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『文』『詩』

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思ったこと感じたことを書き殴ったような文。 共感やこんな感情もあるのか、をコンセプトに。 不定期更新。
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2022年12月の記事一覧

詩【大晦日とうどんの精霊】

大晦日の夜 蕎麦アレルギーの私のところには うどんの精霊がやって来る 茶色い体を 真っ白なマフラーで着飾って お出汁の良い香りを漂わせる キツネかタヌキか どっちが良いかと歌い出す いつもありがとう 来年もたくさん食べるからね って約束をして あつあつのうどんを ずるずるすする 今年も美味しくいただきました

詩【恐怖という感情】

額縁のような窓から外を見る 新緑だった木の葉が紅葉して 季節が流れているのを感じる 私は動けない 空を舞う鳥のように翼を動かせたら 私は躊躇いもなく この額縁のような窓から飛び出すのに この身体は絵の具で固められたみたいに 動かない 動かせない 恐怖という感情は 本当に厄介だ

詩【あなたがいないと創れない】

あなたがいない朝 ベッドが冷たい 心が寒い 探しても見えないのに あなたがいつもいた場所を見てしまう ため息が霧になり 部屋中に広がる 早く帰ってきて 無事に帰ってきて 私の世界は あなたがいないと創れない

詩【一時の感情でも本物にさせて】

嘘をついて偽って隠して蓋して 笑顔の裏には涙があって 強がって背伸びして慣れない靴はいて 靴下の中は傷だらけ そんなときに優しくされたら 好きになっちゃうよ もしかして狙ってた? なんて調子にのっちゃうから もう泣かせないで悲しませないで 愛して愛させて 例え一時の感情でも本物にさせて あなたと死ぬ夢が見たいから

詩【いちにのさんで】

いちにのさんで 用意して 逃げ出す準備は出来たかい? 胸に勇気を詰め込んで 耳を塞いで扉の前へ 自分の心を偽って 現実に潰されるときもあるだろ 泣いて叫んでも助けは来ない 救い出せるのは自分だけ いちにのさんで 走り出せ 方角なんて気にするな 逃げ道だって立派な道さ とにかく走れ 走り出せ 理不尽ばっかの世の中だから 幸せなんてやってこない 道端にある小さな希望 掴むのだって自分次第 いちにのさんで 望む未来 夢見て走ってかき消されても 胸に勇気を詰め込んで もう一度

詩【仄かな光が灯る】

ゆるり、ゆらり、ゆるりらと。 今年も仄かな光が灯る。 今に感謝し、次に希望を。 願い願って立ち上がろう。 1mmでも進めたならそれで良い。 あなたが向いている方が前なのだから。 道が違えど終着は同じ。 最後にまた会えることを信じて。 今は別れを、次に祝福を。 願い願って立ち上がろう。 ゆるり、ゆらり、ゆるりらと。 今年も仄かな光が灯る。

掌編小説風日記【海老】

私が食べられないものの一つ。 それは海老。 茹でると赤く色付いて、調理法によっては色々な歯触りが楽しめる。 あの海老。 嫌いで食べられないわけじゃない。 むしろ大好きで。大好きで、大好きで。 食べ過ぎてアレルギーになった。 さっくさくになったパン粉をまとうエビフライも、魚のすり身とあらく潰した海老の二つの食感が楽しめる海老しんじょも、パラパラとしたお米の中に潜んでいる小海老探しが楽しい海老チャーハンも、マヨネーズのまろやかさと大きな海老にテンションが上がってしまうエビマヨ

文【大切な人達への道標】SS

今、そばにいてくれる人達を大切にしよう。 そう思っているのに。 ほんの少しの何気ない悪意が、私の視界を黒く塗り潰す。 懸命に光を探すけれど、闇に突き落とされたかと錯覚するほど。 何も見えない。 大切な人達を蔑ろにした罰だ。 今あるもので満足しなかった罪だ。 何処からともなく、そんな声が聞こえてくる。 恐くて涙さえも出ないけれど。 そんなときは、呪文のように 「ありがとう」 と、言い続ける。 ただひたすらに。 声に出ているのか、心の中で呟いているのかは分からないく

文【鉛筆のような人生】

生きるために文章を綴っているけれど。 綴れば綴るほど、私の命が削れていく。 売れる文章を書かなければ、生活だって出来なくなる。 あと一歩。 前に踏み出せたら。 と考えてみても、何処まで歩けば、その一歩になるのだろう。 矛盾している、私の生きる術。 鉛筆のような人生。 これだけ生きても、芯の色はまだまだ薄く。 消しゴムで消されてしまうような。 周りが暗すぎて、自分の文章さえも見えない。 私の残りの鉛筆は、あとどれくらい綴れるのだろう。