意外なコンプレックスに気が付いた話

妻は一般的に見れば背が高い部類に入る。

どうやら163㎝あるらしい。

私はこれまで妻の背が高いことを
あまり意識したこともないし、
妻に言われるまでそんなに身長があることを
知らなかった。

昨日何気なく妻と話をしている際に
妻の職場にいるMさんの話題になった。

そのMさんは元々派遣社員として入社したあと
数年前に正社員になられた方で、
私も過去に1度だけお見かけしたことがある。

そんなMさんは時々妻の話題に出てくるのだが、
どうやらMさんは職場の人たちから
「○○ちゃん」というニックネームで呼ばれ
職場でとても可愛がられているらしい。

その反面、妻はMさんよりも職歴は長いのに
そんな風に可愛がられることもなく
淡々と業務で話す程度だという。

昨日の話題の中でもMさんが可愛がられていることに
どこかで嫉妬しているような感じを受けたので、
「なんでMさんは可愛がられるんやろうな」と
あえて聞いてみることにした。

過去に私がMさんをお見かけしたのは
妻の会社のイベントが開催されたときで、
Mさんもご家族で参加されていた。

そして、Mさんは驚くほどニコニコと
愛想がいい印象であったのだ。

なので、彼女の機嫌がよさそうな笑顔と
話し方が可愛がられる要因だろうと
私は思っていたのだが、
妻の答えは「背が低いから」というものであった。

確かにMさんは背が低かった気がするが、
そんな理由は微塵も考えていなかった私は
面食らってしまった。

自分と同じ男性で身長を気にしている人は
過去に何度か会ったことがあるし、
私も欲を言うならあと5㎝程だけでも
高ければよかったと思っていたことがある。

その反面、女性はあまり身長を気にしていないのかと
思っていたのだが、
それは大きな間違いだったらしい。

恐らく妻は自分の身長が高いことが
コンプレックスらしく、
それゆえに職場の男性に近寄り難いと
感じさせていると思っているようであるが、
私としては決してそんなことはないと思った。

とはいえ、「それは勘違いだ」などと
頭ごなしに否定すると
妻も反論したくなってしまうであろう。

改めてMさんがどんなキャラクターなのか、
その中のどこに周りに慕われる要素があるのかを
一緒に考えてみようと提案してみた。

結果として、妻もMさんが可愛がられる要因は
身長が低いことではないと納得してくれたので
何とかこの議論を終えることができたのだが、
これまで知らなかった妻のコンプレックスが
見えた貴重な機会であった。

実は身近な人にも家族にわからないように
密かに抱えているコンプレックスが
あるものなのかもしれない。

よく考えてみれば自分自身が一体どんな
コンプレックスを持っているのかすら
ちゃんと意識してみたことがない気がする。

一度自分がコンプレックスに思っている部分を
書きだしてみても面白そうである。

あなたにも意外に思われるコンプレックスがあれば
コメントで教えて頂けると嬉しい。

ちなみに私は子供の頃から足があまり速くないことが
コンプレックスだったのだが、
この歳になって息子たちや同世代の人と走ると
どういうわけか私の方が圧倒的に走れるようになった。

コンプレックスに思っていることの中には
知らぬ間に解消しているものも
案外多いのかもしれない。