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ふるさと納税にモヤるのはなぜか

あなたはふるさと納税をしているだろうか。

我が家では数年前からやっており、
返礼品で牛肉などを頂いて
何かの折にそれを食べるのを楽しみにしている。

だが、私は毎年このふるさと納税をするたびに
何だかモヤモヤするのである。

ふるさと納税でやっていることが何なのかは
理解はしている。

応援したいと思う自治体を選び、
そこに納税をするという仕組みで、
納税のお礼として自治体は返礼品を
納税者に提供する。

そして、その納税に対して確定申告すれば
収入に応じた額まで控除を受けることが出来る。

そんな仕組みである。

本来この仕組みは自ら納税しているわけなので、
むしろ自治体に貢献できる
素晴らしい活動のはずである。

だが、私は毎年妻に言われるまで
自分からやろうと思えないのだ。

それはなぜか。

何だか返礼品を目当てにECサイトで
どの自治体にするかを選ぶのは
カジュアルにしすぎな気がするからである。

納税するということは
本来その自治体に何らかの期待をするからこそ
するべきものだと私は思っている。

今私が住んでいる自治体に私は住民税を
納めているが、
それも少しでも過ごしやすい街として
運営してほしいと思っているから
特に文句もなく支払い続けているし、
所得税に関しても同じような気持ちで
支払っている。(勝手に引かれるだけだが)

だが、ふるさと納税はその自治体に対して
なんの縁もゆかりもないにもかかわらず、
返礼品だけを目当てに納税をする。

その場所がどんなところで、
その税金がどのように使われるのかは
用途を指定できるものの、
実際に自分が納税したことでその自治体が
どのようになったのかはこれまで
全く見たことがない。

大抵の場合は返礼品を受け取った時点で
自分がその自治体に納税したことすら
忘れてしまう。

だが、それは本来オカシイと思うのだ。

これは株式投資も同じである。

毎年配当がいいからその会社の株を
保有していたり、
株価が上昇しそうだからその会社の株を持つことは
投資ブームの今、多くの人がしていることだろう。

だが、本来株式投資をする際には
自分が投資したお金がその会社で
どのようなことに使われ、
そして、世の中にどのような影響を与えるのかを
しっかり見るべきだと私は思っている。

例えば株価が上がっているからという理由で
とある重工業の株を購入したとする。

それによって配当も得ることができ、
売買をすることで利益が出たとしよう。

だが、その会社が軍需産業として兵器を
大量に輸出していたとすればどうだろうか。

自分が投資したお金が結果として
人を脅かしたり殺したりすることに
使われているということになる。

確かに投資をすることで配当は得られるし、
ミクロな視点で見てみれば得をしているが、
少し目線を離して全体を見て
それが本当に世の中にとって役に立つと
自分が思えるかどうかを
考えてみるべきではないだろうか。

そうして考えながら皆がお金を使うと、
お金には人々の想いが乗って
世の中にもっと活気が出てくると
思うのだ。

この会社のポリシーがとても気に入ったから、
この会社の事業は未来につながるから、
このような気持ちで皆が投資先を選ぶと
当然ながらそのような指示を集める会社の株価は
上がっていくので、
投資する人にも利益が生まれるだろう。

ふるさと納税も株式投資も
目先の利益に目が行き過ぎて
数字のゲームの様になってしまいがちだが、
大事な部分は外してはならないと私は思う。

今年も妻に言われて渋々ふるさと納税先を
決めた私であるが、
少なくとも今年納税した自治体がどんなところで
どんな状況なのかは調べてみようと思うし、
何ならいける範囲で行ってみようと思う。

ごく少額ながら自分が行った納税が
どのように活きたのかを見ることも
納税者の大事な仕事の一つであろう。

先日会社の活動の一環として
私が主導となって募金活動を呼び掛けたのだが、
多くの人に理解してもらうために
その活動の意義や募金することで得られるものを
資料に書いたり、説明したりしていると
自分でも理解していなかったポイントに
色々と気が付いた。

お金に想いを吹き込むのは難しくもあり、
とても面白いことなのだと
この歳になってとても実感するようになった。

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