読了「朔が満ちる」窪美澄
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サバイブ、したのか?俺ら。
家族という戦場からーー
家庭内暴力をふるい続ける父親を殺そうとした過去
を封印し、孤独に生きる文也。
ある日、出会った女性・梓からも、自分と同じ匂い
を感じたー
家族を「暴力」で棄損された二人の、
これは「決別」と「再生」の物語。
朝日新聞出版 322ページ
読了カラーイメージ 白
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以下より、ネタバレが含まれる場合があります。
はぁー、しんどかったー…。
けど手が止まらなかった。
私も文也と同じ境遇だから、気持ちすごく分かる。
何度、手をかけようと思ったことか…。
でも私は一緒に暮らせなくなることはよくても
他の家族が平穏に暮らせなくなることが
分かってたから行動できなかった。
そういう意味では、文也は山の田舎に
住んでいたことや味方がいたから
よかったと思った。
途中、文也が不安定になるときに
どっちの気持ちで応援というか
見守ればいいか、すごく迷った。
もちろん、法的には悪いことだし
褒められるような行動ではないけど
本気で本当にこの事実を乗り越えるのには
そうせざるを得ないときもあるんだよね。
これは経験者や関係者にしか
きっと分からないと思う。
でも最後は文也が行動できなくて
本当によかった。
傷痕は消えないし、苦しむこともあるけど
それを抱えながら、向き合って
幸せに生きていってほしい✨
虐待の話で、結構ヘビーなので
そういうものが苦手な方は×です。
あとは元の方も、フラッシュバックなどには
お気を付けください。
内容はヘビーでしたが、とてもいい作品なので
ヘビーを求めている方はどうぞ✨