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「娘に甘い」は本当なのか?

先日息子の所属するサッカーチームのコーチと
何人かの保護者と一緒に
何気ない雑談をしていた時のこと。

そのコーチはいわゆるパパさんコーチで
息子さんがうちの息子と同級生。

趣味の釣りの話などをしている時に
ふと子供の話になった。

するとそのコーチはこんなことを言った。

「僕ね、K(その人の息子)には厳しいんですけど、
H(その人の娘)には激アマになっちゃうんですよ」

するとその場にいた他のお父さんも
同じように「確かに娘の方が甘やかしてしまう」と
同調していた。

私にも息子と娘がいるが、
娘を取り立てて甘やかしているという認識はない。

だが、よく思い返してみるとどうだろうか。

我が家の場合は上が男で下が女という構成で
年齢が4学年離れているのもあり、
下の子として娘を甘やかしているという
側面はあるかもしれない。

だが、過去には「パパは娘ちゃんにデレデレやね」
などと言われたことがあるが、
息子に対してはそのように言われたことはない。

もしかすると私も彼らと同じように
無意識のうちに娘を贔屓していたのだろうか。

そんな考えが頭にグルグルと渦巻いていたものの
特に答えが出ないまま先日の川遊びイベントを迎えた。

そのイベントにコーチは娘さんも連れてこられており、
これはコーチが「激アマ」と言うレベルが
どの程度なのかを見るチャンスと思いながら
私は時々その様子をうかがっていた。

ところが、コーチの様子を見てみても
取り立てて息子さんと娘さんで態度の差があるようには
見えないのだ。

ちょうどこの会にはコーチの意見に同調されていた方も
いらしたので、
その方が娘さんに対する態度も見てみたが
別に特別な感じはない。

色んな人がいる場なのでいつもと少し
振る舞いが変わっているのかもしれない。

そう思いながら私の小さな検証を終えようとしたとき
ふとコーチの様子を見ると
娘さんがコーチの手を握り、その手に頬をつけて
「とうちゃん、楽しかった。ありがとう」と
言っていたのだ。

大きく表情を崩しはしないものの
ニンマリするコーチ。

下の子供の特徴なのか、女子の特徴なのかは
わからないが、
うちの娘も息子に比べると愛情表現が
とてもストレートな気がしている。

息子は小さいころから自ら
スキンシップを求めに来たことはあまりない。

だが、娘は小さいころから明らかに
スキンシップを求めにくるし、
平たく言うならばとても甘え上手な感じがする。

私達親はそのストレートな愛情表現を
どうしても好ましく思ってしまうものである。

個人的には不器用な感じの息子から
稀に発せられる感謝の言葉などは嬉しいものであるが、
娘のストレートな感謝の言葉や手紙などは
やはり嬉しい。

この違いが男女の違いによるものならば
娘さんを贔屓してしまう気持ちというのは
ストレートな愛情表現に対する返報性のような
ものに起因するのかもしれない。

そんなことを思いながらその日は帰路についた。

帰路の車の中では一瞬で眠りに落ちた息子であるが、
家に帰って妻に楽しかったかを聞かれたときに
「信じられんぐらい楽しかった。」と言っていた。

彼のことだから
「パパ、連れて行ってくれてありがとう」などと
いう言葉は出てこないだろうが、
息子の言葉にはなんとなく感謝の気持ちが
含まれているような気がした。

愛情表現に不器用な息子も味があっていい。

次から同じような議論になった際には
「私は息子にも娘にも激アマなんです」と
答えようと思う夏の夕方であった。

ちなみに娘は誰に教えられたわけでもないのに
とても小まめに「ありがとう」という言葉を
小さいころから言うようになった。

娘があまりに色んな事に感謝を述べるものだから
親が言わないのもおかしいと
密かに意識して「ありがとう」を小まめに口にしているのは
ここだけの話である。

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