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色んな文章を書く人が世の中にはいる
今年の初め頃から息子が地域のサッカークラブに
入って活動するようになった。
決して強いチームというわけではないが、
チームに入って仲間と切磋琢磨しながら
サッカーをすることは間違いなく彼にとっても
プラスの経験になるだろう。
親としては大変なことも多いが
それも息子の成長のためと思い受け入れている。
息子が所属するクラブはそれほど親の負担が
大きい方ではないらしく、
基本は子供自身に何でもさせるというスタンスである。
とは言え、彼らはまだ小学校中学年なので
親がサポートしてやらねばならないことも多く、
子供たちが聞き逃している情報がないか、
保護者が決議しなければならない事案がある場合に使う
保護者同士のLINEグループがある。
このようなLINEグループは大抵女性が参加することが多い。
というより子供のサッカーの試合で面倒を見るのも
基本的にお母さんばかりである。
ずっとお父さんだけが来るのは我が家ぐらい。
周りの保護者からすれば何だか少し浮いてしまうが
これが我が家のスタンスだから仕方ない。
しかしLINEグループに一人お父さんが入るのも
何だか違和感である。
そこで、LINEグループの対応は妻に任せ、
私は実動部隊として我が家のフォーメーションは
固まっていた。
そんなLINEグループであるが、時々決議事項についての
内容が来たときには妻が私にその文面を
転送してくれる。
だが、そこに書かれた文章をみると
私は違和感を覚える部分が必ずあるのだ。
例えば、7月の3連休に急遽練習試合の打診が
他チームからあった時に参加の可否を問う内容が
送られてきたときのこと。
突然のオファーなので断ることは全然問題ないとの
内容が書かれていたのだが、
「もう予定を入れられてる人もいると思うので」
という意味合いで
「もぉ予定を入れられてる人もいると思うので」と
書かれていたのである。
最初私はこれを急いでタイピングしたために起こった
誤植であると解釈していた。
だが、スマホのフリックで操作したとしても
「もう」が「もぉ」とはならないだろう。
「もお」なら理解できるが、「もぉ」と
この書き方なら「お」を小文字に変換しなくてはならない。
つまり、この文章を書いた人が故意にこの書き方を
選択したということである。
いわゆるギャル文字というのは私が学生時代にも
流行した時期があった。
当時はガラケー全盛期だったので、
メールのやり取りの中で文面を柔らかくするための
方法の一つとして生み出されたものだと
私は解釈していたのだが、
それと同じように堅い印象を軽減するために
この発信者はギャル文字を使っているのだろうか。
しかし、この発信者は間違いなく私と同世代である。
20年前ならまだ使うのも理解できるが、
今でもそのような使い方をするのだろうか。
とても不思議だったので妻に聞いてみたが
妻の回答はNoであった。
よほど親しい人の間なら一部そのような言葉を
使う人もいるかもしれないが、
このLINEグループはあくまで保護者同士の
情報交換のためのものである。
別に旧友の親交を深めるためのものではない。
とても不思議だが、中にはそのような言葉を
使う人もいるのだろう。
その疑問を心の引き出しにしまい
私はその日眠りについた。
その経験から約1か月ほど経った先日。
またしても妻からLINEの転送があった。
内容はまたしても保護者達で決議を取るものである。
その内容を見て私は妻に返信をしたのだが、
一つだけどうしても引っかかることがあり、
妻にこのメッセージは誰が発信したものかを聞いた。
するとそのメッセージはAさんからのものだという。
Aさんの奥さんとは試合や練習の送り迎えで
何度か顔を合わせたことがあるが、
恐らく私より少しだけ年下で、
落ち着いた雰囲気を持っている方である。
一度子供を迎えに来たときに事務服姿で
来られていたので、
恐らくどこかの会社で事務作業をされているのであろう。
ヤンチャそうな保護者の方が時々いる中で
Aさんは自分たちに比較的近い存在だと
私は勝手に思っていた。
だが、そのAさんが書いた文面にも
不思議な言葉が一点あった。
それは「いう」を「ゆう」と書いていることである。
これも最初は誤植なのだろうと思ったが、
その文面の中には2度「いう」が出てくる箇所があり、
その2か所とも「ゆう」が採用されていた。
これは間違いなくAさんが故意に
書いた言葉ということである。
人がどんな言葉を書こうとそれを他人が気にする必要など
どこにもない。
それは書いた人のタスクであるからである。
しかし、同じくそれを受信した人が感じる気持ちは
受信者のタスクである。
私は正直に言うと、このような書き方に出会うと
何だか幼稚な印象を受けてしまう。
だが、たまに転送されるだけのメッセージですら
そのような要素が含まれているということは
日常的に彼女らのやり取りにはそのような言葉が
使われているということである。
つまり、彼女らにとってはこれが
日常的なやり取りに使う言葉なのではないだろうか。
そう思うと、これらの言葉に違和感を持つ
私たちの方が硬すぎるのかもしれないが
私が勝手に想像するに、
こうしてこの記事を読んでくださる人の多くは
私と同じ側の方であると思っている。
人が使う言葉についてどうこういうわけではないが、
世の中には言葉に対する感覚が自分と違う人が
案外多いのかもしれない。
そんなことに気づかされるエピソードであった。
私は私らしい少し堅めの言葉で
これからも文章を紡いでいきたいと思う。
こんな堅物の文章をいつも読んでくれて
ありがとうございます。
ちなみに妻に見せてもらったLINEグループでは
皆アカウント名が誰が誰か全くわからなかった。
こんなやり取りをするLINEグループぐらい
本名でいいんじゃないのかと思う私は
やはり堅いのであろう。