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10 砂壁の塗装とフローリングオイル塗装<ホームセンターが福岡の人気エリア・糸島で、空き家をリノベしてみる>
今回は「3部屋ぶち抜き」で作ったコミュニケーションルームの壁と床の仕上げ作業です。
1日目は07回でふかし壁を作った時に未作業だった和室部分の砂壁を、2日目は05、06回でフローリングにした床の塗装をしていきます。
Day1 昭和の砂壁を白く明るい壁に
砂壁は、石膏ボードなどの下地の上に石材や貝殻などを砕いた砂と糊を合わせたものを塗って仕上げた壁。
昭和の時代に建築された住宅の和室に使われていることが多く、天然素材を使った温かみが感じられる独特の風合いで、湿気を吸収するという特徴を持っています。
その特徴ゆえ、カビが生えやすいというデメリットも。また表面が砂粒でザラザラしているため、誤って手が当たってしまったりすると擦り傷が傷ができたり、経年により劣化すると壁から砂がポロポロと落ちてしまったりすることがあります。
この黄土色の砂壁を、白く明るい壁にリノベします。
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下準備として周囲を養生していきます。塗料がはみ出したり、垂れて落ちてしまった時に周りを汚さないように、また、部材のすき間に塗料が入り込んでしまうことを防ぎます。
床にはブルーシートを敷き、さらにマスカーテープを使って養生します。
マスカーテープは「養生テープ」と「折りたたんだビニールシート」が一体化したもので、テープで固定した後、ビニール部分を広げることで、汚したくない場所を覆うことができます。
マスカーテープは家庭用の便利アイテムとしても、グッデイスタッフがお勧めする商品のひとつ。お子様の工作や絵画などの作業時に汚れ防止として使ったり、災害時には簡易レインコートやトイレの材料などにも使うことができます。
壁はマスキングテープでマスキングしていきます。
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今回使うのは乳白色のカチオンシーラーと白の室内壁用の水性塗料。下地に使う塗料のことをシーラーといい、シーラーを塗ることで、塗料が塗りたい場所に染み込んでしまったり(染み込むとその分塗料が多く必要になる)色ムラができてしまったりすることを防ぐことができます。
砂壁は特に水分を吸い込みやすいため、シーラーでしっかり下地をつくることで、余分に塗料を吸い込まないようにします
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道具は刷毛、ローラー、受け皿を使います。
ローラーの方が広い範囲を塗れ、塗りやすさではおススメ。
刷毛は細かい範囲を塗るのは向いていますが、含ませる塗料の量や力加減に少々コツが必要です。
最初に刷毛を竹トンボのように回して、浮いてきた遊び毛を取っておくと、
刷毛の抜け毛が塗料に混ざってしまうのを防ぐことができます。
養生を終えたら壁にカチオンシーラーを塗ります。
カチオンシーラーは乾くとシリコン樹脂が砂壁と一体化して硬化するため、表面の砂が落ちにくくなります。また、下地が白い方が塗料がきれいに発色するため乳白色のものを使います。
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「塗り方は小さいころにした塗り絵と同じ。きれいに塗るためには、フチを塗ってからその後中の方を塗るときれいに塗れます。」”師匠”細川さんのアドバイスを受け、はみ出さないように刷毛でシーラーを塗っていきます。塗料を含ませすぎると垂れてくるため、刷毛を受け皿のへりでしごいて余分なシーラーを落とします。
フチを塗り終わったら内側はローラーで。
受け皿に入れたシーラーをたっぷりとローラーにつけて、ローラーの気泡を抜きます。
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受け皿の凹凸の部分やネットで余分な塗料をローラーからしごいて落とし、壁全体に乾いたところがないように塗っていきます。
含ませすぎず、落としすぎず、自分なりの”絶妙な塩梅”を模索します。
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時間をおいて少し乾かしたら2回目を重ね塗りします。
塗り終えたらシーラーが完全に乾く前にマスキングテープをはがします。乾ききる前、半渇きの時にマスキングテープをはがすのがポイント。
塗料が完全に乾いたあとにマスキングテープをはがすと、塗装した部分にひびが入ることがあります(カチオンシーラーはノリ状に)。
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2度塗りしたシーラーが乾いたら次は塗料。再度周囲をマスキングテープで養生します。養生は塗装において大事なポイント、丁寧に行うことで仕上がりがきれいになります。
缶入りの塗料を受け皿に出し、シーラと同様に刷毛やローラーでフチから塗っていきます。
【マメ知識】缶入りの塗料を上手に使うには?
1.塗料は成分が沈殿するため、よく振ってから開ける。開けるときはマイナスドライバーをふたの間に差し込んで『てこの原理』で開ける。
2.塗料は受け皿などに入れて使う。
刷毛を直接入れるとゴミやほこりが入り、残った塗料が保存しているうちに変質して使えなくなってしまうことがあるため。
3.フチの塗料をふき取ってからフタをする。
フタがきっちり閉まっていないと乾燥して使えなくなってしまうことも。
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乾かしたら2回目の重ね塗りをし、マスキングをはがして乾燥させます。
マスキングをはがしたら、天井や壁の化粧部材(見た目の装飾として取り付けられた木材など)との隙間をコークボンドを詰めて埋めたら完成。
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砂壁が白い壁に変わったことでコミュニケーションルーム全体が明るい印象になりました。
Day2 ワトコオイルでフローリングのオイル仕上げ
2日目は、ワトコオイルでカフェ板フローリングをオイル仕上げ(オイルフィニッシュとも言います)していきます。
ワトコオイルは亜麻仁油を主成分とした塗料の一種。塗ることで塗膜を作る塗料とは異なり、木材に塗ることで内部に浸透し、木材のもつ木目や質感を活かして色味を変化させることができます。
傷などがある場合は、サンドペーパーで研磨して表面を整え、ほこりや汚れを取っておきます。
入口側の部屋の端から中央に向けて移動しながら、手の届く範囲で分担して作業を進めます。
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ワトコオイルを刷毛で全体に塗り、5分ほど経ったらウエス(ふき取り用の布)で表面に残った塗料をふき取ってしばらく乾燥させます。
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部屋の中央あたりまで塗り進めたら、向きを変えて反対の壁側から同じようにワトコオイルを塗っていきます。ワトコオイルは表面に残りが多いと乾燥時間が長く必要になるため、丁寧にふき取りを行います。
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塗ってはふき取り、塗ってはふき取り…
広いコミュニティスペースをコツコツと塗り進めていきます。
「もっと臭いがきついのかな、と思っていたけれどもそうでもなかった。」
と初めてワトコオイルを塗ったスタッフ。
ワトコオイルは一般的な塗料で想像されるような、シンナーのような匂いではなく天然成分由来の独特な匂いです。
朝から始め1回目が塗り終わったところでお昼休憩。その間に乾燥させます。
休憩を終えたら2回目の塗りの作業開始です。
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重ね塗りが終わったら作業は終了。丸一日以上時間をおいてしっかり乾かします。
木目が映えるナチュラルな色合いのフローリングに仕上がりました。
「面積が広いので塗りは大変だけど、風合いも良いし、仕上がっていく様が目に見えるので楽しかった」とスタッフも笑顔。
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この二日間はグッデイの店舗から「塗装を学んでみたい!」と手を挙げた若手スタッフが作業に参加。実作業を通じて、塗料の特性や道具の使い分けを学びました。
同時に今回は、GooDayHouseの近隣の方にも『参加可能』として事前にご案内をしており、興味を持たれた地域の方が作業に参加してくださいました。
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壁の塗装とオイルフィニッシュの作業を二日でそれぞれ体験された地域の方は「ご自宅をリフォームしてみたい。」と考えているそう。
今回の体験は参考になったようです。
古い空き家はスタッフの手によってGooDayHouseへと形を変え『社員が色々なことを試し、学ぶ場であり地域に開かれた場』として動き始めています。
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