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想像を超えるかき氷

昨日は珍しく息子のサッカーが休み。

午前は娘をピアノに連れて行ったが
それが終わってからは久々に
何も予定がない状態であった。

私としては子供たちの送り迎えを気にせず
ゆっくりとできる好機だと思っていたのだが、
妻はそうは思わなかったらしい。

せっかくできた時間なので
どこかに出かけたいという。

とはいえ、娘がピアノに行くまでの間に
部屋の掃除をしたり
布団を干してシーツを洗ったりして
結構疲れがたまっている実感があったので
少し昼寝をさせてもらってから出かけることにした。

30分ほど昼寝をして午後2時になり
いざどこへ行こうかという話をすると
とあるかき氷屋に行きたいと妻が言い出した。

実を言うと私はかき氷がそんなに好きではない。

別に嫌いではないのだが、
わざわざ高いお金を出して食べるほど
美味しいと思わないし、
言っても氷なので家でも機械さえあれば
作れてしまうもののような気がするからである。

なので、内心嫌だと思いながらも
このような時にネガティブなことを言うと
間違いなく妻は怒る。

休日のせっかく何も予定がない日に
無駄な争いはしたくない。

そう思い、私はしぶしぶながら了承した。

息子も私と同じ気持ちだったのであろう。

わざわざかき氷を食べに行くことに
難色を示したものの、
ここでうまく説得するのが私の仕事でもある。

何とかなだめて店に連れていくことにした。

幸い、その店は私達が住む町の市内にあり、
車で10分もかからない場所にあるという。

この町に住み始めて10年以上になるが
そんな店は聞いたことがないので
聞いてみると、昨年オープンしたらしい。

車を走らせるとほどなくしてお店に着いた。

このあたりはしばしば通ることがあったのだが、
一本中に入った道にあったため
全く気が付かなかったらしい。

仮に店だと気が付いたとしても
美容院だと勘違いするようなオシャレなお店の
扉を開くと、こじんまりした店内が現れた。

早速メニューを見て店内のマダムに注文すると
先客がいなかったため、
すぐにかき氷の準備を始めてくれた。

とはいえ、かき氷なので
屋台でよく見るような機械が置かれており
シロップをかけるだけの代物だと
私は想像していたのだが、
どうやら中の様子をうかがっていると
そうではないらしい。

氷は氷でも最初から味が付いた氷を
削るスタイルらしいのだ。

私達が頼んだのは3つの味。

それぞれの氷を冷凍庫から取り出し、
屋台では見たことのないような
珍しいタイプの機械で削っていく。

そして、それぞれの氷に
果物などをトッピングしていくので
想像していたよりも時間がかかる。

何だか私が想像していたものとは
かなり違うらしいと思いながらも、
所詮はかき氷だろうと心の中で思っていた。

完成したかき氷をマダムが私達のもとへ
運んでくれたのだが、
それを目にして私は驚いた。

氷の形状がまるきり私が知っている
かき氷と違ったからである。

残念ながら写真を撮っていないので
上手く伝わるかはわからないが、
その見た目はかき氷というよりも
インドなどで食べられるとても長い米を
寄せ集めたような雰囲気であった。

この見た目からして食感も私が知っている
かき氷とは違うはず。

そう思いながら早速救って口に入れると
やはり想像とは全く違っていた。

口の中で溶ける感覚は間違いなくかき氷なのだが、
口に入れて噛んだ時に感じる
ギシっという感覚はなんとなく
米を食べているかのような感じだったのだ。

かといってしつこいわけではなく、
口どけがあるので後味はサッパリしており、
結構量が多いと思っていたのに
あっという間に食べてしまった。

先ほども書いたが私は正直
かき氷が好きではなかったが、
このかき氷は間違いなく美味しいと思ったし、
また食べに来たいと思える満足感であった。

正直自分が住む町でこんな経験を
するとは想像していなかったので
そう言う意味では2重で予想を裏切られた
経験であった。

実は自分の身の回りにも
想像を超えるようなモノが
沢山存在しているのかもしれない。

それを想像だけで「そんなもんだろう」と
決めつけるのはあまりにもったいないことである。

かき氷が好きではないという”いいわけ”で
この店に行っていなかったならば、
こんな出会いはなかったであろう。

店に着いてから聞くと妻はつい先日もこの店で
テイクアウトをしていたらしい。

こんなに美味しく食感も違うのであれば
最初からそのように言ってくれればよかったのに。

あえて黙って連れていくとは”ズルい女”である。

え?シャ乱Qはもうええって?

それは失礼。

久々にこんな経験をして
ついついテンションが上がってしまった。

まさに私はスーパー⁉テンションズである。

お後がよろしいようで。

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