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経験は〇〇しないと邪魔になる

「経験が邪魔をする」

昔に流行ったGlobeの
「Face」という曲の一説である。

私は社会人になって時々、
この歌詞が頭に流れることがある。

会社員として働いていると
一度は「それ、ちがうんだけどな」と
思いながらも話を聞くことはあるだろう。

そのような場合にいつも私の頭に
このフレーズが流れてくるのだ。

私たちにとって経験とは
何物にも代えがたい大切なものである。

これは誰も疑う余地はないだろう。

こうして私がnoteで発信できるのも
自分に経験があるからこそであるし、
仕事においても経験があるからこそ
スムーズに回すことができるのは事実である。

ところが、その経験が邪魔になってしまう
シチュエーションとは一体何なのだろうか。

それは経験のアップデートが
止まってしまうからである。

先日こんなエピソードがあった。

私が商品開発案件の一覧と進捗を
関連部署に説明していた時のこと、
とある課題点について話したあたりで
一人が話し始めた。

その人は定年を過ぎて嘱託で
雇用されている方である。
当然社歴も長く、経験は豊富な方だ。

その人がその課題に対するアプローチについて
アドバイスをくれようとしているのは
とても分かったのだが、
話を聞いていると、どうやら話が
食い違っているように感じられたのだ。

どうやら昔に検討した結果は
そうであったらしいのだが、
当時と今では得られている情報も違い
当時の仮説は間違っていたことが
既に証明されている。

しかし、その人のアドバイスは
昔の検討結果をベースとして話をしているので
話に食い違いが生じてしまったのだ。

その人は間違いなく経験は持っている。
しかし、その経験が今の時代に
合わなくなっていたのだ。

これこそまさに経験が邪魔をする
エピソードではないだろうか。

結局私はその人の話を全て聞き、
一旦受け入れたうえで
今得られている試験結果から
その提案が成り立たないことを
やんわりと説明したのだが、
その人からすれば面白くなかったかもしれない。

なぜならその人は自分が持つ経験に
自信を持っているかもしれないからだ。

これは自分にとって武器だと思っていたものが
ふいに単なる棒だと指摘されたような
ものである。

ではこのように経験が邪魔をしないように
するためにはどうすればいいのだろうか。

やはり、経験をアップデートし続けないと
いけないのだ。

何度もいうが経験は貴重なものである。
そこは全く疑う余地もない。

しかし、経験は時代の変化と共に
古びていくものでもある。

いわば賞味期限があるのだ。

中には乾物のように賞味期限がない
普遍的な経験もあるのだが、
実際全ての経験には賞味期限があると
思うぐらいでちょうどいい。

一度得た経験が古びてきたならば
それを一度飲み込んだうえで
新しい経験を上書きしなくては
ならないのだ。

こうすることで私たちの経験は
価値を保ち続けることができる。

よく”頭の固い人”と言われる人がいるが
その人はこの経験の上書きが
しにくい人のことである。

こんなことを書いている私も
既に古くなっている経験が
あるだろう。

私たちは誰も自分が持っている経験の
一覧など持っていないので、
それが古くなったかどうかを
知るすべがないのだ。

ではどうすればいいかというと
学ぶことである。

学ぶことで自分の経験が
古くなっていないかを常に
照らし合わせ続けるしか
私たちが自分の常識の古さに
気づく方法はない。

社会人こそ学ばなくてはいけないと
よく言われるが、
これには経験を常にアップデートするという
大切な目的がある。

学ぶことで頭を柔らかく保ち
アップデートをし続けることが
何よりも大事なのだ。

そうすることで私たちの経験は
鋭さを保ち、武器として使うことができる。

あなたの経験はちゃんと鋭さを
保てているであろうか。

自信がないならば、ぜひ一度
学びの砥石で研ぎ直してみては
どうだろうか。



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