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異端思想と拷問と教育の本質について。

NHK総合にて放映スタートいたしました
テレビアニメ『チ。-地球の運動について-』
第1話&第2話の連続放送、観ました〜!

ぼくは今のところ、魚豊さんの原作漫画を
「第6集」まで読んでいて、今後のストーリーは
どうなってゆくかは存じてないですが、
でも、あらためてアニメで観ながら
今後起こる物語のことを想像すると、
なんだか泣けそうになってしまった。。。

『チ。-地球の運動について-』という作品について思うとすると、
15世紀のヨーロッパ、禁じられた
地動説を研究する人々が描かれる物語において、
地動説を研究する人々のことを「異端」とされ、
その人々に対して、審問官による拷問のシーンが
あまりにも印象的に映る。
ぼくは、あらゆる作品において
暴力及び痛々しい場面が苦手でして、
そういう場面を見ると、
どうしても目を背けてしまう。それは、この
『チ。-地球の運動について-』でも同様で、
原作漫画でも、かつ、このたびのアニメでも
そのようなシーンはまともには観られないぐらいなのよね。

『チ。-地球の運動について-』で描かれている
拷問及び暴力とは何か? と考えるとすると、
それは、つまり、
「教育」と関係しているのではないか?!
とも思ったのだった。たとえば、
地動説がなぜ禁じられているか、というのは
『チ。-地球の運動について-』においては、
地動説とは、物語で登場する
「C教」という宗教の教義に反する考え方であり、
異端思想として認められると拷問、
さらには火あぶりの刑に処される。

【教】という漢字は、
白川静先生の『常用字解』によれば、
「学舎で学ぶ子弟たちを長老たちが鞭で打って励ます」
とされていて、つまり、【教】には
「鞭で躾ける」という意味がある、とのことでして。
かつて、日本では、先生を育てる学校のことを
「学芸大学」と名付けられていて、ある時期から
「教育大学」と名称が変わった、
というお話を聞いたことあるのですが。
その「学芸大学」の【芸(藝)】の字とは、
「苗木を両手で捧げ持つ形や苗木を土に植え込む」
とされていて、つまり、【藝】には
「植物をひざまずいて育てる」という意味がある。

このことから鑑みるとすると、
『チ。-地球の運動について-』の中で表現されている
宗教とは、やはり
「鞭で躾ける」かのごとくの【教】であり、
宗教の教義に反することにおいては
拷問によってその考えを改めさせる。
このことがね、いわゆる
「教育」なのではないか? とも思えてしまうの。
それはいわば、現代の教育制度においても
拷問や火あぶりはもちろん無いにしても、
似たような部分はあるのやもしらないか。
そして、「教育」の本質とは
「学芸」であって、つまりは
「ひざまずいて育てる」こと。

そのようなことも考えながら、
おそろしくも、おもしろい、と感じられる
『チ。-地球の運動について-』をね、今後、
原作漫画の続き、及び、アニメを鑑賞してゆけたい〜。

令和6年10月10日