見出し画像

妙なこだわりにご用心

私は商品開発の仕事をしている。

仕事柄色んな業者さんに出入りするので
基本的に作業着に安全靴を履いて仕事をする。

先日のこと、
はき始めて数年になる安全靴が傷んで
そろそろ限界になってきたので
新しい安全靴に履き替えることにした。

私がずっと履いていた安全靴は
私の私物であった。
工場には出入りすることがあるものの
商品開発が危険作業をすることは
基本的にありえないので
安全靴は支給ではなかったからだ。

今回も自分で買おうかと思っていると
どうも社内ルールが変わり
総務で手配してもらえることになったという。

これはありがたいと早速手配を依頼した。

そして新しい安全靴が到着したのだが、
これが驚くほどハイスペックな
安全靴だったのだ。

私が従来履いていたのは革靴タイプの
”いかにも安全靴です”というもので
靴自体もかなり重く、硬いものだった。

しかし、今回来たものは有名メーカーの
スニーカータイプである。

私が自分で購入したものの2~3倍の値段は
するであろう高級品である。

早速履こうと持ってみると
重さも従来のものとは比べ物に
ならないぐらい軽い。

履いてみても違いはまさに歴然であった。

これまでなぜこんなに重くて
履きにくいものを当たり前のように
履いていたのか理解できないぐらいに
快適な安全靴だったのだ。

そうして思い返してみると
私はこれまで武骨な安全靴に
奇妙なプライドを感じていた。

”安全靴といえばこれでしょ”という
妙なこだわりが私を今まで
快適な世界に入ることを拒否してきたのだ。

しかし、その妙なこだわりを手放してみると
劇的な変化があった。

履き始めて初日ではあるが、
実際作業をしてみてもその効果は歴然で、
明らかに社内を歩いた際の
疲労感が従来よりも軽い。

疲労感は数値では測れないが
同じ労働をしても疲労感が少ないのは
作業性の向上にもつながる。

作業性が向上するならば本来
投資すべき箇所だったのではないだろうか。

妙なこだわりは何の生産性も生まない。

何事も生産性や利益だけを優先して
物事を決めろというわけではないが、
一度妙なこだわりを捨てて
違う方法を試してみることの大切さを
今回の安全靴で実感した。

あなたは妙なこだわりで
新しい道をふさいでしまってはいないだろうか。

今の時代、無数の選択肢が目の前にはある。

沢山ありすぎる選択肢ゆえに迷ってしまうが、
その選択肢を妙なこだわりで最初から
ふさいでしまうのはあまりにもったいない。

一度その妙なこだわりを除去して
違う選択肢を試してみてはどうだろうか。

かつてはNGと言われたスーツにリュックは
今や当たり前になったし、
スカートにスニーカーも今では違和感はない。

世の中の常識すらこれだけ変化しているのだ。

こだわりもフレキシブルに変化させても
いいのではないだろうか。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集