年前に言われたソーシャルディスタンスも何も
あったものではない。

そこに並び、お決まりの手順をこなし
免許の更新手続きを進めていく。

最後の講習の前に私は写真撮影の列に並んだ。

免許センターで撮影される写真は
自分で納得いかない仕上がりになるような
補正がかけられているのか、
はたまた、写りを悪くする妖怪でも潜んでいるのか
これまでいいと思った写真だったことは
一度もない。

そう言えば5年前も仕上がった免許証を見て
何だかイヤな気持ちになったものである。

私は撮影待ちの長蛇の列に並びながら
5年前の自分の写真を見返した。

出来上がった当時はとても納得いかなかった
この写真ではあるが、
流石に5年間も色んな所で提示してきたので
見慣れてきてもはや違和感もない。

納得いかない仕上がりとは言いながら、
客観的に眺めた自分はこんな感じなのだろう。

この5年間で少しずつ私は写真の中の自分を
受け入れられるようになってきたのかもしれない。

そうしてようやくしっかりと受け入れたと思ったら
また新しい写真になってしまう。

なんだかそれはとても寂しいような気がした。

写真撮影が終了したらこの免許証ともサヨナラなので
5年前の自分に別れを告げるような気持ちで
眺めていると、
ふとあることに気が付いた。

5年前の自分が免許更新の時に着ていた服は
まさに昨日私が来ていた組み合わせと
全く同じだったのである。

ワッフル生地のグレーのパーカーに
薄手のダウンを羽織った姿。

免許証なので流石に下に何を履いていたのかは
わからないが、
間違いなくこの組み合わせなら下は色の濃い
デニムを合わせているであろう。

驚いたことに5年前の私は今と全く同じ
服を着ており、
着る服のルーティンは基本的に今も
変わっていなかったのである。

免許更新の時期は誕生日前後の1か月に
限定されているので、
私の場合は大抵12月中旬から後半にかけた
この時期に更新をする。

寒くはあるもののまだ比較的薄めのアウターでも
問題ない時期なので、
似たような着回しになるのはわかる。

とはいえ、5年間も自分が同じ服を着ていたとは
正直驚きである。

もしかするとちゃんと見返してみれば
もう少し前から同じ服を着ているのではないか。

家に帰ったら過去の写真を見て
いつから私は今の服のルーチンを続けているのか
確認してみよう。

そんなことを思っていると
私の撮影の番がやってきた。

見慣れた免許証を係員の方に渡し、
私は新しい写真を撮影した。

この瞬間がこれから5年間写真として残る。

5年後の私はこの写真を見てどんなことを
思っているのだろうか。

そう思いながら撮影した写真は
結局今回も見事に納得いかない仕上がりであった。

免許証の更新は面倒だし、正直時間の無駄だとは思うが
こうして5年前、5年後の自分を思うことができる
いい機会なのかもしれない。

そんなことを思う半日であった。

ちなみに家に帰ってから過去の写真を見返してみると
私は7年前には既に今の服のルーチンを
決めていたらしい。
(もしかするとそれより前からかもしれないが)

これは下の娘が生まれた時からまともに服を
買っていないということであろう。

もしかすると5年後の自分が今回の写真を見ても
同じことを思うのかもしれない。

私のような人が増えれば増えるほど
繊維業界が儲からなくなるわけである。

アパレルではないとはいえ、繊維業界の一員として
少し反省したのはここだけの話である。


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