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年末にビビビと来た話

昨日家族でブックオフに行った。

本当の目的地は別の場所なのだが、
その途中でブックオフに寄って欲しいと
妻が言ったからである。

では妻は何がしたかったかというと、
使わなくなった子供服と漫画を売りに
行きたかったのだという。

私からしてみればサイズアウトした子供服は
知り合いの子供にあげるか、
そうでなければ捨てればいいと思うのだが、
妻はどうもそれが嫌らしく
ずっとクローゼットの中にしまっていた。

だが、当然子供たちが大きくなるにつれ
それも限界になってくる。

最近あふれかえった子供服を
どうにかしようと話し合ったところ、
ようやく一部を売りに出すことにしたわけである。

我が家から最寄りのブックオフは
本以外に買い取りをしてくれるオフハウスも
併設されている店舗なので、
ここであれば要らなくなった漫画とともに
売りに出せる。

車を走らせ店に着くと、私達は早速買い取りカウンターに
買い取り依頼をした。

年末ということもあるのか
渡された番号札と今呼ばれている番号を聞くと
数組の待ちがいるらしい。

仕方がないので私は子供たちと店内を
見回りながら待つことにした。

子供たちと売られているものについて
アレコレと話をしていると、
ふと中古の靴コーナーに差し掛かった

私は昔古着が好きだった時代があるのだが、
その頃から中古の靴を買うことに
大きな違和感があった。

靴は洗濯ができないからである。

誰が履いたかわからない靴を履くのは
何となく気持ち悪い気がする。

そんな風に思っていたので、
昔から中古の靴に手を出したこともなければ
そもそも中古の靴コーナーに
買おうという目線で近寄ったことすらなかった。

だが、昨日は単なる時間つぶしのために
ウロウロしていただけなので
私は何も考えずに子供たちと靴コーナーに
迷い込んでいたわけである。

何気なくそこに並べられた靴を見ていると、
ふと私の目にとある革靴が目にとまった。

至ってシンプルなデザインなのだけど、
少しだけ飾りステッチが入った真っ黒な革靴。

若干の使用感はあるものの、
靴底もほとんどすり減っていないし、
手入れをされていたおかげか革の状態も
悪くない感じである。

私は若干足が小さい部類なので、
このようなコーナーに行けばパッと見ただけで
私の足に合わない靴はわかるのだが、
その靴は不思議なほど自分にピッタリと
ハマるきがしたのだ。

木村拓哉よろしく子供たちに
「ちょ、待てよ」と言いながら←ウソ

私はその靴をフィッティングしてみることにした。

すると思った通り、驚くほど私の足に
ピッタリだったのである。

シンデレラを探しにきた大臣ならば
「この方こそ王子様のお相手じゃ」と
目を見開いて感嘆しそうなほどである。

しかも、その靴はちょうど昨日私がはいていた
ピッタリしたデニムにとても合っていた。

この靴ならばビジネスでも履けるし
カジュアルでも合わせられる。

日ごろ私は衝動買いなどしないし、
ましてや中古の靴は購入対象にすら
入っていなかったのに、
どういうわけかこの靴には
松田聖子のようにビビビと来てしまい
私はそれを購入してしまった。

それと同時に久々に自分から何かを欲しいと思って
モノを購入したことに
私は何だか嬉しくなった。

ここ最近服を買いに行く機会がめっきり減り、
自分に合うものがわからなくなっていた私は、
何かが欲しいという感覚よりも
サイズ感が合っていてキレイに着れる服を
探すことばかり意識を向けていた。

だが、昨日は久々に自分がそれを履いた姿を
具体的に想像して、
その上で自分が欲しいと思うものを買うことができた。

何だかそのプロセスがとても久しぶりで
嬉しかったのである。

そんなことを思っていると、放送で私の番号の
買取査定が終了したとの連絡があり、
私はカウンターに向かった。

売った漫画は二束三文の値段しかつかなかったが、
嬉しい気持ちの私はそんなこと気にならず、
即決で売ることを回答した。

お金を受け取り、妻の様子を見に行くと
ちょうど妻もオフハウスの買い取りカウンターで
店員さんとやり取りをしているところだった。

ところが、妻の手には持ってきたはずの
大量の子供服が握られていた。

聞くと、ほとんどの服が買い取り価格が
つけられないものだという。

私ならそれでも引き取って欲しいと
お願いするところだが、
妻はどうにもそれが許せなかったらしい。

結局手放したはずの大量の子供服が
我が家に舞い戻る結果になってしまった。

仮に無料で手渡したとしても
次に店舗でその服を見た人が私のように
ビビビときて嬉しい気持ちで購入するかもしれない。

そんなことを妻に言おうとしたが、
そんなことをいうと
「あなたはモノに思い入れがなさすぎる」と
言われてしまうだけである。

結局妻が持つ子供服を車に乗せて
次の目的地までハンドルを握る私であった。

それにしても2024年も終盤に
こんなビビビが待っているとは思わなかった。

今日にでも早速手入れをして、
コイツを履いて出かけてみようと思う。

ちなみにこんな記事を書くと靴を沢山持っている人だと
思われるかもしれないが、
私は靴も最低限しか持たない主義である。

実質私が持っているのは
定番の白スニーカー、運動用の黒ランニングシューズ
茶色の革靴、黒の革靴
この4足だけである。
(今回買ったものを含めて5足)

サンダルは苦手なのでそもそも持っていないので
リアルに私の靴はこれだけなのだ。

にもかかわらず我が家のシューズクローゼットは
靴であふれかえっている。

泥棒が我が家に入ってここを見たならば
「この家に旦那は住んでいないのではないか」と
思われないか密かに心配しているのは
ここだけの話である。

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