読了「そのバケツでは水がくめない」飛鳥井千砂
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中堅アパレルメーカーで働く二十九歳の理世は、
念願叶って新ブランド〈サウ・サ・フォン〉の
創立メンバーに抜擢された。
カフェで偶然目にしたバッグに心揺さぶられた
理世は、その作者・美名を新ブランドの
メインデザイナーにスカウトする。
ブランドは急速に成長し、公私の垣根を超え
親密になる二人。
しかし、ある些細なきっかけから、その関係は
綻びをみせはじめ……。
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以下より、ネタバレが含まれる場合があります。
ド派手な展開はないものの、このなんとも言えない
本当に穴のあいたバケツから
水がこぼれるかのような感じのジワジワくる不快感
派手じゃないからこそ、リアル感があって
それが不快感を増加させてると思う。
美名みたいな人いるんだよね。
ヤドカリみたいに次から次へと寄生先を変えて
誰かにくっついてないと生きていけない人。
なのに、自分に都合が悪くなったり
思い通りにいかないと怒るほどでもない
いやがらせしてくる。
本当、巧みなんだよなー…。
巧み過ぎて、本の中の話なのに
めっちゃ不快でした(笑)
理世は優しいから、どうなるのは心配したけど
振り切った行動をしてくれてよかった。
自分には自分の人生があるわけだから
それを壊されないように離れることも
時には大事だよなー。と勉強になった。
この作品は、もちろんどなたにも
オススメですが
個人的には、20代~40代の女性に
特に楽しんでもらえるんではないかなと
思います✨
ぜひ、この不快感を味わってください(笑)